日本建築法制会議 第13回総会議事録

日 時:2004年11月3日(水曜日)14:00〜18:00  京都会議 総会 

        11月4日(木曜日)10:00〜16:00  社寺建築 研修会

場 所:京都年金基金センター「らんざん」小倉山会議室

出席者:7名(敬称略・50音順) 

   大山  宏,加藤光一,竹川忠芳,辻 英一,眞柄榮毅,柳澤孝次,山田利行

主な情報発信と意見交換(敬称略)

 11月3日 京都会議 総会(写真参照)

     加藤光一:『建築における工事請負契約約款等における課題と展望』について、

提出資料:『住宅建築工事請負契約約款(日弁連)』、『民間建設工事標準請負契約約款

 (中央建設業審議会)』、『茨城すまいの情報舘の「契約」より』、『中央建設工事紛争審査

  会紛争解決事例(あっせん、調停、仲裁)―紛争処理状況(平成16年度第1四半期)

  国交省総合政策局建設業課(平成16年7月29日)』、『建築関係訴訟法(新・裁判実務

  大系2)編・著者 塩崎勧/安藤一郎編 ISBN4―417-01217-2』、『参考判例(請負・

  委任)』

  ※ 日弁連の約款で工事費の9割の支払いとは、旧来の習慣でもあった。(K.T.)

 瑕疵に関しての正しい認識が重要である!(T.T.)

 学会規準よりは公庫の仕様書を活用することが合理的であるようだ!(Y.K.)

 戦後日本の農地解放の大地主解体など細分化した土地所有が今日の土地政策にも大きな影響を及ぼしており、日本における持ち家政策を見直してブロックで街をつくることを実行していかねば、少子高齢化社会の日本の住環境は良くならない!(K.T.)

 スウェーデンの“建物維持管理のための社会システム”を見習うべき!(T.T.)

〇 辻英一:『構造設計技術者の憂鬱』について

  提出資料;『建築基準法の変遷とその背景(作成中)(JSCA関西支部 法制分科会

  2004/9/9)』,『何が壊れ 何が残ったか−ものと生命とつくり手の責任−建築ジャーナル

  1996-2 No.877特集PP.40〜46)』、『建築基準法の改正がもたらしたもの(小川富由)

  GBRC2004・10』、『新JISマーク表示制度と新JNLA(試験所登録)制度(片山啓)GBRC2004・

  10』、『大阪府建築基準行政と財団法人日本建築総合試験所(熊谷賢一)GBRC2004・10』、

  『建設業から見た建築基準法改正の影響(松井攻)GBRC2004・10』、『建築材料製造業

  から見た新JIS マーク制度の影響(根津修美雄)GBRC2004・10、『保険事故に見る建築士

  事務所のリスクマネージメント(中川孝昭)Argus-eye 2004年11月号』

 単体規定と集団規定のあり方を見直し、建設される建築規模と数十年先の人口密

  度の変化などを見据えた建設が一層重要となってくる!(Y.K.,K.T.)

 建築確認時に、構造に関し未整理、理解不足の知識で平気で設計する人やコンピユ

  ーターを使いながら、多分経済性をあげる目的で全く間違った計算書を平気だして

  くる! 関係者の倫理の確立が大事な課題である。!(K.K.レポート)

建築確認時のおける建築設計者と構造設計者の双方の押印に関して、設計報酬料

の見直しとともに今後の課題であろう!(Y.T.,Y.K.)

 公共工事で実施される“計画通知”とは何か?責任の所在はどのようになってい

  るのか!?

     大山宏:『事故からの教訓』について

  提出資料:『朱鷺メッセの損害賠償請求事件(平成16年(ワ)第465号)

@       口頭弁論期日呼出及び答弁書催告状(平成16年9月16日)第1回口頭弁論期日

    平成16年11月26日 午後3時00分 新潟地方裁判所 第1号法廷

A       証拠説明書(平成16年9月7日)甲号証1〜21 

B 委託契約書 基盤建設 第 1-00-00-93号、第1-00-00-92号 』、

  『第3回耐震工学研究会シンポジウム;2004年10月27日(水)10:00〜18:00 開催

  場所:建築会館、免震構造技術と法規制の現状を問う―改正建築基準法施行から4年、

  建築設計はどうあるべきか−』、『公共工事の品質確保の促進に関する法律案(全文)』

 ※ 公共工事の入札契約制度の事件として『明治6年(1873年)明治新政府が名古屋

 鎮台営舎のために発注した兵舎において、竹中工務店が兵舎約30棟5千坪の整備を

 毎日のように設計変更、模様替え、追加工事に悩まされ折り悪しく激しいインフレ

 が日本を襲い、ただ命ぜられるままに工事を急ぎ、請負高の50%に達する大幅な赤

 字を抱え竹中側は設計変更、追加工事、物価・賃金の高騰を理由に大審院(いまの

 最高裁判所)まで持ち込んで争った名古屋鎮台事件』を思い起こす!(M.H.)

〇 竹川忠芳:『私の考える建築基本法について』、提出資料『私の考える建築基本法につ

  いて、平成16年10月6日』⇒ 後日、ホームページに掲載予定!

     山田利行:『随想(その2)歴史的建築物の現場を訪ねて』(Structure No.92 2004.10 )

,日本建築法制会議研修会(11月4日午前)社寺建築「奥谷組」展示資料館訪問日程

〇 柳澤孝次:先月10月中旬に行かれた悠久な歴史を持つ中国の世界遺産の旅の写真集

  をもとに石窟美術と多岐にわたる造形藝術等の体験談話!

 11月4日 社寺建築 研修会 (写真参照)

  午前:社寺建築「奥谷組」の展示資料館を訪ね、工匠が創りあげた多くの目に見えないかくし技とも言うべき伝統技法の「収まり」「継手」「仕口」の精密な模型や道具、原寸場を奥谷組千田日出雄社長の案内で「奥谷組の願い:未来の国宝を造る」を伺いながら見学し、お抱え大工、歴代瓦職及び飾職等の専門技能職の保持や国内外にわたる木材原料確保の努力のご苦労話など大変興味を惹く内容もお伺いした。さらに、木造社寺建築のアンカーボルトの有無についても議論をした。

  午後:展示資料舘から近くの国宝や重要文化財の木造建築をレビューするため、山崎周辺の半日散策を企画した。山崎には1923年(大正12年)の関東大震災の年に着工した日本初のウイスキー蒸留所もあり工場建屋にはわが国では初期のプレストレストコンクリート造による見学通路が造られている。

  JR山崎駅前に国宝『千利休が築いた茶室:妙喜庵茶室(待庵)』、酒解神社の『重要文化財校倉形式板倉造の神輿庫』、『一寸法師の宝積寺(宝寺)の重要文化財三重塔』、『天下分け目の山崎の合戦:古戦場を一望できる天王山(標高270m)』などがある。

 

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