日本建築法制会議 第21回 総会議事録
日 時:2005年11月8日(木曜日)10時00分〜12時00分
場 所:東京都港区新橋3−16−3 東京都港区立生涯学習センター
出席者:7名(敬称略・50音順)大山 宏、加藤光一、竹川忠芳、辻 英一、
眞柄栄毅、柳澤孝次、山田利行
●主な情報発信と意見交換(⇒){〇話題提供と提出資料:敬称略}
○話題提供と提出資料―1(竹川忠芳)
・仙台プールの天井落下事故と「建築基本法」、竹川忠芳、Structure、2005.11.
⇒JSCA機関誌に初めて“建築基本法”が登場か
・建築基本法の基本項目についてのメモ、神田順、建築基本法制定準備会幹事会メモ
2005年11月7日
○話題提供と提出資料―2(辻 英一)
・スポパーク松森プール天井落下に見る確認機能の不備:鋼構造ジャーナル、2005.9.19.
⇒ 発注形態でも構造設計でも、空白地帯の事故。
⇒ 阪神淡路大震災でも、避難所に使えなかった建物があった。
・JSCA:高層RC造マンション視野に、「限界耐力計算の問題点」を指摘、
鋼構造ジャーナル、2005.9.19.
⇒「計算法に罪はないにしても、最近建設される多くのマンションでは、
適正な安全性を確保する意識が欠落している」と。
・スポパーク松森における天井落下事故調査報告、国土交通省国土技術政策総合研究所
、独立行政法人建築研究所、ビルデイングレター、2005.9.
・「建築基準法に基づく構造設計Q&A集:限界耐力計算および各種構造計算ソフトも解説
、(社)日本建築士事務所協会連合会、平成17年10月、
⇒ 第1章 概論、第2章 構造設計Q&A、第3章 限界耐力計算Q&A、第4章
構造計算プログラム{設計実務面での現状、コンピユーター利用の問題点、(コンピユ
ーターシステムの危険性、プログラムの作成者の問題、使用者(設計者)の視点から、
構造計算書の公共性、)一貫計算プログラム使用にあたって(電算機による計算と「手
計算」という手段、技術の伝承の問題、コンピユーターの利点と負の側面、)など、
コンピユーター時代の構造設計における問題提起をしている。
・「新耐震設計法Q&A集」、監修:建設省住宅局建築指導課、
編集・発行:(社)日本建築士事務所連合会、昭和57年9月、
・「学校耐震化に予算配分を、岡田恒男教授が力説」日刊建設産業、2005.10.19.
・スーパーゼネコンが「外断熱」工法に転向する。飯村直也、財界展望、2005.11.
・「基礎杭」全国トップ企業のマンション「建設基準法違反」疑惑、山岡俊介、財界展望
、2005.11.
・「指定確認検査機関の事務は市が責任を負う」確認の違法性が認められた場合は
どうするか、野口和俊、日経アーキテクチャー、2005―10―3
・新社会システム研究会に参加して、五條 渉、Structure、No。96.2005.10.
⇒ 「ベースシアの低減が、設計者の工学的判断の不適切さに起因するとすれば、是正
する必要があるため、その検証はきちんと行なう必要がある。」と、危険を指摘。
〇話題提供と提出資料―3(大山 宏)
・鳥取県議会が人権条例を可決。 国の法案先駆け、日本海新聞、2005年10月13日
・「SDG構造設計集団の裁判費用カンパの呼びかけ」趣意書、神田順、
構造家コラム、2005年10月6日、
・法律・司法の理不尽な構造技術の扱い、神田順、構造家コラム、2005年10月06日
・垂井高架と朱鷺メッセに気になる共通点、〜土木技術に立ちはだかる御用学者の是非、
鉄骨決着を避ける朱鷺メッセ裁判、橋梁編纂委員会、橋梁&都市PROJECT、2005.10.
・垂井高架橋の亀裂調査と対策、丸山委員会の補修案けり架け替え、橋梁$都市PROJECT
2005.10.、
・建設業における事故は共同責任であるべき、谷 敬、、橋梁&都市Project、2005.10.
⇒『朱鷺メッセ連絡デッキの事業は、計画通知制度が適用されているために事故に対す
る監理責任は全て発注者側の県に所属すると建築基準法に定められている。』と主張。
・アスベスト問題と解体設計による資源循環、小山明男、月刊ウエンデイ、2005.10.15.
・「談合業務課」現場から見た官民癒着、鬼島紘一、光文社、エコノミスト、2005.10.18.
・ミシシッピ=アメリカを生んだ大河、ジエームス・M・バーダマン、講談社選書メチエ。
書評、毎日新聞、2005.9.25.
⇒ ハリケーン「カトリーナ」災害を予告していた。
・「責任」はだれにあるのか、小浜逸郎、PHP新書
・「今、会計不信を乗り越えるには、」、川北 博、エコノミスト、2005.10.18.
・ハリケーンに揺らぐブッシュ政権、冷泉彰彦、エコノミスト、2005.10.18.
・「地域の絆」が地震に強いまちをつくる、中林一樹、エコノミスト、2005.11.8.
・「事故防止と長寿命化を目指す「建物診断」を、吉田達郎、週刊金曜日、2005.9.3.
○話題提供と提出資料―4(眞柄榮毅)
・建物の瑕疵と請負契約の解除、最高裁(三小)平成14年9月24日判決、山口康夫、
建築の研究、170、2005年9月
⇒「請負の目的物の瑕疵が補修によっては修復されず、そのために建物全体の強度や
安全性が著しく欠ける場合には、損害賠償として建て替え費用を認める判決」
日本建築法制会議鳥取会議
第48回日本弁護士連合会人権擁護大会シンポジウム第3分科会
「日本の住宅の安全性は確保されたか」―阪神・淡路大震災10年後の検証〜
日時 2005年11月10日(木)12:30〜18:00 シンポジウム
場所 鳥取県立県民文化会館小ホール
日本建築法制会議メンバーの出席者(敬称略)
竹川忠芳、大山宏、西邦弘、柳澤孝次、眞柄榮毅
シンポジウム聴講後、上記5人によるWorking Dinnerを開催。
日弁連は、「安全な住宅に居住する権利」を新たな人権として確立することが
不可欠であり、「設計」・「施工」・「監理」の分立をはかるべき」としているが、
「良い建築」が建築されるための制度としては相応しくない。むしろ、建築士の
創造性をどう発揮させるのか、さらに、その責任をどうとらせるのか、現在の
建築確認制度のあり方はこれでよいのか、さらに、国土交通省の告示のあり方
はこれでよいのか、など議論多し。