日本建築法制会議 第29回 総会議事録
日時:2007年3月7日(水曜日)10時00分〜12時00分
場所:東京都港区新橋3―16―3 港区立生涯学習センター ばる〜ん304学習室
出席者:9名(敬称略・50音順)
大山 宏、加藤光一、楠川邦輔、山東和朗、竹川忠芳、
辻 英一、眞柄栄毅、柳澤孝次、山田利行
●主な情報発信と意見交換(敬称略) ⇒ 主な意見と議論など
○ 資料提出(辻英一)
・「耐震偽装の本質について:辻英一」、鋼構造ジャーナル、2007年1月20日
⇒2007年6月から施行される「構造計算適合性判定」制度の開始にあたり、
現在の設計法は実務経験に乏しい人によってつくられる場合が少なくなく
複雑、難解で作成者とその運用者の間に乖離がある。設計手法について安全
性や経済性も失われない単純明快な手法を取り入れることも必要だ。
・ 「限界耐力計算の課題」、倉本洋、鋼構造ジャーナル、2007.2.12.
⇒{ベースシア係数G}の工学的判断のあり方が建物の現実の設計において、
十分検証しているのであろうか。
⇒ 限界耐力計算法に下限値設定が正しいとしても、オープンな議論なしは
フェアではない。告示などに記述するには、じっくりと時間もかけてそれら
の計算法の妥当性などについても検証してから採用すべきはないのか。
〇資料提出(大山宏)
・特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律案
・ 設備6団体要望書:「建築設備士の更なる活用と設備設計一級建築士制度構築に向けての要望書」、平成19年2月15日
・ 「県有施設の耐震診断結果について」、平成19年3月1日、長野県
⇒ここまでオープンにするとはたいへん素晴らしいことである。
・ 「中高層建築物設計指導方針」、近畿建築行政会議、平成14年12月2日
・ 「国土交通省告」:平成19年告示予定の構造計算の方法を定める告示案
⇒ここまで法令に決められてしまっては、奴隷技術者である。現実に使われてい
ない固定モーメント法、たわみ角法や、現行設計において課題が多い増分解析
法、極限解析法、節点振分け法などが告示案に明記されていることはどのよう
な理由からなのであろうか。
⇒1998年改定では、“実験を認めなかった”のが、復活するのか!
⇒1981年新耐震設計法導入にあたっては、数年かけて懇切丁寧に100社等が試行設計をした。今の突貫工事的な「法律」の作成の動きなどは無かった。
⇒1998年の建築基準法の改正で性格が『「目標設定による指導」から「規制」へ』と一変した。建築指導ARCHITECTUAL GUIDANCEから規制法へ変貌。
⇒日本の戦後の住宅の持ち家政策は最大の失政である。
⇒地方の公共事業には失業対策の性格が強く残る。
⇒建築基準法に従っていれば良い建物が建つのであろうか。もっと、耐震強度偽装事件の本質を見据えていかねばならない。税金の使い道にも非常にうるさい北欧のスエーデンなどの建築事情から学ぶことも重要である。
・「過当競争で果てしない消耗戦」、山田英司、エコノミスト、2007.2.13.
・「建設業界を追い込む改正独占禁止法の破壊力」、荒谷紘毅、エコノミスト、
2007.2.13.
・「大手ゼネコン同士の「玉突き」再編も」、福島大輔、エコノミスト、
2007.2.13.
・「脱談合」で直撃を受ける土木依存度の高いゼネコン、山口義正、エコノミスト、
2007.2.13.
・「開発と投資」で東京は進化する、エコノミスト、2007.2.13.
・吹き飛んだ「オフィス07年問題」、前沢威夫、エコノミスト、2007.2.13.
・「6カ国協議の真相は北朝鮮の鉱物利権争奪戦」、原田武夫、エコノミスト、
2007.2.13.
・「中国の歴史観が激変しつつある」、辻康吾、エコノミスト、2007.2.13.
・「最大で6.4度上昇」IPCC温暖化報告の衝撃度、住明正、エコノミスト、
2007.3.6.
・「コーポレート・ガバナンスで不祥事はなくならない」、平田光弘、エコノミスト、
2007.2.6.
・「日本的経営と米国型とのバランスを取れ」、林大樹、エコノミスト、
2007.2.13.
・「再び建物の耐震強度不足問題について」長尚ホームページ : http://www.avis.ne.jp/~cho/tang.htm
⇒『耐震強度不足問題は現在の日本社会の共通の病根―建前と本音の乖離、制度疲労、責任回避、安易な法律運用による本質的矛盾の放置、不必要な規定による混乱、設計・施工の実際と基準類の乖離、内容の理解不足のままのコンピューター利用の弊害、天下り先の開発などーを浮き彫りにしているようだ』
(2007.2.21. ,3.5 )※注:3月7日以降のホームページ情報「建築基準法での耐震強度規制への関与のあり方について」長 尚 ホームページ
( 2007.3.16. 18 http://www.avis.ne.jp/~cho/kita.html