日本建築法制会議 第36回 総会議事録
日 時:2008年1月31日(木曜日)10時00分〜12時00分
場 所:東京都港区新橋3―16―3 港区立生涯学習センター ばる〜ん304学習室
出席者:10名(敬称略・50音順)
大山 宏、加藤光一、山東和朗、竹川忠芳、西 邦弘、速水清孝、眞柄榮毅、
室田達郎、柳澤孝次、山田利行
◎ 主な情報発信(敬称略)と意見交換(⇒)
・ 資料提出(辻 英一)
:“官製不況は序の口 マンシヨン氷河期が目前に迫る 始まりは郊外から供給側を立ち往生させる事情とは”、WEDGE,JANUARY 2008年2月3日
:“建築行政 来し方ゆく末 法規制か指導行政かー全国の建築確認停滞をめぐってー”
松谷蒼一郎、kenchikushi,2008.1.
:“2008年の課題と方針、適判業務の人的協力を 確認申請の円滑化に全力”、
水流潤太郎、鋼構造ジャーナル、2008.1.1.
:“2008年の課題と方針、法改正に全面協力 研究する「体力」鍛える”、
山内泰之、鋼構造ジャーナル、2008.1.1.
:“建築行政の改革への提言”、松下冨士雄、鉄構技術、2008.2
主な提言の要約は
1)法第20条の2を改め、「建築設計は建築主が決断すべき主要な権利と明記し、構造解析法は選任された責任ある建築技術者の責めに帰すことを明確にする
2)現状の建築主事及び職員の数を、カリフォルニア並みの6〜7倍に従事者を増員することを検討するべきである。
3)建物の安全性を建築主の責めに帰するのでれば、建築主は信頼し得る構造を選ぶことが最も重要な仕事になる。構造技術者達は多方面にわたる専門を有し、経験豊富な集団に依る支援体制をつくる必要がある。
:“市川駅南口地区第一種市街地再開発事業”の是正工事再開情報
⇒ 瑕疵担保責任の期間が30年に延長された。大規模修繕等が途中であれば実質的には意味が無いだろう。是正工事方法に関して(財)日本建築センターの構造性能評価や国土交通大臣の認定書を得ているとのことだが、将来、瑕疵となった場合には、誰が責任をとるのだろうか?
裁判になった場合の判決など今後の展開に注目したい。
・資料提出(眞柄 榮毅)
:“認定プログラムなんて大きなお世話、建築基準法第20条〔構造耐力〕の改定案”、
神田順、建築ジャーナル、2008.1
⇒“積雪、強風、地震動に関しては、再現期間500年の事象に対しても倒壊しないことを
確認する”と提案しているが、“500年を外挿することはいかがなものか?
不可能を“法”に書くことは許されるのであろうか?
⇒1981年の新耐震設計法制定時における基本理念を思い起こす。大地震時に
おいて建物が大崩壊しないようにとの狙いから“保有耐力計算とは鉛直部材
だけは崩壊を遅らせようという方便であり“、梅村魁先生はその基本理念を
理解されていた。その後いつのまにか再現期間500年荷重と結び付けられて、
例えば2000年施行“住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)では
“構造の安定に関して“極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による
力に対して倒壊、崩壊しない程度”等の耐震等級などができている。
:“JIA次期会長・出江寛氏インタビユー”、建築ジャーナル、2008.1.
・ 資料提出(大山 宏)
:耐震工学研究会 第54回研究会のご案内
日 時 平成20年2月22日〔金〕16:00〜18:00
講 師 速水清孝(東京大学生産技術研究所)
テーマ 「建築士法とは何か その成立と今後」
場 所 日本大学理工学部1号館121会議室
: 『 政界混迷を(文化)で乗り切れ −
日本風建築の魅力に関心が集まる−
《リーダーとしての田中角栄》《金田一京助さんの激励》《欧米「機能主義』の停滞》 』
、菊竹清訓、産経ニュース、2008.1.24.
:“建築ストック時代における法制度を探る 日本建築学会シンポジウム”、
2008年2月15日〔金〕建築会館会議室
:“H19基準法改正に伴う技術基準告示(H19.6.20.施行分以降)の整備
状況リスト、08・01・23L建研
:“構造計算を偽装した(有)藤建事務所が関わった紫波郵便局庁舎の耐震性の検証結果等について”、県土整備部建築住宅課、平成20年1月17日
:“建築確認申請実態に関するアンケート調査結果概要”、(社)建築業協会、
⇒ 適判機関と申請者とのキャッチボールの実時間は?
⇒ 一貫計算ソフトには多くの計算方法が組み込まれている。如何にして
設計者がそれらの計算方法を選択するかの判断根拠が重要である。
:「裁判員制度」“誰のための市民参加?(権利?)(義務?)”、週刊金曜日、 2008.1.18
:“官製不況 米を上回る「住宅市場崩壊」”、エコノミスト、2007.12.25
:“経済紙特集の表紙・目次”
◇“ ゼネコン「現場崩壊」 ”、週刊東洋経済、2008.1.19.
◇“ ゼネコン断末魔 ”、週刊ダイヤモンド、2007.12.1.
:“「官製不況」の教訓 敵視ではなく「監視」を“、週刊東洋経済、2008.1.19 .
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◎ 第36回 日本建築法制会議 総会において下記テーマで意見交換をおこなった。
建築士制度の歴史を学んだうえで、今回の士法改正をどう考えるか
配布資料:“建築士法の成立過程と今後の課題”(速水清孝氏)の講演要旨
主な意見交換(⇒)および参考情報(★)を下記に記す。
⇒ 現在の日本の建築業界は物凄い混乱状況にある!
⇒ 日本では、なぜか責任の所在が曖昧となる。
⇒ 首都圏に一極集中していることも日本の大きな課題だ。
⇒ 日本人はあらゆる分野で“線を引きたがる”。
⇒ ワンルームマンションは本当に資産価値が持続するのか?
⇒ 内藤亮一は、“建築家”をつくりたかった!
⇒ 行政は専門分化にどう対応していくかを考えていたのだろうか?
⇒ メキシコ市の“ペリート”という建築資格者制度を思い起こす。
★ http://www.jaeic.or.jp/kikansi8.htm
『諸外国における建築技術者制度の現状』
★ http://www.jaeic.or.jp/hiroba.htm『資格の広場』
⇒“JSCAの2008年建築士構造士認定試験が中止された”ことには、
職能団体としてのJSCAの意図には全く理解できない!
⇒
戦後、マッカーサーによって、現在の弁護士制度が誕生した。
⇒ 今後の建築士制度における名称独占や業務独占はどうあるべきか。
⇒ 昭和58年改正で木造建築士が誕生した。全建総連の活躍があった。
★
http://www.zenkensoren.org 全建総連(全国建設労働組合総連合):
★
労働保険事務組合をつくり、労災保険の事務を代行している
⇒ 土建業界における下請制度やアウトソーシングなどの検証が必要!