AIJシェル空間構造設計技術レビュー連絡会NEWS
 第10号 2001.4.26.

建築基準法改定の裁判、いよいよスタート?
 改定建築基準法完全施行から1年近くが経ちました。本紙も及ばずながら、建築基準法再改定への構造技術家の決起の必要を訴えてまいりました。遂に、堪忍袋の緒を切った多田英之先生が自ら原告になり裁判を起こす決意である、との情報を得ました。
 4月19日に電話で多田先生に伺ったお話をお伝えします。記述に間違いがあれば、多田先生から叱られそうですが、そこでホットな訂正原稿をいただくのが魂胆です。多田先生どうぞよろしく。
 この種の訴えに日本の裁判所は門前払いが得意だが、フィフティフィフティであれば受理する外はない。相談している弁護士も本気で、分厚い二分冊の建築法令集を渡し勉強してもらっている。
建設省の官房長に面会したが15分ほどで切り上げられ専門官二人にバトンタッチされてしまった。このときは複数の学会関係者にも同行だけを依頼したが、ともに口実を設けて逃げられた。さらに議員の仲介で扇大臣にも面会の機会を持とうとしたが、いまの政界の状況でなかなか難しいことになった。扇大臣に会えたら、〓「建築指導課の廃止」〓「建築研究所のデータバンク化」を提案し国土交通省の行政簡素化になると話すつもりだ。
 訴状では、次の2点に絞る予定。〓「法・第38条の廃止」〓「令・第81条他[大臣の定める基準に従った構造計算]において[実験による確認]の排除(「大臣の定める」は争わない)」
 裁判官の心証をフィフティフィフティに持っていくには世論が大事である。さまざまな場で一般の人びとにも訴えかけたい。マスコミから、事件がなくては記事にし難いので事件にして連絡せよと言われている。影響力のある多くの構造技術家に理解・協力・支援をお願いしたい。これがうまく行かなければ無理する気はないが、AIJやJSCAが対応を改め協力していただけるとありがたい。
 連絡先:〒819-0025福岡市西区石丸3-24-40-504(株)日本免震研究センター 多田英之先生 tel.092-882-2711 fax.092-892-1260
 裁判に役立ちそうな情報は、是非ご連絡ください。応援のメッセージだけでも心強く思われると思います。これを機会に、さまざまなメディアで世論の喚起を図っていただければ幸いです。

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(編集後記):
 遂に、多田英之先生が原告になり行政訴訟(?)を起こします。具体的な問題点を突き付け、民主的な建築行政への転換のきっかけになれば、と期待と不安との入り交じった感情に支配されています。というのも、頼みの裁判所が無法・無能地帯の怖れありだからです。地検検事による捜査情報漏洩事件では、逮捕状の情報が不法にも地裁から高裁・最高裁へと上がりながら、その過程のどこにも、非に気付く者がいなったといういまの裁判所の人権感覚マヒ。最高裁長官に報告されていても同じという無法・無能の司法システム。どうやら、裁判所も権力支配層にどっぷりのようです。こんな司法は願い下げしたいのが巷の声。その司法を支援したいとはなにごとか。原告と被告との双方に専門家の弁護を認めて裁判官はそのレフェリーに徹すれば済むことではないか。司法もまた聖域にせず民主的に、情報開示・監視の対象にすべき社会システムの一つでありました。

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