AIJシェル空間構造設計技術レビュー連絡会NEWS
 第23号 2002.6.25.

国会質疑(斉藤鉄夫議員vs.三沢真住宅局長5/8)会議録の読後感想より
 国会の議論は、「貧乏人の粥(湯ばかり)」が一向に変わっていない。問題の本質を上っ面だけしか理解していない。細かいことに係わる時間は十分ないのだから、国会は、法案の最も本質的な思想を議論することを最優先すべきである。「法律に書かれる性能とはどのようなものか」について、十分な議論を尽くすべきであった。諸外国では慎重審議を行ったが、日本の国会は、事実上この問題を何ら審議しなかった。その結果、「構造安全性」とは「政令に定める技術的基準に適合し、かつ、政令に定める基準に従った構造計算によって確かめられる安全性を有すること」という、技術的には理解不能な「性能」が法20条に定められた。実質の中身こそ、法改正に当たり徹底的に議論すべき肝心要の部分であったはずなのに、それを「政令に定める基準」に委ねるとんでもない法律に仕上げた。「性能」に関する限り、規定を定めるに当たり何ら国会の審議を経なくてよくなった。国会は、立法機関であるが、法律を作ることよりも、法律の基本理念を審議し、仔細に国民に開示することに、本質的な存在意義がある。国会は、早々に建築物の性能を定める責任を国会に取り戻すよう手を打つべきである。
 旧第38条は設計者にとってかなり「便利」な方法でしたが、役人にとっては、自分たちのかかわりのないところで学識経験者の裁量で法律に適合しないものが世に出ていくことに、「裁量権の縮小」につながるとして面白くなかったのかも知れません。だからといって、自分たちで責任をとって判断することもできないでしょうに。
 初めて聞く情報で、面白く拝見しました。基本的な話をしているようですが、質問も答えも何か歯がゆい感じがします。


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