AIJシェル空間構造設計技術レビュー連絡会NEWS
  第31号 2003.4.9..

構造設計小委・第19回会合3/28
構造設計小委・第19回会合は3月28日(金)夕刻に開催され、出席委員は7名でした。先ず、阿部優主査より報告です。シェル・空間構造運営委員会は3月11日の会合で、主査選挙規定を審議・決定し、新主査に大阪市立大学・坂壽二先生を選出しました。なお、阿部主査は都合がつかず欠席されたそうです。また、2003年度東海大会(中部大学)のシェル・空間構造PD「空間構造の震動応答制御」の企画案が審議され、より詳細には新宮清志先生を中心に詰められることになったようです。
構造設計小委員会の主査・幹事についても、阿部優主査の長期外国出張を切っ掛けに交代の申し出が既に了承されておりました。新主査は名古屋大学・佐々木睦朗先生、新幹事は植木隆司氏が今回の会合で正式に引き受けられました。阿部優主査・真柄栄毅幹事のこれまでの献身的なご努力に心より感謝いたします。アメリカによるイラク侵略戦争の行方次第で、阿部先生のトルコ出張にもある程度の危険が懸念されること真に残念です。楽しみにされていた登山も無理はなさいませんようお願い申し上げます。小委の成果物刊行まで、新主査とともに責任を分担していただかねばなりません。
設計者の執筆原稿のコピーは、阿部主査のご尽力で全委員に事前配布されておりました。改めて、いずれも力作ばかりであることが確認されましたが、ちょっとしたケアレスミスやフォーマットの手入れなどが必要であることは止むを得ません。執筆者の皆様には今後もご協力をお願い申し上げます。しかし、残された最大の問題は小委メンバーの執筆原稿ということになりました。
今回までの宿題にされていた原稿骨格の用意は、委員それぞれにとって悩ましく、精粗さまざまなものになりました。その中でかなりピント外れの粗雑メモを提出した当事者としましては、それでも意見交換は有意義なものであった、と他のメンバーの迷惑を顧みずに考えることにいたしました。
なお、毎回の小委で恒例のようになっていた建築基準法問題については、建設通信新聞・連載記事の全文紹介に止めました。今後は構造設計小委本来の作業に復帰します。

「建築住宅性能基準検討委員会」(住宅局長の諮問機関)の構成
全体委員会・分野別委員会・分野別部会の3段階 (鉄構技術2003・4より)
全体委員会の委員は以下の各氏です。[委員長]岡田恒男 [顧問]内田祥哉 [委員]石山裕二・小谷俊介・鎌田元康・上村克郎・坂本功・菅原進一・高梨晃一・田中淳夫・友澤史紀・三橋博三・野村歓・深尾精一・松尾陽・村上周三・室崎益輝・安岡正人 [協力委員]村上純一・山内泰之(敬称略)。
建築の専門職能団体は、委員会にお任せではなく、委員会が実質的な成果を上げられるか否か、をしっかり監視してほしいものです。自前で考えることこそが技術者倫理の根幹であると思います。

JSCAから法令の抜本改正提言 (日刊建設工業新聞・4/1より)
日本建築構造技術者協会(JSCA)は、今後5年程度の期間をかけて、建築基準法令の抜本改正に向けて検討していくことを提案した。JSCAの提言は「基準法令の本来のあるべき姿」「部材・工法などの新技術の認定について」「法改正後の具体的な運用改善について」の大きく三つの柱で構成される。
法改正後の具体的な運用については、確認審査の権限と責任を、設計図書が政令や告示に適合しているか否かに限定する。その上で、適用に問題が生じた場合は「NGO組織やJSCA委員会などの民間コンサルタントを活用する」ことを提案している。
建築NGOが本来の「らしさ」を失わないような自前システムをどうやって構築できるでしょうか。

「建築法制研究会」第2回会合4/3
「建築法制研究会」の第2回会合が4月3日(木)午後に新橋で開かれました。新メンバー2名を加えて出席者は8名でした。基本的には「出入り自由」、幅広く意見交換・情報交換し互いに足を引っ張り合わないという暗黙ルールを再確認して、早速、丁々発止と議論が沸騰しました。
第3回会合は5月22日(木)午後の開催です。 kenchiku-law@sakuragi-net.com

神田順先生「建築基本法に向けて」(構造家コラム・4/1)
建築基準法改定の問題に積極的な発言されていた神田順先生が、いよいよ具体的な行動目標を定め動き始められました。「建築基本法を作る会」を3月25日(火)に発足させ、すでに基本法の原案草稿について10名ほどの方で議論を開始した、とのことです。1年くらいでめどをつけ、2年目には国会で正式に委員会審議ということを目指しています。
昨年9月のE-mail作戦の資料2「建築基準法の再改定に向けて(陳情書)試案(2002.7.1)」でも、「建築基準法は一旦廃止して、新たに建築基本法を制定すべきである。」と書きました。これを過激な議論と感じた向きもありましたが、それが具体化しつつあることを心から喜び、敬意を表します。
実は、この建築基本法という考え方は、渡海紀三朗議員に引き合わせてくださった川合廣樹氏から伺ったものでした。神田順先生は、「建築基本法を作るというプロジェクトの、遠くない日の完成が技術に夢を与える。」とコラムを結んでいます。建築基本法という「言葉の力」を強く感じています。
これまで立法府内でご奮闘いただいた斉藤鉄夫議員・渡海紀三朗議員と「建築基本法を作る会」との関わりについては何も存じ上げませんが、「建築基本法」の早期成立のために、超党派の議員の結集に一層のご助力をお願い申し上げます。
なお、構造家コラムにおける神田先生発言は、過去のものを含め以下のホームページからアクセスできるそうです。
URL http://www.degipike.co.jp/
「建築法制研究会」も「建築基本法を作る会」と相補って今後の活動が進められるとよいのですが。


inserted by FC2 system