AIJシェル空間構造設計技術レビュー連絡会NEWS
 第37号 2003.12.10.

日本建築法制会議・第4回総会11/20・第5回総会12/5

今回2回の日本建築法制会議の会合は、12月2日の建築基本法制定準備会臨時総会の前後に、建築基本法への取り組みについて意見交換する趣旨で日程を定めました。
第4回総会は11月20日(木)午後に開かれ出席者は会員6名、第5回総会は12月5日(金)午前に開かれ出席者は会員6名でした。
また、ホームページのアクセス数も、11月5日5000件突破の後はやや鈍り、12月6日に6000件突破となりました。
http://kentikuhousei.hp.infoseek.co.jp/
第4回の総会では、朱鷺メッセ事故の話題は日経アーキテクチュア2003・11・10号の記事を中心に意見交換されました。
2000年10月11日設計委託(〜2001・1・25)、11月13日工事発注(〜2001・3・26予定)のスケジュールには呆れたとの発言に、建築では間々あることという発言もありました。
県事故調査委は、複数の構造計算書があったと述べて設計ミスの可能性を強く匂わせながら、証拠となる構造設計図書をほとんど公開しないでは、調査の公正を著しく疑わせるものであると言わざるを得ません。
一方の当事者たるSDGが何時になく情報と主張とを展開していないのが残念です。
建築基本法制定準備会の12月2日臨時総会についても意見交換されました。
率直に言って、成案を急ぎ過ぎては却って同志を失いかねないという心配を共有しました。
基本法とは、建築とは、という根本に戻って議論を深め同志を拡げ、いよいよ具体化の暁にはどのようにも自在に対応できる下地をしっかり作っておくべき、という認識で一致しました。
その議論のベースとして今川憲英氏の意見メモを今後さらに深めていこう、ということになりました。
第5回の総会では、建築基本法制定準備会臨時総会の感想やら情報やらが交換されました。
議論が大いに揉めたようでも落ち着くところに落ち着いた、これからも地道に活動していくことが大事、という結論に達しました。
建築関係5団体への働き掛けなど今後大いに期待したいところです。
大きな所帯のよさ、小さな所帯のよさを弁えて、互いに切磋琢磨しつつ協力できたらよいと思います。
朱鷺メッセ事故に関しては、県事故調査委の結論が設計ミスに傾いている、との報道を踏まえて、幅広く意見交換されました。
県調査委が、証拠・論拠を公表せず設計ミスの結論では暗黒裁判と変わらないという意見もありました。
すべての当事者がそれぞれの情報と主張とを公表すべきである、との意見で一致しました。
J.Feld & K.L.Carper: Construction Failure,2nd ed.の1.6参考文献には、AIA,1981. Toward Safer Longe-Span Buildings もリストされていました。
建築家も構造安全を意識すべし、という趣旨かと勝手読みしています。
内容に詳しい方はご紹介ください。
なお、次回・第6回総会は新年早々2004年1月7日(水)午後の開催です。飛び入り参加も歓迎です。

建築基本法制定準備会・臨時総会12/2 如水会館

建築基本法制定準備会臨時総会が12月2日(火)午後に開催されました。
総会に先立ち、朱鷺メッセ通路事故に関するPDが開かれました。
先ずNHK新潟の放送ビデオが上映され、技術的原因の議論ではなくプロジェクトコントロールと責務とを議論するとして、このPDは計画されていました。
品質管理の観点から赤尾洋二氏、一般市民の立場として岩井敬氏、法律家として笠井修氏、JSCAタスクフォースから寺本隆幸氏、の4名の方々がパネル、和田章氏が司会でした。
短時間に盛り沢山の内容でパネルの方々も苦労されました。
設計委託について、委任契約よりも請負契約とする判例が多い、という説明にはいささかショックでした。
沈黙の臓器である肝臓に擬えて、建築界からの発言があまりにも少ない、と苦言も飛び出しました。
本題の建築基本法の議論では、幹事会案が幹事会での熱心な討議の成果であることが裏目に出て、冒頭から熱意と熱意とがぶつかり合い揉めてしまいました。
結果的には、小異を捨てて大同につく、の原点に戻るよい切っ掛けになったと思います。
フロアからは、府中市で住宅環境を守る運動をされている方から、建てられる側の立場を無視する建築基準法について、実に厳しい発言がありました。
おそらくは、このような意見にも連帯できるようにならないと先に進めないのでしょう。
WEB上で感想・意見を読めば、この臨時総会開催の意義は明らかです。
http://www.kihonho.jp/

inserted by FC2 system