日刊建設工業新聞社WEBより

[200703150102]

建築確認申請図書の誤りは「不適合」に/検査機関の指定要件厳格化/国交省が審査指針案
 国土交通省は、改正建築基準法の施行に合わせて新設する建築確認審査の指針案や、審査書類の保存期間などを定める建築基準法施行規則の一部改正案などをまとめた。建築確認の申請図書に誤りなどがあった場合はこの段階で「不適合」として処理し、図書の差し替えや訂正を認めないようにすることを定めたほか、特定行政庁や民間の指定確認検査機関、建築士事務所の図書保存期間をそれぞれ延長し、一律15年間とする。指定確認検査機関の業務制限では、親会社の代表者や担当役員だけでなく、これらの配偶者や2親等以内の親族が関与する企業からの確認審査の受託を禁止する。国交省は、4月13日まで同案に対する一般からの意見を受け付ける。
 今回まとめたのは、建築基準法施行規則等の一部を改正する省令(仮称)案確認審査等に関する指針(仮称)案指定確認検査機関指定準則改正案−の三つ。6月に改正建築基準法が全面施行され、建築確認の厳格化や構造適合性判定(ピアチェック)が始まることから、審査内容などを定めている。
 建築確認の申請時には、提出図書を照合するのをはじめ、設計者の資格などを確認する。構造計算の安全証明書(写し)の提出も必要になる。確認審査では、提出書類に不整合や誤りがあった場合は、誤字や脱字といった軽微なものを除き不適合と見なし、図書の差し替えや訂正を認めない。確認審査中に建築計画を変更した場合も、同様に差し替えはできないようになる。ピアチェックが必要な場合は、指定確認検査機関が荷重・外力計算書や断面計算書、使用構造材料一覧表などの整合性を確認した上で、構造計算適合性判定機関に判定を依頼する。ピアチェックでは、原則2人以上の構造計算適合性判定員が審査を行うこととする。
 建築確認の審査を厳格化することで、指定確認検査機関の業務量が増えることから、指定確認検査機関の指定要件も厳格化し、建築確認の取扱件数に応じて定めている確認検査員や補助員の数を増やす。平均約4割の人員増が必要となる。この規定には、改正建築基準法の全面施行から1年間の猶予期間が設けられており、猶予期間を過ぎても対応できていない指定確認検査機関は、受託可能件数が現状よりも制限されることになる。

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