日刊建設工業新聞 2008.9.1 WEBより                        

 

国交省/「建築基本法」制定へ/社整審に9月1日諮問、建築物の「質」議論

 国土交通省は、質の高い建築物の整備に向けた基本理念や、関係者の責務などを規定する「建築基本法」(仮称)を制定するための検討に乗りだす。1日に社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)の建築分科会に諮問し、基本制度部会で議論を開始する。建築基準法など建築物に関する現在の法制度は、安全や環境面への配慮などで最低基準を設けているが、より質の高い建築物の整備を促すことが必要と判断した。法令順守を徹底するための建築行政マネジメント方策も併せて検討。2年程度をかけて詰める。
 建築基本法では、将来世代に継承していくのにふさわしい質の高い建築物の整備を促進していくため、国民が意識が共有できるような整備目標や基本理念などを定める。発注者や設計者、施工者、維持管理者、使用者など幅広い関係者の責務も盛り込む方向だ。建築物が持つべき質に関する目標のあり方や、その表示方法なども含め、幅広い観点から議論を重ねていく。
 一連の耐震偽装事件や建築資材の偽装問題などが発生した状況も踏まえ、理念だけを高くしても実態が伴わない懸念があることから、法令順守を徹底するための建築行政マネジメント方策も一体的に検討する。建築確認や検査、違反是正の実効性確保などが課題として挙がっている。

 

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