新潟県議会の朱鷺メッセ落橋事故関係審議記録(1) 平成15年9月定例議会

平成15年09月24日

◎知事(平山征夫君) 平成15年9月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案いたしております議案の概要を説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様に御理解と御協力をお願いしたいと思います。

 最初に、県政の主な動きについて説明申し上げます前に、皇太子、同妃両殿下の御来県について申し上げます。

 去る7月23日及び24日の両日、皇太子、同妃両殿下は、朱鷺メッセで開催された第15回全国農業青年交換大会への御臨席と、あわせて地方事情の御視察のため、御来県になりました。(中略)

 まず、万代島朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてであります。

 朱鷺メッセは、本年5月に開業して以来、県内外の大勢の皆さんから御利用いただき、順調に運営してきたところですけれども、去る8月26日午後8時20分ごろ、新潟コンベンションセンターと佐渡汽船をつなぐ連絡デッキの一部が突然落下するという事故が発生したところであります。

 幸いにも負傷者等人的被害はなかったものの、あってはならない事故であり、施設の設置者としてまことに遺憾なことであり、また、この事故により、朱鷺メッセや佐渡汽船を利用される皆様に交通規制の実施等により御不便をおかけしていることにつきまして、議員各位並びに県民の皆様に深くおわび申し上げます。

 県としては、事故発生後直ちに被害状況の確認と事故現場における安全対策及び交通アクセス確保を行うとともに、大学教授等専門家から成る朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会を設置し、早期の原因究明とそれに基づく復旧に向けた対応等について調査・検討を行っているところであります。

 現在、落下物の撤去と仮復旧工事等を実施しており、一両日中にも佐渡汽船への交通を再開する予定ですが、今後は事故原因の徹底究明を行い、早期の機能の回復を図り、朱鷺メッセ及び佐渡汽船の利用者の皆様の不便を早く解消できるよう全力を注入してまいる所存でありますので、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。(後略)

 

平成15年09月26日

          帆苅謙治君 質問の前に、けさ北海道で強い地震がございましたが、被災された方々に対して、まずお見舞いを申し上げるところでございます。(中略) 次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてであります。

 5月に竣工したばかりの朱鷺メッセにおいて、連絡デッキが崩壊するという衝撃的な事故が起きたことは記憶に新しいところであります。時あたかも北朝鮮の万景峰号が出港した日であり、北朝鮮によるテロではないかとの憶測もちまたにおいてうわさされたものでありますが、事故後の調査により、人的危害が加えられたものでないということであり、目下専門チームを設置して原因の究明に当たっているところと承知いたしております。原因についてはまだわからないということでありますが、いずれにしても、竣工して2年足らず、オープンして3カ月という状況においては、到底考えられない事故であります。幸いにして人身事故にならなかったことが不幸中の幸いであったと安堵をいたしておるところでございます。

 このたびの事故は、佐渡汽船を初めとする利用者に不便を強いている状況であり、県民に大変な不安感を与えているとともに、今後のコンベンション誘致において、不安感もさることながら、利用者の利便性の悪さという観点からも、誘客に影響が出るのではないかと憂慮するものでありますが、このたびの落下事故について、発注者として知事はどのように感じておられるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、今後の対応についてでありますが、原因調査が終わらなければ今後の対応はできないことは承知いたしておりますが、今後のコンベンション等の誘致への影響を最小限にするためには、やはり早急な対応が必要になると考えます。原因調査が順調に進み、早急に結果が出ることを期待しておりますが、聞くところによれば、原因究明は難しく、時間のかかるおそれがあるとのことであります。

 私は、調査が長引くようであるならば、コンベンション誘致への影響や利用者の利便性への影響を考えるならば、当然ある時点において知事の決断が必要になると考えるところでありますが、知事はどのようなお考えをお持ちか、お伺いいたします。

 また、このたびの事故による対応で、知事は補正予算を組まれて対応されておりますが、今後、原因調査の結果次第では、当然関係者に損害賠償等の対応もなされなければならないのではないかと考えられますが、知事はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

 また、原因調査の結果もわからない今の時点では何とも言えないのでありますが、一般県民には、県が竣工検査を行っているのだから、このような事故が起き、2億円余りの補正を組まなければならなくなったことや、今後の復旧に向けてさらに県費の支出を行わなければならないことについて、当然、県にも何らかの責務があると考える県民も多いと思われますが、このことについて、あわせて知事のお考えをお伺いいたします。

 

        知事(平山征夫君) 帆苅議員の代表質問にお答えいたします。(中略)

次に、落下事故についての所見でございますが、このような事故が起きたことはまことに遺憾であります。そして同時に、県民の皆様には多大な不信と不安感を与えたこと、そして朱鷺メッセや佐渡汽船を利用されている方々に対して、交通規制の実施等により不便をおかけしていることにつきましては、施設の設置者として重ねておわびを申し上げているところでございます。

 なお、交通規制については、きょう朝5時から、完全ではございませんけれども、落下地点を通れる形での交通規制の解除を行ったところであります。

 今のところ、落下事故によるコンベンションの予約の取り消しなど、直接の影響は生じてはおらないというふうに聞いておりますけれども、朱鷺メッセのイメージダウンになったことは否めないところでありますし、また佐渡汽船の利用者を初め、美術館、ホテルなどの朱鷺メッセ利用者の方々にも大変な御不便、不安感を与えておりますので、少なからず影響があるものというふうに考えております。

 県といたしましては、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会の検討を通じて、速やかに徹底した原因究明を行いますとともに、施設の早期復旧を行い、今後のコンベンション誘致に影響の出ないように、朱鷺メッセの信頼回復に努めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、連絡デッキの復旧ということでありますが、施設の運営やコンベンション誘致等の観点から、早急な復旧が求められているところでありますが、二度とこのような事故が起きないように、施設の安全性を確保するということが最優先の課題であり、そのためには原因究明が不可欠であるというふうに考えております。

 したがいまして、11月下旬を目途に調査委員会から報告される調査結果を踏まえ、整備に要する費用や時間、そして技術的問題を十分検討して、速やかに通路機能の復旧を図ってまいりたいと考えております。

 次に、損害賠償等の対応についてでございますが、現在、調査委員会において事故原因について究明を行っているところであり、この調査結果を待たなければなりませんけれども、原因が明らかになった段階で、今回の補正予算分も含め、復旧等に要する経費等については、関係者に対する損害賠償の請求等として適切に対処してまいりたいと考えております。

 次に、県の責務ということでありますが、竣工検査等においては、所定の手続に従い実施されたものというふうに考えておりますけれども、結果として今回の事故が起こったわけでありますので、今後、原因を究明する過程において、発注から検査までの手続に問題点や改善すべき点がなかったのか、その責任も含め検討してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、安全性を踏まえた上で、早期の通路機能の確保など復旧作業を通じて、設置者としての責務を果たしてまいりたいと考えております。

 

          長部登君 私は、社会民主県民連合を代表して、当面する県政の諸課題について、知事並びに教育長にお伺いいたします。(中略) 大きな4点目、朱鷺メッセの連絡デッキ落下事故についてであります。

 朱鷺メッセ連絡通路落下事故は、利用客が少ない夜で、けが人がなく、本当に不幸中の幸いでありました。

 開業後わずか半年足らずの信じられない事故であり、あってはならない事故であります。設計、施工、施工監理など、一体どこに問題があったのか、何よりもまず事故原因の徹底究明がなされなければなりませんが、どのように対応し、どのような見通しに立たれているのかお伺いいたします。

 知事は、県の責任について記者会見などで言及されておられますが、検査のあり方や、とりわけ全国にも2〜3例しかない特殊な建物を選択するに際しては、専門家などによる十分な検討がなされてきたのかなども含め、どのような責任があると考えているのか、お伺いいたします。

 施設の完全修復に要する経費はもちろん、有形、無形の事故の影響による損害について、どのように考えているのか、お伺いいたします。

 さらに、開業からわずか半年足らずで連絡デッキの落下という信じられない事故が発生したわけでありますが、これまでに、今回の補正も含め、この落下事故に関連して既に約2億円の予算が計上されましたが、今後さらにどれくらいかかると想定されているのか伺うとともに、私も何人かの県民から強く言われてまいりましたが、この事故に関して県費を1円たりとも出費することは断じてないと明言すべきであると考えますが、所見をお伺いいたします。

 

 

        知事(平山征夫君) それでは、長部議員の代表質問にお答えしたいと思います。(中略)

次に、朱鷺メッセの連絡デッキの落下事故であります。

 まず、事故原因の究明への対応と見通しについてでありますが、事故原因の徹底的な究明を図るため、事故の翌日には港湾空港局内に事故調査班を設置し、また9月1日に、透明性と客観性を確保するため、コンクリート工学等の5人の専門家によります事故調査委員会を設置して、事故原因の調査を行っているところでございます。

 調査委員会では、事故現場の状況分析や関係者ヒアリング等を通じ、さまざまな角度から原因を想定しており、今後、原因を究明する過程において構造解析などによる検証が必要となることから、原因究明はおおむね11月下旬ぐらいまでかかってしまうものというふうに考えております。

 次に、落下事故における県の責任でありますが、さきの記者会見でもお答えいたしましたように、施設の設置者という立場から、落下事故が起きたという事実に対しましては、責任はあるというふうに受けとめているところであり、その意味で県民の皆様におわびを申し上げているところでございます。

 県としましては、発注から検査まで所定の一連の手続に従い対応してきておりますけれども、その過程で問題点や改善すべき点がなかったのか、その責任も含め、今後、事故原因が究明される中で検討されるべきものというふうに思います。

 また、落下事故の影響でありますが、今のところ落下事故によるコンベンションの予約取り消し等はないと聞いておりますけれども、朱鷺メッセのイメージダウンになったことは否定できません。また、佐渡汽船の利用者を初め、美術館、ホテルなどの朱鷺メッセの利用者の方々に御不便を、あるいは不安感を与えておりますので、少なからず影響はあるものと考えております。

 県としましては、二度とこうした事故が起きないように、一日も早い事故原因の究明と機能回復を図ることにより、朱鷺メッセの信用と信頼の回復に努めてまいる所存でございます。

 次に、連絡デッキ落下事故に係る県費の支出についてでございますが、事故現場の復旧等の応急対策や原因究明のための調査等に要する費用といたしまして、去る9月10日に約1億4,400万円の補正予算の専決を行い、今定例会でさらに約6,400万円の9月補正予算で提案をさせていただいているところでございます。

 なお、その費用の見込みについては、原因究明を踏まえました通路機能の復旧方法にも関係いたしますことなどから、今後の検討結果を待たないと申し上げられないものというふうに考えております。

 また、応急対策を含めました連絡デッキの復旧等に伴う費用の負担問題につきましては、原因が明らかになった段階で、今回の補正予算分も含め、復旧等に要する経費等について、関係者に対する損害賠償の請求等として適切に対処してまいりたいと考えております。

 

          杉田弘美君 杉田でございます。私は、新潟県を発展させる みらいの会を代表いたしまして、県政の諸課題に対しまして、前の2人とダブるところもありますけれども、質問をさせていただきます(中略)

次に、先ほど来出ております朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故については、現在、事故調査委員会で調査中とのことでありますが、多額の税金をつぎ込んで建設をした通路がなぜと県民の関心も高いことから、県として県民に対する説明と原因究明を一刻も早く行うことが必要と考えております。原因究明とデッキ復旧に関する今後のスケジュールについて、知事の御所見をお伺いをいたします。

 

◎知事(平山征夫君) 杉田議員の代表質問にお答えいたします。(中略)

次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故の原因究明と連絡デッキの復旧の今後のスケジュールということでありますけれども、事故原因の究明は、先ほどもお答えしておりますように、おおむね11月下旬ぐらいまでかかるというふうに思います。

 なお、連絡デッキの復旧については、調査委員会から報告される調査結果を踏まえ、二度とこうした事故が起きないように、安全性の確保を最優先に、整備に要する費用とか時間及び技術的問題を十分検討して、速やかに通路機能の復旧を図ってまいりたいというふうに考えております。

 

平成15年09月29日

米山昇君 県政の諸課題について一般質問をいたします。(中略) 朱鷺メッセ通路落下事故について伺います。

 最初、ニュース報道で聞いたとき、できたばかりなのになぜ、けが人は、困るだろうな知事は、そんなことが頭をよぎりました。8月26日に起きた連絡通路が落下した事故について、知事は最初の連絡を受けたとき、どのように感じ、どのように対処されたのか伺います。  この事故における県の責任についても改めて答弁をお願い申し上げます。

◎知事(平山征夫君) 米山議員の一般質問にお答えしたいと思います。(中略)

次に、連絡デッキの落下事故への対応でありますが、事故発生の連絡を受け、私としましては、まず感じたことは、最初、事故の状況というのが的確に頭に入りませんでしたけれども、聞いているうちに、これは大変な事故が起きてしまったと、そして何よりも負傷者等人的被害がなかったのかどうか、それがまず頭に浮かびましたが、次いで、どうしてこんな事故が起こってしまったのかという疑念と同時に、この事故によって当面対応しなければならないことは何だろうかということが頭をよぎりました。

 正直、事故の第一報を受けた際には、正確にその意味で事故の状況が想定できなかったほどであったわけでありますけれども、大事故であることがわかり、直ちに港湾空港局など関係部局に対し、事故の被害状況の確認と警察等関係機関との連携した事故現場における安全対策、佐渡汽船への交通アクセスの確保等、応急対策の迅速かつ適切な実施を指示した次第であります。

 落下事故における県の責任については、施設の設置者という立場から、落下事故が起きたという事実に対し責任があるというふうに受けとめているところでございますけれども、最終的には今後の事故原因の究明の中で明らかにされるべきというふうに思っております。

 

平成15年09月30日

          佐藤浩雄君 それでは、交通機関の外部不経済解消策と新潟県の交通政策の強化について質問いたします。

(中略) 次に、朱鷺メッセ連絡通路の落下事故についてお伺いいたします。

 私たち無所属の会と無所属議員は、去る2日現地調査を行い、あめのように曲がった鉄骨と、定着部から完全に抜け落ちているすべての斜材ロッドと、破壊された定着部のねじ曲がり、役に立っていない鉄筋と、きれいに切断されているスラブ床版の鋼線の信じがたいほどの惨状に、事故の重大性を感じてまいりました。不幸中の幸いは、1人のけが人もいなかったことです。

 しかし、現地を見て、朱鷺メッセ全体に対する信頼性が大きく失われ、既に万代島ビルの展望台を訪れるお客の減少やお店への一般客の減少が報道されており、今後の事故の真相究明と事故対策を、第三者機関による情報公開を原則にした厳正な調査、真相究明、科学的な解明を行い、設計、建設に携わった関係者や発注、検査を行った行政の行政責任を明確にしない限り、経営に重大な影響を持つこととなると思いますので、知事にお伺いいたします。

 第1に、現地に行って、この連絡橋が湾曲した構造の上に、つり型トラス構造で大変デリケートなものであることを知りました。基本設計は槇総合計画事務所で、詳細設計が新潟県建築設計協同組合であり、発注者は佐渡汽船と新潟県であり、工事監理は新潟県建築設計協同組合と槇総合計画事務所となっており、施工は、佐渡汽船寄り82メートルは清水建設・本間組のJV、落下部分を含む中央117メートルは第一建設工業、朱鷺メッセ寄り36メートルは福田組・東急建設・丸運建設のJVが請け負ったものであります。しかも、建設竣工時が、佐渡汽船寄りが2001年4月で、朱鷺メッセ寄りが2002年12月と、設計・施工・施工監理業者が複雑な上に、竣工時期が1年以上違うのです。なぜデリケートな通路をこのような発注関係にしたのでしょうか、お聞きいたします。

 第2に、新潟県のホームページに掲載されている朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故の図面を見ますと、落下した48メートルを含む連絡橋すべてに斜材ロッドが入っている契約当初の設計図となっています。しかし、崩落した区間を含む全連絡デッキには、斜材ロッドが入っていない箇所と斜材ロッドが逆さに入っている箇所があります。県は、発注者として、現在も契約時の設計どおりすべての斜材ロッドが入っていると思っているのか、お伺いいたします。

 また、入っていた斜材ロッドを抜いたり、逆さにしたり、補強フレームを入れたり、仮支柱を残したりしたのは、いかなる構造計算をした上で行ったのか。そのような複雑・高度な構造計算をチェックできる高度な技術を持った県職員が港湾空港局にいてチェックしていたのか、お聞きします。 また、当初設計と似て非なる橋がなぜ竣工検査に合格したのか、その理由を明らかにしていただきたいのであります。

 第3に、構造物計算書は、工事着工時に施工業者が要求したが、もらえず、工事完成時の2001年4月で手渡され、その内容を見たら、定着部の強度計算がされていなかったので、専門家に見てもらったら、これで大丈夫か、鉄筋の配置に問題があると言われた。また、コンクリート強度は、契約書に示されたコンクリート強度の50%増しで構造計算されていた。鉄骨部材は、一部の部材が設計図に示されたもので、かつ実際使用されたものよりも太い鉄骨部材が構造計算で使われていたなどと、信じがたい証言を得ることができました。

 県、すなわち港湾空港局が発注者であるとともに、設計図と構造計算書などを照査し、建築基準法令に基づく確認行為をする実質的当事者であり、形式的責任者とも言うべき新潟市長に対して計画通知を行った責任当事者でもあります。業者が提出した設計図と構造計算書を、だれがどのようなやり方をして照査をし、建築基準法上の確認行為である合格をさせたのでしょうか。また、上記のような疑問点や修正点は発見できなかったのでしょうか。

 また、このたびの朱鷺メッセ連絡通路崩落事故と、設計図や構造計算を照査した実質的責任者である県の責任はあるのですか。あるとすれば、どのように考えているのか、お伺いします。

 また、もともと県には構造計算書は提出されていたのでしょうか、されていなかったのでしょうか、お聞きいたします。

 第4に、このたびの朱鷺メッセ連絡通路落下事故を重大に受けとめている人は、全国の建築物の設計・建設に携わる人のすべてだと思います。

 その1つに、社団法人日本建築構造技術者協会、通称JSCAと呼ばれる団体があります。そのホームページを見たところ、朱鷺メッセ連絡通路落下事故へのその後の対応が出ており、JSCAは建築の構造設計を専門とする職能者集団として、再びこのような事態を起こさないよう、事故の原因を技術的に解明することが必要不可欠と考えて、建築構造設計の経験豊かな専門家から成る、新潟朱鷺メッセ連絡橋事故調査タスク・フォースを立ち上げたとなっています。調査を完遂するために、新潟県や設計者が調査に同意し、資料を提出していただくことが必須となるので、協力を切望すると訴えています。新潟県が、調査委員会を9月1日に立ち上げたので、JSCAはその委員会にぜひ参加をしたいと、8月29日と9月9日の2度にわたり要請書を送ったが、残念なことに9月11日に断られた。就任された委員は学識経験が豊かであっても、事故の原因を究明するには、設計者の観点という別な角度から究明することが必要不可欠と考えている。県に対し再考を要請します、となっています。

 私は、事故原因の究明はあらゆる角度から迫り、しかも公開でなければならないと思っています。なぜJSCAの参加と情報公開を拒否されるのか、お聞きいたします。

 第5に、今回の事故発生後、施工業者が工事契約時、設計変更時、当初1期工事のみにおけるもの及び2期工事において、施工済み工区の斜材の手直し、補強の工事など、修正工事されるときなどの構造計算書を請求したが、県はあるかないかも含めて回答できないと拒否しているようです。なぜそのような態度をとっているのか、またその内容が施工業者に明らかになることはまずいのでしょうか、お聞きいたします。

 第6に、報道によれば、コンクリート床版製造を請け負った東京の業者が、設計図どおりに7本鉄筋を入れると窮屈になり、強度が落ちるかもしれないから、設計業者の了解を得て鉄筋を減らしたと県に報告したと報じられています。しかも、そのコンクリート床版はどこに使われているかわからないとも言われています。そうすると、残っている連絡通路にも使われているおそれがあり、朱鷺メッセ通路全体の信頼を大きく揺るがす重大な情報です。その定着部の構造上の安全性の確認から、残っている連絡通路の信頼性をどのようにお考えか、お伺いいたします。

 第7に、朱鷺メッセ連絡通路落下事故に対する県の態度はどうもおかしいと思います。設計図や構造計算書を公開せず、デリケートな形・構造の一つの橋なのに、幾つもの設計業者、施工業者、設計監理業者、事前調査の有無、竣工検査体制、竣工時期が違うアンバランスな発注の仕方、そうした複雑なやり方をしたのは県であり、県がなぜそのような行動をとらなければならなかったのかを徹底的に調査、解明されなければならないのではないでしょうか。

 今回の事故原因の直接の利害関係者である県が、何か調査委員会をつくってジャッジしようとする姿がおかしいのではないでしょうか。むしろ、完全な第三者機関に、完全な情報公開のもとで、あらゆる角度から真相を究明することが、朱鷺メッセと県に対する信頼の回復につながることになるのではないでしょうか、知事にお考えをお伺いいたします。

 知事は、こういう事故が起こったことは、設置者として一定の設置責任があると思うと述べたとの報道があります。既に2億1,300万円の補正予算もあり、これから再建工事には大変な財源も必要です。また、朱鷺メッセの経営への影響も重大です。知事は、こうした朱鷺メッセ連絡橋設置のすべての設置責任をどのようにお考えか最後にお伺いして、質問を終わります。

 

◎知事(平山征夫君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。(中略)

次に、朱鷺メッセ連絡通路の落下事故ということであります。

 まず、第三者機関によります真相究明ということですけれども、事故原因の究明については、施設設置者であります県が責任を持って行うべきというふうに考えており、事故原因調査の透明性と客観性を確保するために、大学の教授や国の研究機関の研究者などから成ります、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会を設置して、鋭意原因究明等に取り組んでいるところでございます。

 また、委員の選定に当たっては、今回落下した連絡デッキの構造を踏まえ、構造工学やコンクリート工学、さらには建築災害や橋梁工学など、必要な分野の専門家に委嘱をしております。

 なお、その委員の中には、かつて実際に会社等で担当した人もおりますので、実務者がいないという御指摘もありますけれども、2名の方が実務経験を持っているということで、私どもとしてはカバーされているというふうに思っているところであります。

 委員会の検討内容については、調査に支障を来さない範囲で、順次公表しているところでありますし、調査結果については公開をすることとしております。

 なお、県の対応等についても、委員会が原因を究明する過程において、問題点や改善すべき点がなかったかどうか、その責任も含め検討されるべきであるというふうに考えております。

 また、設置者としての責任ということでありますが、さきの記者会見でお答えしましたように、施設の設置者という立場から、落下事故が起きたという、考えられない事故が起きたというこの事実に対して、責任があるというふうに受けとめているところであり、今後、事故原因が究明される中で、設置上の具体的な責任等については検討されることになるというふうに考えております。

 また、早期の通路機能の回復を図って、朱鷺メッセの経営に極力影響が出ないよう、信頼の回復に鋭意努めていかなければならないというふうに考えております。 以上です。

 

◎土木部長(島原利昭君) お答えいたします。

 橋の竣工検査についてでありますが、補強フレーム、仮支柱については変更設計図に基づいて、また斜材ロッドなどは発注者が確認した施工図に基づいて工事が行われておりますので、変更設計図と施工図をもとに現場の出来形、品質等について検査を行い、適正に施工されていると判断し、合格としたものです。

 なお、発注者が確認した施工図については、変更設計図と同じ取り扱いをしております。 以上でございます。

 

◎港湾空港局長(武藤克己君) それでは、落下事故に関する御質問6点についてお答えします。

 まず、工事の発注関係についてでありますが、佐渡汽船から立体駐車場までを佐渡汽船が、立体駐車場からコンベンションセンターまでを県が発注したものであります。

 県発注分につきましては、立体駐車場とコンベンションセンターのそれぞれの供用開始に合わせ、平成12年度と平成14年度に分割して発注したものであります。そのため、工事監理につきましては、立体駐車場の供用に合わせた分を、設計者である新潟県建築設計協同組合に、コンベンションセンターの供用に合わせた分は、コンベンションセンターの工事監理者でもある槇総合計画事務所に委託したものであります。

 次に、斜材ロッド、補強フレーム及び仮支柱設置の構造計算についてでありますが、当初設計図と異なるところについては、施工段階において、設計者でもある工事監理者の指示により修正されたものであり、施工者が施工図を起こし、工事監理者が承諾したものであります。県は、工事監理者から提出された施工計画書、施工図により確認いたしております。

 また、高い創造性や高度な専門技術を必要とする設計については、外部委託することといたしておりますが、設計条件等の基本的な事項については審査いたしております。

 次に、設計図書の審査についてでありますが、県の担当職員が、建築工事設計要領及び建築工事設計委託仕様書及び建築基準法に照らし、審査・確認することになっており、今回の場合も適切に審査が行われたものと考えております。

 なお、議員御指摘の数々の証言内容及び設計図書に係る県の責任については、現在、調査委員会等で調査中であり、調査が進む中で明らかになるものと考えております。

 次に、調査委員会のあり方と情報公開についてでありますが、事故原因の究明については、先ほど知事がお答えしましたように、施設設置者である県が責任を持って行うべきものと考えており、調査の透明性、客観性を確保するため、第三者を構成員とする調査委員会を設置し、鋭意原因究明に取り組んでいるところであります。

 委員会の検討内容については、調査に支障を来さない範囲で、順次公表しているところでありますし、調査結果は公開することといたしております。

 次に、構造計算書の公開についてでありますが、調査委員会の調査に支障を来すおそれのある資料については、非公開の取り扱いでありますが、調査結果が出た段階においては、施工業者を含め、一般に公開することを原則と考えております。

 次に、残っている連絡通路の信頼性についてでありますが、現在使用している入り江側の連絡通路においても鉄筋の数が少ない可能性があり、RCレーダーにより調査を実施したところ、鉄筋の存在を確認できたものの、補強筋の数の特定には至っておりません。しかし、補強筋の減少による強度への影響は少ないものと考えております。

 なお、当時の施工状況や施設の現況から、設計者並びに調査委員会からは通路の使用に問題ないとの見解をいただいているところでありますが、なお一層の安全を期し、支保工を設置することとし、現在、設置に向けて準備を進めているところであります。 以上であります。

   〔佐藤浩雄君写真を知事に渡し登壇〕

佐藤浩雄君 御答弁いただきましたけれども、余りにも少なくて、私は信頼に至る内容が回答されたとは思いません。鉄筋の数は確認できないけれども、安全だという答えもよくわかりません。

 また、構造計算書は、調査中は非公開、後で公開する。今公開して何が悪いのか。建設あるいは設計関係者はみんな欲しがっているのだから、公開して大いに議論しながら真実を明らかにすべきではないですか。そんな設計当初の、全然現在できたものと違うようなものをホームページに出しておいて、実際肝心の現状の姿を出さないということは、情報公開している姿勢とは全然違います、県の姿勢は。そういうことが不信をむしろ招くのであって、今こそしっかり情報公開してほしいと思います。

 特に第1回目のジャッキダウン、落ちたところですが、当初想定していた120ミリのたわみ量に達しても、まだジャッキに荷重がかかって、さらにコンクリートにひび割れが発生したために、施工業者は監理者に相談したが、そのまま監理者はジャッキをおろせと指示をしたというのです。しかし、施工業者はそれをしないで、そしてさらに再考を求めたら、R26のところですが、ジャッキ塔というか、仮支柱を残したまま、R27に補強フレームを入れて、そしておろせという指示があったそうです。それをやったら、2回目のジャッキダウンは成功したと。このことは、斜材ロッドを設計変更で一部抜き、そして逆さにしたり、全然違うことをやっているわけです。しかも、補強フレームを入れて、下には柱を残しているわけです。そういうことをやった上でやっと成功したわけですから、当初の構造では、第1回目のジャッキダウンのやり方では成功しなかったのではないですか。そういうことを証明しているのではないですか。そのことは皆さん方どう思っているのですか。

 そしてさらに、そういうふうなことをやったという構造計算の考え方、全然違うやり方をしているわけですから、当然その説明があってしかるべきではないでしょうか。

 今、知事に渡した竣工検査時の写真を見てもらえばわかるとおり、斜材ロッドの配置図だとかフレームだとか足が残っているとか、全然似ても似つかぬグロテスクな格好でしょう、こんなになっているわけですから。そういうことが竣工検査時にわからないわけないです。その点をどう考えているのか。素人でもわかると思います、私は。

 それから、その竣工検査のやり方を見てみますと、仮支柱をもう1回3本、最後の36メートルができてからもう1回やっているわけです。仮支柱をもう1回3本立てて、補強フレームを外して、そしてさらに、そこに新しい斜材ロッドを入れて、緊張力を入れて、さらにこの斜材ロッドを鋼材で包んで、樹脂を入れて強化しているというふうに報道されています。だれがやったかわからないわけです。また、さらに鋼線を再挿入しているわけです。そういうことを具体的にやったわけですが、この構造はいわゆるつり型トラス構造というらしいのですけれども、デリケートなバランスが要求される工事に、結局同時着工、同時竣工でなくて、1年以上時間を要したために、既に竣工検査を終えたところにもう一度こういう格好で工事をしたということになっているのではないですか。そうすると、前の竣工検査と後の竣工検査はどういう関係になるのですか。前の竣工検査は合格しているということですけれども、そこへそれだけ膨大な工事をしていれば、もう1回やったのかやらないのか、あるいはその点も竣工検査に合格したのか、お伺いします。

 それから、朱鷺メッセの連絡通路が先ほど言ったつり型トラス構造だということは、つり橋状だということだと思うのです。ところが、検査を受けたときは下に足を残して、いわゆる仮支柱を残したままやったわけでしょう。ということは、足があるつり橋なんて私は聞いたことがありません、素人だって。足があるということは、設計の基本的な考え方は、つり型トラス構造ではなくて、普通の橋にしたのではないですか、考え方とすれば。だとすれば、重大な設計変更というか、考え方の変更があったのではないですか。私は考えていくとそういう感じになるのです。そうすると、つり型トラス構造と全然違う普通の橋の構造になったとすれば、検査のやり方から何から、本当はみんな変わるのではないですか。

 

◎港湾空港局長(武藤克己君) 今お話がありまして、1つは情報公開をしっかりやれというお話ですが、特に前段で、いろんな専門家の方たちの意見をいろいろ聞いてというお話がありましたが、知事が先ほど御答弁申し上げましたが、やはり私どもとしましては、複数がいろんな角度からというのは聞こえはいいのですが、どこかが責任を持ってやると、そして、その結果が出た後に御批判いただくのは御批判いただければいいという考え方です。

 そして、先ほどの日本建築構造技術者協会につきまして、私どもは第三者機関と、いわゆる利害関係のない第三者を調査委員として選定しておりますので、その日本建築構造技術者協会というのは、今、設計が悪いのか、それとも施工が悪いのか、どちらが悪いのかと争点となっている、一方の当事者である設計者のいわゆる職能団体であります。したがって、技術的な観点から御議論いただいたにしても、その委員会に片方の当事者が入るということ自体、批判を招きかねないという危惧もあり、お断り申し上げているところであります。

 それから、構造計算書、それから調査結果については、先ほど来申し上げていますように、結果が出ました段階では皆さんに広く公開するということにしておりますので、その段階でいろいろ御批判いただければいいと思っております。 以上です。

 

佐藤浩雄君 JSCAのことですが、JSCAはタスクフォースのメンバーまで出して、直接この工事にかかわっているわけではないでしょう。みんなオープンでそれこそされているわけです。それは学問の世界でやっている人もいるでしょうけれども、この人たちは実際やっている人たちが、構造計算をやっている集団だというわけでしょう。そこに疑問点が残っている以上、そういった方々も入って大いに、万機公論に決すべしではないですけれども、情報公開して議論されたらどうですか。何も隠す必要はないでしょう。はっきり出せばいいのです。もう既にそれに基づいて仕事をしているのでしょう。終わったことでしょう。出せばいいのです。そういうことを出した上ではっきりさせた方がいい。

 それから、知事、御答弁されないのだけれども、私も専門家ではないのです。だけれども、その写真を見てください。それから、施工業者からいただいてきたいろんな図を見てください。明らかに私でもわかるのです。あるところにない。それから、斜材ロッドが反対に入っている。フレームが入っている。仮支柱が残っている。そうすると、つり橋というのは、私はこうやってつっているものだと思うけれども、こうではなくて、下に足が生えたつり橋なのです、それを見れば。私は素人なのです。だから、知事もわかるわけです。だから、私が言うのは、県の職員が検査をしたというのだから、はっきり目視でわかっているのに、何で合格させたのかということなのです。全然そういう意味で言えば、つり型トラス構造ではないです、それは。明らかにつり型トラス構造ではなくて、むしろ普通の橋のような状態に見えます。そういうことをはっきりと、私は素人の目線で知事に御答弁いただきたいと思っているのです。以上です。

 

◎知事(平山征夫君) 最初の日本建築構造技術者協会の問題について、あえて再質問までまいりましたので、そこまで申し上げるのはいいかどうかと思ったのですが、この担当の理事の中に今回の構造設計を直接請け負った方がいるのです。それはやっぱりまずいのではないでしょうか。先ほど関係する設計集団と申し上げましたけれども、その中に直接請け負ったところの方が理事に入っていますので、それはやっぱりできないでしょう。

 それから、今、素人であるけれどもと、たくさんの御指摘をいただきましたが、私も素人であると、お互い素人ですので、素人同士がここで議論して正しい結論が出るのでしょうか。無理でしょう。ですから、今、佐藤議員の御質問も含めて、調査委員会で議論していただくことが重要なので、その結論を待ちたいと思います。きょうこの後、丸山委員長から、中間まではいかないと思いますけれども、ここまでの途中経過の報告をいただきますし、対外的にもここまでの事実経過として、どういうところが問題かも含めて発表がございますので、さらにきょう委員長にも会いますので、議会でもこういう議論が出ていると、素人ながら鋭い御指摘もありましたので、そのことを含めて十分検討していただきたい旨、申し上げておきたいと思います。 以上であります。

 

志田邦男君 公明党の志田邦男です。本日、大変な議論で皆さんお疲れのことと思いますけれども、また、さまざまな代表質問、一般質問ということで、県政の諸課題、かなり重複しておる部分もございます。私は、私の視点からということで、またお聞きをしたい、このように思っております。

 まず第1に、今ほど佐藤議員と執行部、大変白熱した議論がございました朱鷺メッセ連絡デッキの落下についてであります。数多くの質問がなされてきましたが、この事故は現在の日本では考えられない事故でございます。そして、さまざまな角度から調査、検証がなされなければなりません。代表質問以来、数多くの質疑が交わされてきましたが、私もまた素人なりの視点ということでお尋ねをしたいと思います。

 8月26日夜、私も万景峰号の出港の状況というものを見ながら、そして自宅へ戻りました。そういたしましたら、朱鷺メッセのデッキが落ちたというニュースを見まして、私は一瞬何のことか理解できませんでした。すぐ現場へ行ってみましたら、万景峰号の取材を終えたばかりのマスコミも大勢来ておりました。また、その日は一時的な豪雨、そして夜という状況の中で、直後のことですから、状況もよく把握できていないわけですが、供用開始からわずか3カ月しかたっていないわけですから、冗談半分にしても、その時点では人為的な原因も含めていろいろなうわさも飛び交っておりました。また、事故現場においては、すぐ立ち入り規制等の対応もしかれましたし、デッキのさらなる落下、崩壊等も考えられる状況下でありました。

 現場は、言うまでもなく、平山県政のシンボルというところでもございます。多くのマスコミも取材をするなど騒然としていたのですが、私はあの現場に居合わせながら、危機管理の責任者である知事がなぜ、県民のみならず全国注視の的になっていたあの現場に来ないのか、いち早く現場に駆けつけ、指揮をとるべきではなかったのか、このような素朴な疑問を感じたのでありますが、いかがでしょうか。

 また、あのとき知事は事故の大きさ、影響についてどのように受けとめたのか、お尋ねをいたします。

 県では、9月1日に調査委員会を立ち上げましたが、委員会の構成を見ますと、学者、役人という構成になっております。この問題、直前、先ほど佐藤議員に対する答弁では、十分実務経験もあると、このように答弁なされておりました。

 ただ、これはやはり、いろんなところで私も耳にするわけですけれども、例えば、今この現場というものが、施工するに当たって、これは直接ここに関係あるかどうかはわかりません。しかしながら、熟練工が不足していて、設計というようなものが現場においてきちんと、その熟練工たちが支えながら、そして工事をやっているのだと。最近の日本の工事というものは、こういうような熟練工、きちんとした経験豊かな実務者というのがだんだんいなくなっているのではないかと、こういうようなことも今回の事故の背景にあると、よく私は聞いております。

 ですから、そういうような観点から考えると、実務経験のある方もいるという先ほどの答弁ではございますけれども、やはりまだまだこの現場の実情というものに疎いのではないのか、実務者をきちんと入れるべきであると、このように私も思うわけですけれども、どのような観点から委員を委嘱したのか、伺います。

 そしてまた、これも今ほどかなり、素人同士の議論ということでございましたけれども、これはやはり基本的な考え方としては、検証というようなこと、これは大事だと思います。そして、今回の連絡デッキの落下という事故は、日本の建築史上極めて異例の事故であります。事故原因の解明については、単に新潟県だけの問題ではなく、多方面から注目を集めておるのでございます。それゆえに、事故原因の解明、そのプロセスというものが非常に重要であります。

 県は、今回の事故のあった施設に対しては、設計・監理という面においては当事者であるという側面も持っております。一般的には、調査委員会は中立、第三者という性格を有していなければならないと私は考えております。今回の事故原因の調査に当たって、県が調査委員会を所管するのはやむを得ないのでありますが、調査に当たっては客観性の確保というのが重要であります。したがって、事故に対する調査については、関係書類を初め各種データ等について積極的に公開し、総合的な解明をしなければならないと思いますが、客観性の確保、資料の公開という点について、改めてどのように考えているのか、お尋ねをいたします。(後略)

 

◎知事(平山征夫君) それでは、志田議員の一般質問にお答えいたします。

 まず初めに、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故への対応等でありますけれども、既にお答えをしておりますけれども、事故の連絡を受けた際に、私としては正直申し上げて、志田議員と同じで、何が起こったのかというのがすぐには頭に入りませんでした。床が抜けたのかなと最初は思ったのですけれども、どうも全部落ちていると、しかも40数メートル、これはえらいことだなと。まず第一には、負傷者等の人的被害がないのかどうか、これが一番の心配として頭に浮かびました。そして、どうしてこんな事故が起こったのか、それから交通とか佐渡汽船対策、これはどうするのかといったことがすぐにその次に浮かんだことであり、さらに、開業して間もない朱鷺メッセにとって、これは試練だなと。この試練が生じたわけですので、最大限努力してこれを乗り切らなければならないという覚悟が次に頭によぎったわけであります。

 また、事故の第一報後、直ちに港湾空港局などの関連部局に対し、事故の被害状況の確認と、警察等の関係機関と連携した事故現場の安全対策等々、応急対策の迅速かつ適切な実施を指示したわけであります。

 御指摘のように、現場に駆けつけるべきであったという指摘があると思います。私として、事故の大きさ、重大性の把握にやや欠けたかもしれないという反省を持っております。対応指示としては適切であったかもしれないけれども、その点については今後のために再チェックしておきたいというふうに思っております。

 次に、調査委員会の委員の選定でありますが、先ほどもお答えしたように、事故原因調査の透明性と客観性を確保し、的確な原因究明とこれを踏まえた復旧方法の検討を行うということになりますと、今どこかの株式会社等々に所属している実務者を採用するというのはなかなか難しいことであり、そういう意味において、過去において実務経験のある人を、そして今現在、大学の教授等をやっている人、あるいは役所関係の研究センターにおられる方等を選んでおるわけであります。

 私として指示いたしましたのは、例えば構造力学等々においても、できるだけ複数の人をかませて、お一人の専門的な意見でない形で、議論が複数人で行えるようにすべきであるということを指示させていただいたところであります。

 今回落下したデッキの構造を踏まえ、構造工学とかコンクリート工学、さらには建築災害、橋梁工学等々、必要な分野の専門家に委嘱したところであり、実務上の経験がないことが今後の検討に問題があるかどうかについては、御指摘でございますので、チェックしてみたいと思いますが、現時点においては十分だというふうに思っているところであります。

 次に、事故調査の客観性の確保ですけれども、事故原因の究明については、今ほど述べましたように、第三者を構成員とする調査委員会を設置して、現在、鋭意原因の究明に取り組んでおります。

 また、資料の公開については、委員会の調査に支障を来すおそれがある資料については、非公開の取り扱いとさせていただいておりますけれども、調査の必要性が終わった段階、あるいは調査結果が出た段階においては、公開するということを原則考えているところでございます。(後略)

 

平成15年10月01日

五十嵐完二君 おはようございます。日本共産党の五十嵐完二でございます。私は、日本共産党の立場から、今、県政が当面している幾つかの重要な問題について質問いたします。

 まず最初に、万代島再開発にかかわって幾つか質問いたします。

 「人為的な破壊でなければ、日本の公共建設史上まれに見る失態だろう」と報じられた8月26日の朱鷺メッセ連絡通路落下事故の原因は、いまだに解明されておりません。

 この事故後、新聞の読者の声欄には県の責任を問う意見が相次ぎました。ほかの通路や施設全体も再点検すべきではないかとの指摘もありました。

 落下した連絡通路と同様の構造物である立体駐車場入江側連絡通路とアトリウム前連絡通路は、2日後の28日に点検が完了し、その後使用しています。

 この点検内容についてお聞きしたところ、設計者が設計書と構造計算書を再チェックした、設計者と県が立ち会って施工者がレベル測量を行った、こういうものでした。

 これぐらいは、落下した連絡通路でも供用前に当然行われていたのではありませんか。それがいまだに解明されない原因で落下したのなら、さきの2つの連絡通路も決して安全とは言えないのではありませんか。原因の解明がないのに、施設の使用、とりわけ入江側とアトリウム前の連絡通路の使用は疑問であり、何をもって安全としているのか、伺います。

 施設の総点検を行うこと、少なくとも入江側とアトリウム前の連絡通路の使用は、原因究明とそれに基づく安全確認後にすべきと考えますが、知事の所見を伺います。

 質問の第2、先般の代表質問で、応急対策を含めた連絡デッキの復旧等に伴う費用の負担問題については、「原因が明らかになった段階で、今回の補正予算分も含め、復旧等に要する経費等について、関係者に対する損害賠償の請求等として適切に対処」とのことでした。

 原因解明の作業が行われていますが、設計ミスか設計どおり施工しなかったことのどちらかが原因、つまり設計ミスか施工ミスのどちらかでしかあり得ず、その場合の県としての費用負担における責任はどうなるのか。また、業者による損害賠償は、落下しなかった両サイドの部分を取り壊して復旧した場合の費用も含めてどのように考えているのか、伺います。

 質問の第3に、この連絡通路全体のうち、落下事故区間の立体駐車場前が117メートルで、工事費は3億4,000万円に対し、落下しなかった両わきの佐渡汽船側は82メートルで1億7,400万円、コンベンションセンター側は36メートルで7,900万円の工事費となっており、落下した事故区間を含む立体駐車場前の工事費は、ほかの部分と比較してかなりの割高となっていますが、その理由及び妥当性についての見解を伺います。

 質問の第4に、この連絡通路は全体で約6億円かかりました。それ以外に、立体駐車場入江側連絡通路が約1億7,000万円、アトリウム前連絡通路が約2億3,000万円、空中の連絡通路を全部合わせると10億円であります。しかも、立体駐車場入江側連絡通路は利用者もほとんどなく、一体何のために1億7,000万円もかけたのかと思うような連絡通路であります。事故後の新潟日報紙に掲載された読者の声の中には、「県財政は破綻寸前である。連絡通路の崩壊原因が解明されたら、これ以上金をかけずに全部取り壊してはどうであろうか」との意見もありました。この連絡通路が本当に必要不可欠なものなのか、多額の費用をかけてこの連絡通路を再生させることについての必要性はどこにあると考えているのか、伺います。

 質問の第5に、今回の補正予算に盛り込まれている歩道の屋根・風よけについてでありますが、必要であれば、なぜ最初から計画されなかったのか。万代島再開発事業には、必要との声が上がれば、大した調査もなしに予算をつけるのか。今年度の予算編成で議論を呼び、関係団体から反発の声が上がった団体運営費補助金の一律カットで1,700万円が削減されましたが、歩道の屋根・風よけはその8年から9年分にも当たるものです。県財政危機の現状のもとで、余りにも拙速ではありませんか。1億5,000万円かける歩道の屋根・風よけが真に必要かどうか、少なくとも冬期間の調査を踏まえる必要があるのではありませんか。(後略)

 

◎知事(平山征夫君) おはようございます。それでは、まず五十嵐議員の一般質問にお答えしたいと思います。

 まず初めに、入江側連絡デッキ等の安全性でありますけれども、これも既にお答えしておりますとおり、事故直後に設計書の再チェックと現地調査を行い、安全を確認したところであります。

 その後、補強筋の少ない床版が使われていた可能性がありますので、改めて点検・調査を実施いたしたところであります。その調査結果を踏まえ、設計者及び調査委員会からは連絡デッキの使用に問題ないという見解をいただいたところでありますけれども、施設設置者として、なお一層の安全を期しておくために、今般、支保工を設置することとしたところであり、安全性は十分確保されているというふうに考えております。

 なお、今後、原因究明の過程で万一施設の点検等が必要となるならば、適切に対応してまいる所存であります。

 次に、事故に伴います復旧経費等の費用負担でありますけれども、原因が明らかになった段階で、その責任に応じて適切に対処してまいりたいというふうに考えております。

 また、連絡デッキの復旧についてでありますけれども、朱鷺メッセは基本的に2階を人の動線の基準としているわけであり、施設外からもその動線を確保することで利用者の利便性の向上を図っている設計となっております。

 なお、施設の復旧につきましては、事故原因の解明を踏まえた上で検討してまいりたいと思います。

 次に、歩道の屋根・風よけの必要性ということでありますけれども、朱鷺メッセ前の歩道は、施設開業後、高層ビル等による風の影響を予想以上に受けるということが明らかになってまいりましたことや、冬期間には川側からの風雪がさらに強くなりますので、施設利用者が安全かつ安心して移動できるように、早急に改善する必要があるというふうに判断したものでございます。(後略)

 

◎港湾空港局長(武藤克己君) 落下工区の工事費についてお答えします。

 落下した連絡デッキ工区の工事費でありますが、当該区間は支柱基礎を設置するための地盤改良工事費が多額であるため、他の工区と比べ、若干割高となったものであります。以上であります。

 

五十嵐完二君 4点にわたって再質問いたします。

 最初に、落下した連絡通路と同じ構造物である入江側とアトリウム前の連絡通路は、安全だという答弁でした。しかし、一層の万全を期して支保工を設置すると、これはきのうの答弁でもありました。私は、安全対策には一歩前進だというふうに思いますが、道路をまたぐところは支柱の間隔が広いところであり、なお不安が残る。再び事故があれば、文字どおり取り返しがつかないことになると私は思います。

 私がお聞きしたいのは、いまだに落下した部分の原因究明がなされていないのに、同じ構造物である入江側とアトリウム前の連絡通路がなぜ安全なのか。営業優先でなくて、安全最優先で原因解明まで待つことが、結果的には県は賢明な良識ある対応をしたということになると考えています。支保工を設置するぐらいなら、なぜ原因究明まで待てないのか。原因究明をやって、それに基づく安全確認後に供用を行うということをする必要があると。質問を要約しますと、原因解明がないのになぜ安全と言えるのかと、私は再度、そのことをお尋ねしたいと思います。

 それから、2点目は、費用負担における責任問題でありますが、責任が明らかになった段階でというお話でした。これは設計ミスか施工ミス、どちらかでしかあり得ないわけですから、県は1円の負担もというお話、先回の質問でもありましたけれども、県は責任があるのか。いわば設置者としての責任だけではなくて、費用を結果として、案分は別にして、負担することになり得るのかどうか、そのことについてどうお考えなのか、お伺いをしたいと思います。(後略)

 

◎知事(平山征夫君) 五十嵐議員から4点再質問いただきましたが、1点は教育長に対するものでありますので、残り3点のうち、1点目の入江側、アトリウム前の2カ所の連絡橋の安全性についても、やや技術的な面がありますので、局長から答弁させます。(中略)

 2点目の費用負担の問題ですけれども、きのうの佐藤議員の御質問にもありましたけれども、県の責任というのもあるのではないかと。これは、いわゆる設置者の責任と同時に、管理上の責任の中で問われるものがあるかないか最終的に確認した上で、そして関係者の中で、その原因究明に対する納得性とあわせて、最終的にどれだけの金がかかるものをどういう比率で負担するかということはそこで決まっていくわけですから、今、県が負担するのはそのうちの何割かとか、するのかしないのかという議論は、相手との交渉の中で最終的には決まってくるということでもありますし、場合によっては裁判ということだってあるかもしれないわけでありますから、その意味において、費用負担については、責任がはっきりした時点で県としての案を決めて、業者に対してそのことを要求していく、それが果たして受け入れられるかどうかについては交渉によって決まってくるということで、そういう前提のもとで先ほど来の答弁をさせていただいたわけであります。御理解賜りたいと思います。

 

◎港湾空港局長(武藤克己君) 原因究明までなぜ待てないかというお話がありました入江側2橋についてでありますが、議員おっしゃったように、同種の建築物だから、どうして原因究明まで待てないかというお話だったのですが、その同種の建築物というのをどこまで同種ととらえるかという問題もあると思います。

 確かに構造上は非常に似ているのですが、ただ建築物そのものから見てみますと、橋と橋との間の径間が短い、それから屋根、壁がない、そういった面では、いわゆるトラスにかかる負担というのは極めて少なくなっております。それから、施工中におきましても、落下地区と違って特にトラブルはなかった。

 さらには、現況を見ていただいたのですが、そこからいきますと、破壊の前兆となるのは、ひびが入るという状況が破壊の前兆となるわけですが、それについては全く問題がなかったということで、昨日答弁申し上げましたとおり(「あった」と呼ぶ者あり)やじはやじとして、とにかく(「あったのだ」と呼ぶ者あり)無視しまして、要するにひびがあったかどうかということで言えば、ひびはコンクリートですから少しは入ります。ですから、要するにいわゆる目視でもわかるようなひびがなかった、定着部にはなかったということで、いわゆる専門家の方から見ていただきまして、安全だという御判断をいただいたわけであります。

 きのうも申し上げましたが、安全だという判断はいただいたのですが、なお安全を期して支保工を入れるという判断をしたわけでありますので、御理解いただきたいと思います。 以上です。

 

◎知事(平山征夫君) 入江側及びアトリウム側の安全性の問題ですけれども、先ほど局長がお答えしましたように、構造上の問題、それから現在の状況、昨日も丸山委員長が来られ、この問題についても確認させていただきましたけれども、斜材ロッドが原因ではないかということが一番大きな要因として今考えておられるわけですし、もう1つの原因の方も含めて2つぐらいに絞られてきて、シミュレーションしながら確認していくと。いずれもその原因との関係において、入江側、アトリウム側の状況は十分問題なかろうというのが、例えば斜材ロッドの定着部分における安全性についても十分大丈夫であろうということでありました。

 なお、大半の委員の先生は大丈夫ということですが、一部の委員で、御指摘のように、万一のことがあってはいけないから、支保工という御意見もありました。我々としては、その意味で安全をとって支保工を設置するということにした次第であります。

 

内山五郎君 内山五郎でございます。

 本日、新津市の私の後援会の皆さんが100人近く傍聴に来られております。これから朱鷺メッセを見学されてお帰りになるそうです。こんなに大勢の方がこの9月定例会に傍聴をされるのは、過日、私がこの9月定例会の代表質問をお聞きしておりまして、大変、新潟県も難題を抱え、議会も暗いイメージになっているということを実はお話をしたことがあったのです。そうしたら、この新潟県、何とか明るく元気に頑張ってほしい、議会も、知事初め幹部の皆さん、職員の皆さん、本当に頑張ってほしいということで、きょう傍聴に見えられておりますので、お伝えをしたいと思います。

(中略) 最後の質問になりますが、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてであります。代表質問や一般質問で多くの議員から語られておりますから、私からは重複を避けながら質問をさせていただきます。

 まず、この事故は、専門家はもとより、県民一般の視点に立っても、考えられない不思議な事故であります。建設して間もない、特別に負荷がかかったわけでもない。それだけに専門家、県民の目は、落下した部分のみならず、連絡通路全体、ひいては朱鷺メッセそのもの全体の構造に対しても疑念の目を向けつつあります。それだけに、県にとっては、この事故に対する対応いかんによっては、新潟県としての致命的な打撃を受けざるを得ないと思います。

 9月28日、新潟日報紙は、「朱鷺メッセ通路落下から1カ月、責任の所在いずこ」と見出しをつけ、「県が威信をかけて造り上げた現代建築で起きた突然の事故だけに、県内外の関係者からも注目が集まっている」と報じています。まさに県の威信と危機管理への対応が問われています。しかし、現実は、報道によれば、「調査委に対し、施工業者は設計どおりに工事をしたと強調、設計業者も設計どおりにやれば問題ないはずと話し、調査委員長は作業手順が大事だと指摘し、設計と施工の間でもっと意思疎通があった方がよかった」と語られています。

 本当にそのレベルの話なのでしょうかというのが、私のみならず県民の率直な疑問ではないでしょうか。後になって、本当の原因はこれだったということがあったら、まさに新潟県の信頼は地に落ちます。日報の見出し、「責任の所在いずこ」では済まされない事故なのです。この危機感を基礎に、背景に横たわる構造的な問題などにしっかりとメスを入れていただきたいというふうに思います。

 時間が参りましたので、質問をさせていただきますが、今回の事故は社会的にも注目を集めております。このことを教訓に、災い転じて福となすために、私の提起する原因究明型への事故調査に転換を図ることが重要です。そのために、積極的に情報を公開していくことが、結果として信頼の回復につながると考えますが、今後の情報公開についてどのように対応していくか、知事のお考えをお聞かせください。

 今回の事故により、施設全体の安全性について、どのような認識で不安を払拭していかれるのか、安心のできる答弁を期待し、私の一般質問を終わらせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

 

◎知事(平山征夫君) それでは、内山議員の一般質問にお答えいたします。

 まず初めに、観光産業に対する認識ということですが、観光産業は大変幅広い経済波及効果を有する産業であり、この観光産業の振興は、地域の活性化の切り札ともなる重要な産業であるというふうに認識しております。

 そうした認識に立ち、ことし5月に開業した今話題の朱鷺メッセを活用してコンベンションの誘致を図ると同時に、今年度からは「新しい観光の推進と交流型産業の育成」を戦略の重点課題として位置づけ、総合的な観点から地域の魅力を丸ごと感じることができるような観光メニューの開発とか、質の高いサービスを提供する知識と経験を持った人材の育成、地域資源を活用した新しい観光ビジネスの育成等に取り組んでいるところでございます。

次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてお答えしたいと思います。

 まず、事故に係る情報の公開ということでありますけれども、事故の状況や原因究明の進捗状況等を広く公開していくということは、信頼を回復することからも極めて重要であるというふうに認識しております。

 そのため、県といたしましては、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会の検討内容などをホームページ等を通じて、調査に支障を来さない範囲で順次公表しているところであり、昨日、中間的な報告を委員長からさせていただいたわけであります。さらに、調査結果については、調査終了後、公開してまいりたいというふうに思います。

 昨日、委員長にもこの件については十分意を用いてほしいということをお願いしております。あわせて、委員会のメンバーについても再確認させていただきましたが、100点満点というふうにはいかないとしても、ほぼベストに近いメンバーをそろえているので、全く問題ありません、十分ですというのが委員長の答えでありました。

 それから、いろんな意味での公表については、阪神・淡路大震災のときにもあったのだけれども、いろんなことでいろんな議論がたくさん出てくる。そのことは、後で振り返ってみると、ほとんど余り正確ではなかったと。やはり阪神・淡路大震災のときも、正式な調査委員会の検討が最も水準も高く、最も正確であったという自負を丸山先生も参加されたメンバーの1人としておっしゃっておりました。あくまでこの事故調査委員会の検討を信じて、この検討内容で判断をすべきであるということをおっしゃっていました。

 しかしながら、公表に対する外からのいろんな要望がありますので、その結果については、申し上げましたように、委員会での調査に支障を来さない範囲で公表してまいりたいというふうに思います。

 また、施設全体の安全性に対する認識ですけれども、コンベンションセンター本体は、落下したデッキとは構造形式とか設計手法などが異なっていますし、施工中に問題もなかったことから、安全性に特に問題はないというふうに考えております。

 なお、今後の原因究明の過程で施設の点検が必要となれば、その都度適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。(後略)

 

15年10月10日

柄沢正三君 建設公安委員会における付託案件の審査経過並びに結果について御報告申し上げます。

 まず、港湾空港局関係として

1、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故に関連して、

 落下事故については、全面供用後間もない時期に起きた事故であることなどから、県民に大きな衝撃を与えたことはもとより、朱鷺メッセの安全性に対する信頼を損ねる結果となったので、信頼回復に向けて、徹底した原因究明をされたいこと。

 また、事故調査委員会において事故原因等の調査中ではあるものの、朱鷺メッセの営業面への影響が懸念されるので、連絡デッキの早急な復旧に努めるべきとの意見。

 朱鷺メッセ連絡デッキの復旧に当たっては、事故によるマイナスイメージを払拭する必要があるので、施設の新たなPRに有効と思われる県産ヒノキを利用した工法を積極的に検討すべきとの意見。 (中略)

次に、土木部関係として

 1、県の公共工事の発注に当たっては、県内建設業者を優先しているとはいうものの、技術難易度が高い工事等において県外企業が受注する事例が多くなっており、地域の雇用確保の観点から県内企業の保護に取り組む必要があると思われるので、県内建設業者の受注機会の一層の確保に向けた方策を積極的に検討すべきとの意見。(中略)

以上をもって報告といたします。

◆尾身孝昭君 総務文教委員会における付託案件の審査経過並びに結果について御報告申し上げます。(中略)

次に、議案採決に先立ち、各党党議結果の報告を求めたところ、自由民主党、新潟みらい並びに無所属の会からは、全議案いずれも原案賛成。日本共産党からは、第130号議案については、中小企業対策費や冷害の対策など評価できるものがあるものの、朱鷺メッセの歩道屋根、風よけの設置は、不要不急の万代島開発にさらに県民の血税を投入することになるため、第188号議案は、住民の声を軽視、無視した、上からの押しつけ合併であるため、それぞれ反対。その他の議案については、いずれも原案賛成というものであります。(中略)以上をもって報告といたします。

 

 

新潟県議会の朱鷺メッセ落橋事故関係審議記録(2) 平成15年12月定例議会

平成15年12月03日

◎知事(平山征夫君) 平成15年12月定例県議会の開会に当たり、前定例議会以降の県政の主な動きと提案いたしております議案の概要を説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様に御理解と御協力をお願いしたいと思います。

(中略) 最後に、万代島朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてでありますが、現在まで8回にわたる事故調査委員会で精力的に事故原因等が検討されており、かなり事故原因については絞られてきているところでありますが、なお最終報告を取りまとめるにはいま少し時間を要すると聞いておるところでございます。

 私としましては、できるだけ早期に事故原因を解明できるようお願い申し上げているところでございます。

 なお、施設の復旧については、事故調査委員会の原因究明を踏まえて適切に対応していく所存でありますが、安全の確保を第一に、構造や工法等の技術的問題を検討するほか、整備に要する費用等についても検討を進め、極力早期に通路機能の復旧に努めてまいりたいと考えております。(後略)

 

平成15年12月05日

小山芳元君 社会民主県民連合の小山であります。会派を代表して、知事の政治姿勢及び県政にかかわる諸課題について、通告に従いまして一般質問させていただきます。(中略)

通告の第3点目、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故問題について質問いたします。

 最初に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下問題は、今日まで事故の原因究明に多くの時間を費やしてきましたが、鉄骨溶接が不完全であったとの構造設計者の指摘に対し、県事故調査委員会は、通路を側面で支える斜材ロッドの外れが崩壊の発端であるとほぼ断定したようでありますが、いつ最終結果が出されるのか、そしてこの県事故調査委員会が出された結果を県は最終結論とする考えなのか、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、この朱鷺メッセ連絡デッキ落下は、設計監理、工事施工など、それぞれの部署や過程で責任ある対応がなされていれば本来起こり得ない事故であることから、この問題で不要な県費を出すことは許されるものではありませんが、最終的にどのくらいの県費の支出が見込まれ、設計業者や施工業者など、だれに対してどう責任を求めていかれるのか、加えて県の責任を県民にどのように明らかにしていくのか、知事の姿勢をお伺いいたします。(後略)

 

◎知事(平山征夫君) それでは、小山議員の代表質問にお答えいたします。(中略)

次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてお答えしたいと思います。

 まず、事故原因の調査でありますが、事故調査委員会では、年内を目途に結論に至るよう鋭意検討を重ねているところであり、11月23日開催の第8回委員会までに落下の起点を斜材ロッド定着部の破壊にほぼ特定し、落下プロセス等について最終的な詰めを行っているところというふうに聞いております。

 私としましては、調査の客観性や透明性を確保するために設置いたしました本調査委員会の調査結果を尊重してまいりたいと考えております。

 次に、事故に係る県費負担の見込みということですが、通路機能の復旧方法については、事故調査委員会の最終的な検討結果を踏まえた上で対応することとしております。現時点で所要の経費を算出することは、その意味で難しいと言わざるを得ません。

 また、責任の所在についてでございますが、私としましては、事故が発生し、その結果施設を利用される方々に御不便をおかけしたことに対し、施設設置者としてまずおわびを申し上げたところでございます。

 なお、事業実施に当たり、担当の職員は発注から検査まで所定の手続に従い対応してきたというふうに考えておりますが、その過程で問題点がなかったのかどうか、その責任も含め、現在精査をしているところであります。

 さらに、当然のことでありますが、落下事故に責任があると考えられます関係者に対しては損害賠償請求を行うなど、遅滞なく適切に対応してまいりたいというふうに思います。(後略)

 

小山芳元君 5点にわたり再質問をさせていただきます。(中略)

3点目は、朱鷺メッセの件でありますけれども、調査委員会の結果を尊重するというのが知事の答弁でありますが、私どもにこの「橋梁と都市」という本が配られてきたのですけれども、この中に緊急報告として、この朱鷺メッセの問題が取り上げられておりまして、その内容は、ジャッキダウンのとき大損傷を受けて、それが事故につながっているというのが大まかな内容であります。そういうことで、県の事故調査委員会は判断基準をずらしているということで、公正な調査を求めたいというのがこの内容であります。恐らく皆さんのところにも行っていると思うわけでありますが、この見解をどのように受けとめて、県の最終結論に対しても、これについてはどのような考え方で取り扱われるのか、お聞きをしたいと思います。(後略)

 

◎知事(平山征夫君) 5点の再質問をいただきました。(中略)

それから、事故調査委員会の報告を尊重したいと、これは当然のことであります。そして、今御指摘のございました雑誌ですけれども、私も承知しておりますが、一定の立場におけるところの業者の方から出てきている、あるいは取材に基づいて書かれたものであるというふうに思われますので、このことも一つの見解であるとすれば、含めて総合的に事故調査委員会で判断していただくということでやっていただいております。したがって、その雑誌のことが正しいとも間違っているとも私の立場でまだ言えるわけではありませんが、どうももとはそういうところから取材されて、ある立場の方からの取材で書かれているようにも聞いております。客観的な判断がされるよう、事故調査委員会で今詰めておるというふうに思っております。(後略)

 

◆竹山昭二君 冒頭、イラクで犠牲になられた日本大使館員お二人と御家族の皆さんに、哀悼の意をあらわすものであります。新潟 みらいを代表して、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。(中略)

次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故についてお伺いをいたします。

 構造設計を担当した構造設計集団SDGが、独自に分析した落下メカニズムを発表いたしました。落下が始まったのは朱鷺メッセ側の鉄骨部分であり、溶接のふぐあいが要因とのことであります。一方、県事故調査委員会は結論に至ってはおりませんが、佐渡汽船側のロッドが根元から外れて落下が始まったと特定し、根元部分の設計が必ずしも十分でなかったと指摘しております。これをどのように受けとめ、どのように対応されるのか、お伺いをいたしたいと思います。

 落下事故については、県としても工事の検査などもしてきたところであります。県の責任についてどのように受けとめておられるのか、お伺いをいたします。

 落下部分の工事費は約3億4,000万円を要しております。復旧経費はどのくらいかかるのでありましょうか。復旧経費はだれがどのように負担するのか、お伺いをいたします。

 さらに、連絡デッキ復旧の見通しと手法についてもお伺いをさせていただきます。(後略)

 

◎知事(平山征夫君) 竹山議員の代表質問にお答えいたします。(中略)

次に、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査でありますが、先ほどもお答えしましたとおり、事故調査委員会では、これまでの検討によって斜材ロッドの定着部の破壊により連絡デッキの落下に至ったということにほぼ特定してきており、落下プロセス等について最終的な詰めを行っているところであるというふうに聞いております。

 私としましては、同委員会の最終的な報告書について説明を受けた上で判断することとなりますけれども、基本的には同委員会の調査結果を尊重していきたいというふうに考えます。

 また、落下事故に対する県の責任ですけれども、これもお答えしたとおり、事業の実施に当たって発注から検査まで所定の手続に従い対応してきたというふうに考えておりますけれども、その過程で問題がなかったのかどうか、そのことの責任も含めて、現在精査をしておるところでございます。

 次に、復旧経費でありますが、復旧の方法がどうなるのか未定の現時点では所要の経費を算出することは難しいわけであります。

 また、復旧費用の負担については、落下事故に責任があると考えられます関係者に対して損害賠償請求を行うなど適切に対処してまいりたいと思います。

 次に、復旧の見通しと手法ですけれども、事故調査委員会の最終的な検討結果を踏まえた上で対応することとなりますけれども、安全の確保を第一に、整備に要する費用や期間、構造、そして工法等の技術的問題を十分に検討いたしまして、極力早期に通路機能の復旧に努めてまいりたいと思います。(後略)

 

平成15年12月09日

          五十嵐完二君 私は、日本共産党の立場から、県政が当面する幾つかの重要な問題について質問いたします。

(中略) 質問の第2は、11月下旬に、朱鷺メッセ多目的広場に来年4月、県内の人気ラーメン店など10店を集めた飲食施設がオープンするとの報道がありました。この多目的広場は、祭りやバザール式の自由市場の開設など、屋外イベントの開催を通して万代島のにぎわいづくりの中心にしていくと、その利用が予定されているものですが、この多目的広場の利用状況はどうなのか、そして屋外イベントの開催を通して万代島のにぎわいづくりの中心にとした当初の整備・利用目的から見て、現状をどう評価するのか伺います。

 質問の第3に、連絡通路落下事故に関する県の責任問題について、9月定例会での答弁は、発注から検査までの過程で問題点や改善すべき点がなかったか、その責任も含め検討されるべきとし、先般の答弁では、この点について現在精査しているところとの答弁がありましたが、私は改めて検討の結果はどうなったのか伺うものであります。

 質問の第4に、連絡通路を再生させることについて、定例会開会日にも極力早期に通路機能の復旧に努めるとの知事の表明がありました。復旧のための経費は、現在算出できないとのことですが、この連絡通路には約6億円かかったことを考えれば、復旧には数億円を要すると思われます。

 私はこれまでも何回か現地に行っていますが、立体駐車場から佐渡汽船まではともかくも、落下した立体駐車場からコンベンションセンター側は連絡通路が必要不可欠なのか、この財政危機の中でどうしてもつくらなければならないものなのか、甚だ疑問であります。

 9月定例会で同様の質問をしたところ、朱鷺メッセは基本的に2階を人の動線の基準としており、施設外からもその動線を確保することで、利用者の利便性を向上するという設計となっているとの答弁でした。設計の思惑はそうであっても、実際の利用状況を見ればさして必要ないものを、どうして多額の費用をかけて復旧させなければならないのか、その必要性についての見解を改めて伺うものであります。(後略)

 

◎知事(平山征夫君) 五十嵐議員の一般質問にお答えいたします。(中略)

次に、連絡デッキの復旧でありますが、連絡デッキは朱鷺メッセ等の利用者の利便性や運営上からも必要であるというふうに考えておりますけれども、今後、事故原因が明らかになった段階で、復旧についての具体的な方法や費用の負担のあり方等については検討してまいりたいというふうに考えます。

 

五十嵐完二君 5点にわたって再質問いたします。(中略)

 第2点目は、連絡通路の復旧でありますが、その必要性について言われたのは、利便性や運営上必要だと。私は、その理由は何かということを聞いているのです。ないよりはあった方がいいという程度でつくられたのではたまったものではありません。多額な費用がかかるわけですから、今こういう実態にあって、需要が多くて、現在ないことによってこういう不便を来しているから何としても必要だと、だからつくるのだという、そういう説明責任が求められているのではないでしょうか。そうした点で答弁を求めたいと思います。(後略)

 

◎知事(平山征夫君) 五十嵐議員の再質問にお答えしたいと思います。(中略)

 それから、連絡通路はもともと最初に必要ということで建設して使われてきたものが落下したということですから、その落下の原因によって負担をしてもらってもとに戻すというのがまず基本だと思います。その中で、先ほど言いましたように、どういう工法をやるかとか、やり方とか負担については当然これから考えますが、原則的には利便性を含めて最初の計画で必要性を認めて計画を実行したものが壊れたわけですので、もとに戻すというのが、まず原則だというふうに基本的には考えております。万一つくらないという案も、考え方もそこにあるならば、そこに議論の中では一応されるかもしれませんけれども、私としては今のところは再現、復元という前提でとらえているところであります。(後略)

 

佐藤浩雄君 質問の前に、先ほどイラクでテロの攻撃でとうとい犠牲となられました奥克彦、井上正盛の2人の外交官と運転手さんに心よりの哀悼の意を表します。(中略) それでは、本論に入ります。

私は、去る9月定例会で朱鷺メッセ連絡通路落下事故について質問いたしました。そのとき、情報公開や幾つかの技術的な問題も含めて質疑しましたが、知事からは最後まで正面からとらえた明確な答弁がなく、ほとんど逃げとはぐらかしの答弁でした。特に情報公開については、事故が既に起きてしまっており、情報公開することで事故原因が変化するおそれがないにもかかわらず、斜材ロッドがすべて入っている最初の設計図の構造計算書の存否と公開、その後のたび重なる設計変更と、それに伴う構造計算書の存否も含めて、今日まで依然として公開していないことは許せる態度ではございません。

 今回の最大の被害者は県民であることを忘れてはなりません。県は、発注者でありながら、建築確認を行う許可権限者であり、形式的責任者の新潟市に計画通知する立場であります。しかも、竣工検査を実施している本人であり、責任ある技能を持った職員がチェックしたと答弁しているのですから、重大な責任から逃れようもないのであります。

 朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会の事故調査も進み、第8回の委員長の記者会見要旨では、「ロッドと床板の定着部が破壊され、デッキは落ちた。我々の見解は、断面や鋼材の壊れ方、斜材ロッドの定着部の実験結果を総合的に判断し、解析により一番あり得るメカニズムは定着部から壊れたということだ。実験結果を見ると、設計の想定より弱かった。解析すると、実際に大きな力がかかっている。設計ミスということになる。事故調の役割は、事故の崩落メカニズムを明らかにすることで、その結果に対し、どこがどういう責任を負うかは県に任せる」と言っており、事故原因究明の最終段階まで来ており、また施工業者の定着部の破壊試験の結果もホームページで公表され、また構造設計集団(SDG)などの設計関係者からの事故の解析と見解も公表された段階ですから、私たち素人の県民でもある程度理解できますので、知事に再度お伺いいたします。

 まず第1に、県はホームページなどで情報公開するとしていますが、しかし実際公開された資料は、構造の概要書3枚、設計図10枚、落橋状況図2枚、施工業者が県に提出した施工計画書すべてが364枚、ほかの工区の施工計画書として207枚です。設計図書をホームページで公表するとしていますが、構造に関するものは何もありません。このことは情報公開として適切と言えるでしょうか。特に設計図、構造計算書のすべてを公開すべきと思いますが、知事として基本的な考え方をお聞かせ願います。

 第2に、施工業者と契約したのは2000年11月13日です。このときの設計図は、斜材ロッドがすべて入っていて、定着部は三角形で、鉄筋は入っていない設計図だったそうですが、このとき構造計算書の貸与を施工業者は申し出たが、ないということで、施工業者は見せられなかったとホームページで公表しています。そもそも最初の構造計算書は存在していたのでしょうか。あるとしたら、なぜ今日まで公表されないのでしょうか、その理由も知事にお伺いします。

 また、契約後2週間で最初の設計変更がされたそうですが、そのときも設計変更に伴う構造計算書も渡されなかったと公表しています。その結果、設計変更に伴う検討がどのように行われたかわからないと言っています。しかも、第5回の事故調査検討委員会の記者会見では、9月定例会での私の質問に対する答弁なども入れて、情報不開示のかたくなな態度を改め、「一定のものは隠さず出していくことにした。写真とか構造物の基本的情報は出していく」と言っておきながら、「自分たちで独自に調査するので、資料を提出願いたいというものについてはお断りする。私どもが調査して、出してよいものを判断し、公開していくことである」と言い、事故の核心に迫る肝心の構造計算書などは出せないと言っています。

 しかし、事故調査検討委員会は、「当初のモデルで斜材ロッドの位置が違うまま計算したものがあり、それを修正して計算し直したものがあった。それらが時期的に短い時間の中で提出されたようで、多少混乱があったようだ」と答弁しています。このように、誤りがあったとまで答弁しているのですから、すべての設計図や建設資料を初め、設計変更に伴う構造計算書など、すべての構造計算書を公表すべきですが、なぜ公表しないのか、その理由も知事にお伺いします。

 また、施工業者のホームページを見ますと、第1回目のジャッキダウンが3月4日から開始をし、5日でたわみが120ミリを超え、クラックが発生したので中止をした。その後、仮支柱を残し、H形鋼四方補強枠を入れた形で2回目のジャッキダウンを完了し、構造計算書は4月13日に施工業者に渡されたと言われています。その後、19日に竣工検査を合格しています。その2年後の平成15年3月に朱鷺メッセ側が完成したとき、既に竣工していた崩落部分に新たに仮支柱が3本も立てられ、H形鋼四方補強枠が外され、斜材ロッドに緊張力が導入され、斜材ロッドをL形鋼で囲み、樹脂を注入し、最後は仮支柱4本を撤去し、立体駐車場部分に屋根が設置をされる大幅な設計変更がされていますが、このときの構造計算書も公表されていません。一たん竣工検査を受け、合格して、完成して引き渡したはずなのに、新しく工事を施工するということは、設計が不備だと言わざるを得ないのではないでしょうか。

 今回の崩落事故の核心に迫るため、設計変更に伴うものも含めて、すべての設計図書の公開をして情報を提供すべきではないでしょうか。誤った構造計算書もあり、混乱したと委員長がみずから記者会見で述べているのですから、なぜ県民に隠さなければならないのか理解ができません。知事のお考えをお聞かせください。

 第3に、定着部は最初に設計変更した部位ですが、構造計算書には記載されていなかったことが判明しています。しかし、一部のマスコミの情報では、SDGが別なものがあると答えているなどということが流されています。定着部は、事故の真相究明の核心部分ですから、構造計算書がいつからあったのか、設計変更時点で構造計算したのかしなかったのか、いつもらったのか、あるいは崩落事故後つくったものではないのかなど、県民から多くの疑問が寄せられています。あるのかないのか、いつ計算したのかなど、真実を明らかにすべきですが、明快な御答弁を求めます。

 第4に、平成13年の竣工直前にもらった2001年3月30日付の構造計算書は、数カ所にわたって疑問があると言われています。私たち無所属の会が事故調査に行って最も異常だと思った定着部の破壊ですが、定着部の構造計算がされていなかったと公表されていますが、事実でしょうか。しかも、施工業者が契約時にもらった最初の設計図には、定着部の断面形状は三角形で、鉄筋が入っていなかった。その後の設計変更で台形に変わり、鉄筋7本を入れることになった。工事が進み、既に第1期工事が完了し、竣工検査を受ける直前の段階でいただいた構造計算書に定着部の構造計算がされていなかったと言っておりますが、もし事実だとするなら、余りにもずさんな設計と言わざるを得ません。このことに対しての御所見をお伺いします。

 第5に、設計図ではすべての上弦材は63.5平方センチメートルの部材でつくることになっており、事実63.5平方センチメートルでつくられています。しかし、渡された構造計算書では、30本中10本もの上弦材の断面積が95.4平方センチメートルという太い部材で計算され、安全と公表されています。このことは、平成14年の連絡橋全部がつながったとき、構造計算したら63.5平方センチメートルではもたないと判断され、95.4平方センチメートルで計算せざるを得なかったのではないか、すなわちごまかしたのではないかと私は推測します。

 しかし、実際取りかえなかったのは、もちろんこの計算をしたときは既に第1回目のジャッキダウンをしており、連絡橋は完成していたのですから、上弦材を太いものに取りかえるとしたら、大変なことになることはだれでも容易に推測できます。そうしたことから、フル荷重時でも安全の範囲であろう、何とか破断することはないであろうという甘い判断から、上弦材の鉄骨を強化したもので計算のみをしたのではないかと思われます。ごまかしの計算書をつくったのではないでしょうか、事実はどうだったのでしょうか、御答弁をお願いします。

 第6に、資料公開したものによりますと、今回崩落したスパン(48メートル)より短い福田組工区スパン(36メートル)で、PC床板をつないでいるPC鋼線が4本なのに、1本追加して5本になって計画、実行されています。県も承諾し、実行されたと思いますが、短いスパンにもかかわらず5本にした理由は何であるかお聞かせください。

 構造計算書が公表されていないので確認できませんが、当然構造計算して5本になったのだと思います。しかし、同じ条件で長いスパンより短いスパンに本数を多く入れるということはおかしいと思いませんか。このことをどのようにお考えかお聞かせ願います。

 第7に、4月13日に渡された計算書には、斜材ロッドにかかる連絡橋完成時のフル荷重は127.5トンと計算され、自重だけでは82.2トンと計算されているにもかかわらず、定着部がこの荷重に耐えられるのか計算されていなかったと公表されています。定着部は、このたびの崩落部分だけにあるのではなく、連絡橋全体にあるのですから、残っている連絡橋すべての安全性や信頼性を根本から覆す重大な問題だと私は判断します。したがって、現在残っている連絡橋を全面的に仮支柱、または支保工を立てて連絡橋を支え、強化して使っていますが、このまま永久的に仮支柱で補強することは、地震やPC床板などの崩落なども考えられることから、これでは現在使っている連絡橋も安心できないし、使用できないと判断すべきではないでしょうか。したがって、直ちに全面的な建てかえが必要と判断すべきではないでしょうか、知事の御所見をお伺いいたします。

 第8に、施工業者との契約時のPC床板のコンクリート強度は35ニュートンパーミリだったそうですが、渡された構造計算書では54ニュートンパーミリと50%も大きい強度で計算し、安全と判断していたと公表されています。PC床板は、橋全体に配置されているものであり、この事実も連絡橋全体の安全性や信頼性を根本的に覆す情報です。事実はどうだったのでしょうか。

 また、事実なら、残っている橋全体が人を通せる安全な代物ではないと言えるのではないでしょうか、知事の明快な御答弁をお願いします。

 また、平成12年3月30日の構造計算書には、最も太い直径60ミリの斜材ロッドの許容張力が103.66トンとなっています。一方、全連絡橋の完成時の構造計算書では、斜材ロッドには127.5トンの荷重がかかる計算となっています。したがって、斜材ロッドには許容される引っ張り力を超える引っ張り力がかかることが判明しており、判定では危険と判断すべきところを安全と判断されておりましたと公表されています。したがって、この連絡橋の斜材ロッドは所定の60ミリのものが全部入っておりますから、フル荷重には耐えられないことになっています。このことも橋全体の安全性や信頼性を根本から覆す重大な情報です。現状では安心して通行させられない代物ではないのでしょうか。知事はどのようにお考えか、御所見を重ねてお伺いいたします。

 第9に、施工業者のホームページを見ますと、構造計算書に計算が記載されていない定着部が先行破断した結果、全体系の破断に至った可能性が考えられる。そこで、この定着部に着目し、タイロッド引っ張り力をかけることにより、定着部の耐力を確認することとした。試験は、標準図に記載されたコンクリート強度35ニュートンパーミリと構造計算書に記載されたコンクリート強度54ニュートンパーミリの2種類の強度を想定して、実際強度49.2ニュートンパーミリの呼び強度40Nと実際強度66.1ニュートンパーミリの呼び強度60Nの2種類で実施をした。また、計画途中でPC床板の製造会社から定着部のU字筋が1〜2本少ない製品があったかもしれないとの情報が入ったため、U字筋の入っていないものを追加して試験をしたと公表されています。

 その試験概要、試験体の作製、試験ケース、試験結果が図説入りで詳細に公表されています。この試験結果を見ますと、40NでU字鉄筋入りでは、微細なひび割れが40トンの引っ張り力で発生し、水平引っ張り力で108.1トンで破壊されたこと、すなわち耐久力は108.1トンということです。また、60NでU字鉄筋入りでは、水平引っ張り力で119.6トンで破壊されたこと、すなわち119.6トンの耐久力であり、また現実の連絡橋の斜材ロッドは角度がついておりますので、角度1.46度をつけた試験では100.5トンで破壊されています。また、U字筋なしの60Nの場合では63.9トンの耐久力と報告されています。現実の定着部のコンクリート強度は54ニュートンパーミリですから、実験の66.1ニュートンパーミリの耐久力119.6トンより少ない引っ張り力で破壊されることから、試験結果よりは小さい数値の耐久力となると、そこでも報告されています。

 そこで、平成13年4月13日に渡された2001年3月30日付の構造計算書では、フル荷重で127.5トン、自重だけで最大82.2トンの引っ張り力が斜材ロッドにかかる計算がされていますから、斜材ロッドを通じて固定している定着部には同じ荷重がかかることが明確です。実際使われているコンクリート強度54ニュートンパーミリよりも強い66.1ニュートンパーミリの耐久力が119.6トンですから、構造計算書の斜材ロッドにかかる最大負荷の127.5トンに比べればはるかに低く、使用していれば必ず定着部は破壊し、橋の崩落が発生することになります。そのことをこの構造計算書は立証しています。

 また、実際使用されている54ニュートンパーミリのコンクリート床板における定着部の強度を上回る強度の66.1ニュートンパーミリの呼び強度60Nを、現実の連絡橋の斜材ロッドは角度がついておりますので、1.46度の角度の試験での耐久力が100.6トンですから、54ニュートンパーミリの耐久力はそれより小さいはずですし、そこに丸山証言の80%を掛けますと、耐久力は80トン以下となりますので、自重の最大引っ張り力82.2トンでも、第6回事故調査委員会の記者会見で委員長がホームページで詳細に証言しているように、コンクリートの特性である最大耐久力の80%から85%の荷重を継続してかけているとやがて破壊をするとのコンクリートの常識から、連絡橋上に人が全然おらずとも、自重で崩落が始まることが立証できます。

 また、54ニュートンパーミリの耐久力を実際強度49.2ニュートンパーミリの呼び強度40Nの耐久力108.1トンを上回る約110トンと仮に仮定をしても、第7回事故調査委員会の記者会見での、日刊建設工業新聞で丸山委員長が証言していますが、70%から80%の力がかかっていると破壊されるとの証言から、最小77トンで破壊が始まることになりますから、やはり自重で落下することが証明されます。

 第8回の事故調査委員会の記者会見でも、「定着部から壊れた。実験結果を見ると、設計の想定より弱かった。解析すると、実際大きな力がかかっている。設計ミスということになる。施工ミスはあると思えない。設計に負うところが大きい。定着部の状況は、設計基準や仕様書にはない。解析も難しい。本当の耐力が幾らあるのか予測できなかったところに問題がある。安全率を見て、普通はかなり過大に見るものだ」と言い切っていますから、事故原因が設計にあることは明確となっております。

 以上のことから、この朱鷺メッセ連絡橋は、人が乗れば必ず定着部が破壊され、崩壊する連絡橋であり、人が乗らなくとも、完成後一定の時間で連絡橋自身の自重で定着部が破壊され、崩落する連絡橋であったことが考えられますが、御所見をお伺いします。

 第10に、施工業者がホームページで公表している定着部の実験については第7回事故調査委員会で検討されており、終了後の委員長記者会見でも、「構造計算書で条件が一番厳しい場合に作用する力を見ると、その耐力より多少大きい値となっている」。記者からの質問で、「大きいことは耐えられることか」との質問に、「耐えられない」と答弁しています。また、「いろいろな意見があるが、委員会としては定着部から壊れたと見ている。例えば耐久力が100としても、その8割か8割5分の力が持続的に作用すると、ある時間がたつと壊れる。鉄筋コンクリートにはそのような特性がある。時間がたって壊れたということなので、その可能性が一番高い」と委員長が答弁しており、施工業者の実験を「信頼できる実験方法だ」と高く評価しています。

 このことをマスコミは、例えば建設業界紙では、「構造計算における最大想定荷重が崩壊する荷重に近かった。設計上の耐力剛性が類似施設に比べ7割程度だった。最大荷重時の荷重が耐力よりやや大きい数値であり、耐えられない。雪が多く積もったり、人が大勢歩行していたら、その時点で壊れていたかもしれない」と委員長は答え、また「設計は十分とは言えず、事故調査委が見解」、「落下原因解明核心に、設計荷重不足明らかに」と、全紙が設計に問題があることを報じています。

 また、10月9日の第7回事故調査委員会の報道では、「斜材ロッド外れ発端、事故調査委員会がほぼ断定」、「事故調査委員会が原因特定、ロッド定着部に負荷」、「崩落メカニズムの解明進む、斜材定着部の耐久力不足が原因か」などと大きく報道しており、以上のことから、私が推測したことと委員会の評価は同じであります。

 しかし、発注者でもあり、実質的な許可権限者であった県、港湾当局は、しっかりチェックしたと答弁しながら、なぜこのようなことが発見できなかったのか。また、竣工検査は設計変更した設計図などによってチェックし、合格したと答弁していますが、先回の質問でも知事に強く指摘しておきましたが、最初の設計と全く違うグロテスクな形で仮支柱が立てられ、補強枠がはめられ、斜材ロッドがなくなったり、逆さに入っていたにもかかわらず、なぜ竣工検査を合格させたのか、実際チェックしたのか、そのような高度な技術力があったのかなかったのか、あらかじめ予断があり、まさか自重で崩落するなどとは考えず黙認したのかなど、県及び港湾空港局の甘い判断がなぜ起こったのか、そしてその甘い判断を引き起こした原因を最高責任者の知事はどのように考えておられるのか、お伺いします。

 第11に、以上のことから、このたびの朱鷺メッセ連絡橋崩落事故は、県民の財産を危うくするばかりか、県民の命をも粗末に扱った、あるいは県民をモルモットに使ったとも言える重大な事件であると断ぜざるを得ません。もし人が通行中なら大惨事でした。想像するだけでもぞっとします。残って現在使用している連絡橋の安全性や信頼性も根本的に崩れたと判断できます。したがって、崩落橋や駐車場への連絡橋には支保工があるから大丈夫だなどと漫然と連絡橋を使用するのではなく、特に道路をまたいだために支保工が少ない連絡橋の通行を直ちに禁止し、使用を禁止すべきではないかと思います。知事の御所見をお伺いします。

 第12に、9月定例会でも、「施設の設置責任者という立場から、落下事故が起きたという事実に対しまして、責任はあると受けとめているところであり、今後事故調の事故原因が究明される中で、設置上の責任などについては検討されることとなる」と答弁しております。県は、何度も言いますが、発注者であり、事実上の建築確認を出した本人であります。数々の設計変更も技術能力のある職員がチェックしていたと答弁し、しかも竣工検査も行い、合格させた主体であります。その県によってチェックされてきた朱鷺メッセ連絡橋が落下し、しかもこのような重大な事件に発展した以上、事件の真実を一日も早く解明し、説明責任を果たすのは当然でありますが、この事件の最大の被害者は県民です。その県民の税という信託財産を受託している知事の受託責任は極めて重いことから、その責任は免れない。知事はどのように責任をとろうとしているのかお聞かせ願いたい。 以上で終わります。

 

◎知事(平山征夫君) それでは、佐藤議員の一般質問にお答えいたします。

 一般質問と言うには余りにも技術的で、なかなか難しいのですけれども、できるだけ真摯に答弁したいと思いますが、その前に、先ほど9月定例会での私の答弁に対して、逃げであるとかはぐらかしであるという御批判がございました。そういうつもりは全くございませんでしたし、かつまた、読んでいただければそういう答弁になっていないと思います。余りにも技術的な問題を一方的に質問されて、事故調査委員会の調査のまだ途中であるのに一定の方向で結論を出させようとする、そういうふうにしかとりようのない質問でありましたので、私としてはきちんとした調査が出た後で判断しましょうと申し上げたわけでありまして、そのことをもって逃げとかはぐらかしという表現は当たらないと思います。強く私としては抗議したいと思います。

 それから、朱鷺メッセ連絡橋の落下事故の関連資料の公開ということですけれども、現在、事故調査委員会が事故の原因の究明に鋭意取り組んでいるわけであります。調査に支障を来すおそれがある資料については、非公開の取り扱いとしているわけであります。

 なお、事故調査委員会では、調査も一定程度進んでおりますので、検討が終了し、今後の調査に支障のない資料については、逐次県のホームページや行政情報センターで広く情報提供を行っております。調査結果が出た段階においては、一連の資料を原則一般に公開するということで考えております。

 また、この公開についても、ここまで開示したという例はむしろないと、画期的だという評価もいただいております。建築関係者の方からいただいておりますけれども、この事故の利害関係人と一部の関係者からは、全般には高い評価を受けていますけれども、情報公開が不十分であるという評価といいますか、御不満も出ておるわけでありまして、やはりそこにおいて今回の御質問との関係もあるのだろうと思います。

 調査に当たって、あらかじめ丸山委員長からも言われたのですけれども、阪神・淡路大震災の際の高速道路の転倒においても、いろんな利害があって、それぞれの立場からいろんな想定なり事故の原因についての分析が出ますけれども、そういったことはそれぞれの立場が関連しますので、客観的に事故調査委員会が中立の立場できちんとした調査をした結論を信用してくださいというふうに私は言われております。いろんな意見が既に設計者、それから施工者、あるいはいろんな専門家から出ておりますけれども、それぞれ含めて委員会できちんとしたそうしたことの異論に対しても議論できるようにしながら、事故調査委員会の結果が出ることを私としては期待しているわけであり、そのことについても真摯に受けとめたいと思います。

 きょうもたくさんの分析の結果をいただきました。最終的には施工業者には責任がないという、設計者に責任ありということのようにも受けとめましたけれども、そのことも含めて事故調査委員会の方の結論を待ちたいというふうに思います。

 連絡デッキの復旧についてお尋ねがございましたけれども、事故調査委員会の最終的な検討結果を踏まえて、このことについての対応の必要性を判断することになるわけであります。安全の確保を第一に、費用とか技術的問題も含めて十分に検討して、極力早期に全体としての安全な連絡橋の通路機能の復旧・確保に原則的には努めてまいる所存でございます。

 それから、連絡デッキの安全性等についてでありますが、これも事故の後にどういうふうに対応すべきか、そしてそのポイントは安全かどうかということにあるということで、委員会のメンバーの方々に検討をお願いいたしました。そして、事故調査委員会から使用に問題はないとの見解を受け、施設設置者としてなお一層の安全を期して支保工を設置し、使用の継続をしているものであります。

 なお、今後については、事故原因についての調査委員会の最終的な検討結果、そして同委員会の意見を聞いた上で必要な措置を講ずるなど、適切な対応をしてまいることになるわけであります。

 また、事故に対する私の責任ということですが、これも繰り返してお答えしているとおり、私としましては、事故が発生したという事実、メッセ施設への信頼が低下したこと、そしてあわせて施設を利用される方にも不便をかけている等々ありますので、施設設置者としてまずおわびを申し上げた次第であります。

 また、事業の実施に当たって、担当の職員は発注から検査まで所定の手続に従い対応してきたというふうに考えておりますけれども、その過程でこうした問題が発生する原因が県側になかったのかどうか、問題点があったかどうかについては、その責任も含めて、今、徹底した調査を指示しているところでございまして、その検討結果については、調査過程等も含めて公表することにしている次第であり、私自身の責任については、その調査結果によって判断したいというふうに考えております。以上です。

 

◎港湾空港局長(武藤克己君) それでは、技術的な御質問5点について、私の方でまとめてお答えさせていただきます。

 朱鷺メッセ連絡デッキの定着部、上弦材及びPC床板の構造設計についてでありますが、事故調査委員会では、これまでの検討により、斜材ロッド定着部の破壊により連絡デッキの落下に至ったとほぼ特定し、落下プロセス等について最終的な詰めを行っているところと聞いており、その中で落下に至った原因についても特定されると考えております。

 議員御指摘の部分が落下の主な要因となったかどうかについても、事故調査委員会の報告書で明らかになるものと考えております。以上です。

 

佐藤浩雄君 余りにも質問に1つも答えないであきれています。

 まず、事故の最大の被害者は県民です。したがって、県民に情報公開を適切に行わなければ、説明責任はもちろんのこと果たされません。私に、しまいには朱鷺メッセのビル本体は大丈夫なのですかなんていうことを聞く人すら出ているのですよ、現在。そういうことが出ていることは、いかに情報公開が不適切に行われているかということの証左であると私は思います。

 ホームページで出されているのは一般事項と使用材料の許可応力度だけで、2ページだけですよ、そこに書いてあるのは。あとは一切構造計算に係るのは出ていないのです。そういうことで情報公開と言えますか。

 そして、丸山委員長の記者会見はホームページに出ていますが、今回まで7回出ているのですが、核心に迫る6回目のところでは、いわゆるコンクリートの耐久力は80〜85%というふうに出ているのですが、第6回目はそうですが、次の回の第7回目ですが、今度は70〜80%というふうに言っているのです。それは、建設業界紙で一問一答のところに見たらずっと出ています。しかし、肝心の県のホームページにはそれはないのです。

 そういう意図的な、私はこれを見たら意図的だと思います。そういうやり方では、明らかに情報公開になっていない。ここがまさに核心部分だと言っておきながら、変更も出ているわけです。そういうことでは、ある意味では県民を情報操作しているのではないかなとさえ思いますよ、そんな悪い意味ではなくて。

 そういう意味で、今回の情報公開のあり方は、特に今回の事故の場合は、情報公開のいわゆるおそれ規定に規定されるようなものではないのです。それは、どう解釈するかはいろんなことがあるでしょう。しかし、公開すれば、そのことによって何かになるというおそれはないのです。そういう情報公開の原則からすれば、基本的に全部出すべきではないのですか。私は、知事の先ほど言った解釈はちょっと理解できない。そういう意味で、もう一度再答弁願います。

 それから、構造計算書の数々の疑問と安全性ですが、上弦材が太いものに計算されていたとか、あるいは斜材ロッドが最大荷重に耐え切れないのがちゃんとそこの、県のホームページの比較ですよ、こんなのは。それから、いわゆる119.6トンの耐久力では127.5トンの最大荷重に耐えられないこととか、そんなことはみんな丸山証言から出ているわけです、ホームページから。それから、もし実際使われている54ニュートンの最大耐久力を、私は100トンとしましたが、最高115トンまで持っていったって、実際は80トンでしかありませんから、やっぱり自然落下しますよ、82.2トンで。これは皆さん方が出していることなのです。そういうことからすれば、必ず落下するのですから。一定の時間がたてば自然落下する、そういうことを丸山委員長ははっきり記者会見で言っていますから。

 ここに写真を持ってきましたけれども、見てください。全部のスパンに支保工を入れて、異常ですよ、こんなことをして。そういうことまでやって支えているのではないのですか。まして、入り江側の1本だか2本しかないこのような格好で安全なのかどうなのかということを本格的に調べなければならないでしょう。もし言うのであれば、ちゃんと科学的に計算をして私たちを納得させてください、それほど言うのなら。何も答えていないでしょう。我々を科学的に納得させれば私は文句を言いません。何もそういうことを説明もしないで、公表もしないでやれますか。したがって、もう一度その点をお伺いします。

 それから、県の発注、完成品のチェック、建築確認、設計変更チェック、竣工検査の内容ですが、そのチェックが幾つか出ているのに、ほとんど残念ながら見落としてきたという結果がある。そういうことからすれば、どこに原因があったのですかということを聞いているのです。そのことには答えていないわけです。私は今ここに持ってきましたけれども、図書館へ行って万代島開発部所の名簿をずっと最初から調べてきています。そこには残念ながら、平成5年は3〜4名ですか、から始まって、まともな建築の技術者は1人ぐらいしかいないのではないですか、実際。そういう体制とか、何か問題があるのであれば、そういう……

 

◎知事(平山征夫君) 再質問にお答えしたいと思います。

 情報公開について、先ほど来私の申し上げたのが全く不本意であるということでありますから、具体的にどの資料についてどういうふうに要求があるか、我々の方から言えば、事後的に差し支えない段階で原則すべて公開しますと言っているわけですから、それまで待てないのか待てるのか。そして、今欲しいのであれば、情報公開請求を出していただいて、情報公開の審査にかけたいというふうに思います。原則的には、我々はすべて公開していくということを申し上げております。

 なお、事故調査との関係で支障を来すおそれがある資料についてということで、委員会の方との調整において判断を、第一義的には委員会が判断して、県の方が最終的に判断しているようでありますので、そのことについてもできるだけ、支障があるという場合でも、支障がなくなった時点で直ちに、できるだけ速やかに公開するようにということを私としては指示をしているところであります。行政情報センター等でもやっているわけですので、もしこういうものが本当に必要であるということであれば、情報公開請求を出していただきたいというふうに思います。原則的には、今申し上げたように一般公開をするということで対応したいというふうに申し上げている次第であります。

 それから、きょう出されましたたくさんのそれぞれの問題について、この場で私の方からなり局長の方から一つ一つについて答えがないということに対して、極めて強い不満が出ているようでありますけれども、もしそうであるならば、この問題について事故調査委員会の方で答えられるものについては、まとめて答えさせていただく方が正しいと思いますので、そしてなおかつ事故調査委員会において、こういう疑問とか指摘があるということを前提に調査については進めていただくよう、私としては指示をしたいというふうに思います。

 本会議においてここまで技術的な問題について知事なり局長に答弁を求めるということが果たして適切かどうかについては、私としては必ずしもそのレベルで答えるには、先般の9月定例会のときにも申し上げたのですけれども、調査の途中において、先行して細かい具体的なその原因についての議論をすることはふさわしくないのではないですかというふうに申し上げたわけであります。そのことについては、現時点においても、きょういただいた相当たくさんの質問については、私としては同様に思っている次第であります。

 責任については、先ほど申し上げました。

 それから、連絡橋については、事故調査委員会の方に十分そのときに検討いただいて、問題ないということで、支保工については念のためということで、使用の継続をしているところでございます。

 責任についての先ほどの答弁が不満のようでありますけれども、事故調査委員会の検討の結果を受けて、きちんとした責任の果たし方については考えたいと思います。以上であります。

 

◆佐藤浩雄君 私はいきなり質問したわけではございません。それこそ微に入り細にわたり全部お話をして、技術的な問題だから、なおさらのこと時間をとって詳細に、それこそ答弁者が困らないようにやったはずです。時間もとったはずです。そんなことを言われる筋合いは何もない。

 まして、これだけ多くの具体的に皆さん方が公表しているホームページ上でも矛盾が幾つもあるわけです。そういうことを指摘しているのに、そのことに答えないというのはわからない。例えば知事、斜材ロッドを皆さんがホームページに、あなたが出しているホームページにちゃんと矛盾があるのです。127トンの荷重なのに、実際は103.66トンしか引っ張り力に耐え切れないと出ているのです、その2ページ目のところに。それに答えないのですか、自分で出しておいて。答えていないでしょう。そういうやり方ではまさに不誠実です。そういうことを言うのです。

 だから、開き直って情報公開手続をやれなんていう、そんな答弁はないでしょう。説明責任は、私に対する問題もあるけれども、そうではない。県民みんなに対する説明責任をどう果たすかというのは、情報公開はそのためにあるわけでしょう。したがって、ホームページやいろんなところで知事がお答えすることが、今議場で答えることが県民に対する説明責任なのです。答えないで何を言っているのですか。そういうことでは困る。今まさにここで答えてほしいのです。そういうことを望みます。

 それで、知事、最大の被害者は県民なのです。現在残っている連絡橋は危険で、安全でないのではないですか、このぐらい幾つも、10も20も。斜材ロッドの関係だって、これだって危険ではありませんか。そういうことを今も安全だと言うのなら、科学的根拠を示してください、知事。何も説明してないではないですか。どこかの首相に似ていますよ、あなたは。そういうことをちゃんと科学的に説明をして、私たちが安心できるというのであれば、私は安心します。そういうことをしないでやっていられたら、私は実際納得できない。今の知事の答弁は、私は納得できない。したがって、もう一度答弁をお願いします。

 

◎知事(平山征夫君) 再々質問にお答えします。

 情報公開責任を果たしていないということについて御指摘がありましたけれども、先ほど申し上げましたように、私どもとしては調査に支障を来さないようにしながら、その役割が終わったものから順次公開し、一般的には全面的に公開しましょうと言っているわけです。そのことについては一般的に、先ほど言いましたように、建築関係者からもここまで公開していることについては評価するというふうに一定の評価をいただいています。そのことにおいて、一般的に県民に求められている情報公開については、私は責任を十分果たしているというふうに理解しておりますし、そうだと思って答えているわけです。御自分の中で、そのことにおいて足りないとか、あるいは待っていると、一定の構造分析において資料が足りないから欲しいというのであれば、請求してくださいと申し上げたわけです。おかしいでしょうか。そういうことです。当然の論理だと私は思っております。 県民が被害者、それは当然です。佐藤議員だけが理解しているのではなくて、私も同様の理解をしています、そのことは。

 それと、先ほど来出ている問題は、既にこれまでの分析の中で議論になっている部分が幾つも含まれています、御指摘になったところは。それは承知しています。数字も出ています。委員長からも途中経過の報告の中で、いろいろな分析の過程において、こういう数字が途中でこうあったのがこうなっているとか、だから問題は荷重がどうだと。しかしながら、最終的な結論が出るところにおいて、本来の結論としての価値を持つわけでして、調査の途中における御質問でございましたし、技術的な問題でした。御指摘のようにあらかじめいただいたことも事実です。しかしながら、今ここで、この質問に一つ一つ答えていくことが最終的な結論が出ていない段階において適当であるかどうかについて判断したいところであります。その点についての御理解を賜りたいというふうに思います。

 

◎港湾空港局長(武藤克己君) 指さされましたので、お答えします。

 先ほど、あらかじめ質問を提出したとおっしゃいました。確かにいただきました。そこで、私の方では、これは本会議で質問すべき事項ではないと、ですからまともなお答えはできないということで、財政調整員を通してお話ししたはずでございます。(発言する者あり)したがって、どうして1カ月待てないのか。今、事故調査委員会で調査しているのです。先ほど議員も……(「質問権を制限する気かね」と呼ぶ者あり)そうではなくて、議員も先ほどお話しになりましたように、先ほど質問の中でおっしゃいましたように、さきの定例会で私が情報公開の質問をしたら、その結果情報公開が進んだと。それだけ議員はお力のある方であります。したがって、今、公正な第三者機関である事故調査委員会が調査を進めております。その結果が出る前に、どうしてこの時期にあえて質問なさらなければならないのか。調査結果が出た後、疑問点があれば質問いただければいいということを申し上げておきます。

 

 

(以上の議事録は新潟県議会ホームページより2004年3月6日にダウンロードして抄録した。 )

 

 

 

新潟県議会の朱鷺メッセ落橋事故関係審議記録(3) 平成16年2月定例議会

平成16年2月23日

平成16年2月定例会提出議案知事説明要旨

  平成16年2月定例県議会の開会に当たり、私の所信の表明と提案する議案の概要を申し述べ、議員各位及び県民の皆様にご理解とご協力をお願い申し上げたいと思います。(中略)

次に、県政を巡る主な動きについて、ご説明いたします。

 はじめに、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故に関しましては、県の代表的な施設の一部において、このような重大な事故が発生し、県民の皆様にご迷惑をおかけしましたことは、誠に遺憾であり、施設の設置者として、責任を痛感いたしております。

 本事故については、去る1月19日に事故調査委員会から事故原因等について調査報告をいただき、1月26日には事故調査班から調査委員会報告に基づき、事故原因と責任の所在について報告がなされたところであります。

 それによれば、直接の落下原因の責任は、県にはないものと考えられますが、複雑な発注形態をとるなど、工事発注者としての配慮が欠けていたことのほか、建築行政を執行する県が設置した構造物として、安全確保上、必ずしも十分なチェック体制や手続きが取られていなかったことは、極めて遺憾であります。

 これらを総合的に判断いたしまして、私については、給料減額10分の2、2月、副知事については、給料減額10分の2、1月の措置を講ずることとし、関係条例を本定例会に提案しております。

 県といたしましては、委員会報告等に基づき、事故発生に責任のある者に対し、建設費用や復旧経費など損害賠償の請求に着手したところであり、今後精力的に交渉を進めたいと考えております。

 次に、連絡デッキの復旧については、調査委員会から、「補修や補強工事を実施しても、長期的な安全性に問題が残ることから、全ての区間を新設すべきである」との提言をいただいており、私としましては、通路機能の復旧については、最初の計画どおり復旧することが基本と考えておりますが、一方において損害賠償請求の交渉も行っていることから、その状況も勘案しながら復旧方法・時期について決定したいと考えております。

 また、現在供用している入江側及びアトリウム前両連絡デッキについては、委員会報告において「当面は支保工の設置と観察を継続した上で使用するが、すみやかに斜材ロッド定着部の補強を適切に行う必要がある」と提言されており、県といたしましては、両デッキが瑕疵担保期間中であることから、施工者に対し、早期に補強工事を実施するよう修補請求を行ったところであります。(後略)

 

平成16年2月23日

建設公安委員長 柄沢正三 報告

  建設公安委員会における12月定例会以降の調査経過について、御報告申し上げます。

本委員会は、昨年8月26日に発生した朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故について、9月定例会及び12月定例会において事故に対する調査を重ねてきましたが、去る1月19日に朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会の事故原因調査結果報告が取りまとめられたことを受け、1月26日に会議を開催し、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故に関する調査を行ったものであります。

最初に新潟県議会会議規則第17条の2の規定に基づき関係人として招致した朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会の丸山委員長から事故の概況について、連絡デッキ崩壊の原因について及び残りの連絡デッキの扱い等について、港湾空港局長から損害賠償請求等について、復旧工事について、県の責任について及び今後の改善方策等についてそれぞれ説明を聴取し、次いで、関係人に対する質疑を行い、引き続き、港湾空港局に対する質疑を行いました。

 まず、関係人に対し、質疑が行われた主な項目について申し上げます。

 

1 調査の過程で寄せられた委員会の中立性などに対する様々な意見等への対応方針について

2 施工業者が行った定着部の耐力に係る実験結果を採用した理由について

3 破壊の起点を斜材ロッド定着部と特定した理由と破壊の主因を斜材ロッド定着部の設計耐力不足と特定した理由について

4 第1回目のジャッキダウンが事故発生に及ぼした影響の有無について

5 朱鷺メッセ立体駐車場連絡デッキ整備事業における実施体制の問題点と関係者の責任に対する見解について

6 連絡デッキの分割施工による問題の有無について

7 各事業関係者の技術レベルに対する見解について

8 構造計算書がない段階での工事発注に対する所感について

9 現在供用中の入り江側とアトリウム側の連絡デッキの安全性に対する見解について

10 コンベンションセンターの安全性に対する見解について

11 連絡デッキの復旧方法について

12 事故調査委員会の提言において最も重要と思われる事項について

 

 次に、港湾空港局に対し、質疑が行われた主な項目について申し上げます。

 

1 事故調査委員会が調査に用いた資料等の公開に対する考え方について

2 事故に関する県の責任等の県民への説明方法について

3 発注者である県が事業関係者の責任を調査することの是非について

4 事業関係者の責任の割合に対する見解について

5 事故に関する損害賠償請求等に対する考え方と今後の見通しについて

6 連絡デッキの構造形式の採用に至る経緯について

7 構造計算書による安全確認を行わずに新潟市へ建築基準法に基づく計画通知を行ったことに対する認識について

8 設計変更時の関係者間の連携状況と各関係者の果たすべき役割に対する認識について

9 設計関係者の業務分担と連携状況について

10 事故発生に影響を与えたとされている第1回目のジャッキダウンに至る経緯について

11 県の事業実施体制の問題点の有無について

12 連絡デッキを三工区に分けて発注した理由について

13 構造計算書の有無と安全性の確認状況について

14 現在供用中の入り江側とアトリウム側の連絡デッキの補強に係る対応方針について

15 コンベンションセンターの安全性に対する見解と安全点検を行う必要性について

16 連絡デッキの復旧に関する検討状況について

17 現下の厳しい財政状況下で連絡デッキの復旧を急ぐ理由について

18 連絡デッキの必要性を再検証する必要性について

19 事故調査委員会の県への提言に対する対応方針について

 

 次に、調査の過程で述べられた主な意見について申し上げます。

 

1 公共工事の発注に当たっては、複雑な発注形態から生じた責任の不明瞭さにより、関係者間の共同作業が円滑に進まず、相互チェック機能が働かなかったことが発注上の問題点として指摘されているので、同種の事故の再発防止に向けて関係者間の協同体制の構築が容易となるよう、発注形態等の改善に早急に取り組むべきとの意見。

 以上をもって報告といたします。

 

平成16年2月27日

建設公安委員長 柄沢正三 報告

 建設公安委員会における付託議案のうち、第50号議案の審査結果について、御報告申し上げます。

 まず、議案採決に先立ち、各党党議結果の報告を求めたところ、各党とも原案賛成というものであります。

 次いで採決を行い、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 以上をもって、報告といたします。

 

代表質問

高橋  正 (自由民主党)     4 朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故について

 

小山芳元 (社会民主県民連合) 5 朱鷺メッセ連絡通路落下問題について

 

(以上(3)の議事録は新潟県議会ホームページより2004年3月7日にダウンロードして抄録した。)

 

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