平成15年9月新潟県議会 建設公安委員会・連合委員会議事録抜粋    040322 加藤光一

平成15年  9月定例会 建設公安委員会 平成15年10月2日

○委員長 これより、建設公安委員会を開会いたします。

 会議録署名委員は、先例により、私から指名いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

 (「異議なし」との声あり)

 御異議ないようでありますので、三林碩郎委員と市川政広委員にお願いいたします。

 次に、各部局の審議順序でありますが、このたびは、港湾空港局、企業局、土木部、公安委員会の順とし、審議日程は、本日は、港湾空港局及び企業局、明日金曜日は、土木部、6日月曜日は、公安委員会としたいので、御協力願います。

 次に、採決の時期は、議案については党議終了後、陳情については、方針の出るものはその都度方針を出し、採決は党議終了後に行います。

 これより、港湾空港局関係の審査を行います。

 まず、配付資料について、説明願います。

 

      港湾空港局長 (別添「朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査報告(経過報告)」及び「航空路及び航路の動向について」に基づき説明)

 

○委員長 これより、ただ今の説明と前定例会における委員会の要望・意見に対する処理状況及び付託議案等について、一括して質疑を行います。

 

◆佐藤純委員 おはようございます。この朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故ということに関しては、本会議の一般質問等々でも議論をされ、また部長の方もお話しをされたということで、あまり長ったらしく聞いても仕方のない話ですし、現に起こってしまったことであります。朱鷺メッセというのは環日本海の中でシンボルということで県が作り、そしてまた我々議員もこれを見守っていると。この現実というは、もう目を背けてはならない、これは事実だと思っております。そしてまた、この橋が落ちてしまった、これも考えられない、これも当然わかります。ただ落ちてしまったことは、これは事実でありますし、現に起こってしまった。これは当然この報告書によって、今現に調査を続けておられるということでございますが、私は今回、せっかくですのでお聞きしたいのは、やはりいろいろなかたがたの質問の中でも、この朱鷺メッセ自体の信用、信頼というものが、今現時点では揺らいでいる、これは免れないことだと思います。そんな中で、例えばこの朱鷺メッセのビル自体の、例えばガラス1枚とっても、これが落ちるかもしれない。床が抜けるかもしれない、天上がどうなるか分からない、そういったことを考えると、やはりいろいろな事案を想定して、こから調査をする必要がある、また研究をしていく必要があると思います。そういうところには、十分な予算をつけてきちんと県民に説明をする義務があると思いますし、ある意味では安全宣言と言いますか、いずれにしてもそういうほかの部分に関しての設計、施工状況についての多少なりとも調査する必要があると思うのですが、その辺の見解についても、これは将来的な展望になると思うのですが、お聞かせ願いたいと思います。

 

◎港湾空港局長 ほかの施設についてのお尋ねですが、本会議でも話題になりましたのが、同じような構造をもつ入り江側の歩道橋といいますか、その2橋について安全かどうかという御議論もございました。それについては落下した時点で調査しておりまして安全だと。それから、補強筋が十分かどうかという疑念が出まして、それを受けて改めて調査しました。それで通行に支障はないという御判断をいただいたのですが、このようなことが起こってはならないということで、念には念を入れるという形で補強しております。

 それ以外の、今おっしゃったような朱鷺メッセ本体、連絡橋ではなくて本体にかかるものはどうかというお尋ねですが、これにつきましては、知事も昨日答弁されたと思いますが、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会の中でまたこの点について若干問題があるなり瑕疵(かし)がありそうだというお話があった時点で、遅滞なく対応していきたいと考えております。

 私どもとしましても、今回は信じられないような事故が起こったのですが、これが同じようなことがもう一度起これば本当に大変なことになりますし、そんなことだけは絶対に避けたいということで、安全を旨として今後も対応していきたいと考えております。

 

◆佐藤純委員 よく分かりました。これは当然の御見解だと思いますし、しかるべき対応を執られるべきだと私も思います。すべての部分にわたってこの朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故については、十分すぎるほど議論もされております。そしてまたこれは経過報告であって、結論ではないというのもよく分かります。だからこそこの調査、そしてまた経過というものを踏まえ慎重にこれからも進めていくべきだと思いますし、これ以上の質問といっても、特にはないのですが、いずれにしてもこれは私の考えでありますけれども、先ほども申しましたとおり、環日本海におけるシンボルである、そしてそれを位置づける設計者、施工者、そしてまた管理される県、そして議員の立場としてもこれはどうしても目を背けてはならない、すべてにおいて責任を感じていかなければいけないことだと、私は思うのです。だからこそ執行部の方としても、これからも情報の開示というものを、是非ともオープンにディスクローズしていただくようにしていただきたいのが一つと、やはりこれからも慎重な対応を執っていただきたいということを含めまして終わります

 

◆小川和雄委員 今ほど佐藤(純)委員から話がありましたが、一言お聞かせいただきたいのですが、私は、この工事の施工、そして設計をされた業者の皆さんは、皆さん方からすると超一流のかたがたということで発注をされているのだと思いますし、私もそういうかたがたからしていただいたのだろうと思っております。そして、我々にするとあまり難しい構造物ではなく、案外単純な連絡デッキではないかなと思っておりますが、本州四国連絡橋のようなああいう大型のものであれば、あるいはということが考えられますが、今の連絡デッキを見た場合、なぜ落ちたのだろう、こういうことは新潟県民は皆さん一様に考えておられるのではないかと思っております。

 そこで、まず1点お聞かせいただきたいのですが、株式会社槇総合計画事務所というところに工事監理をお願いされておりますが、新潟県内でこの設計事務所が今まで過去にどのような工事を設計をされたのか、あるいは監理をされたのか、その点をお聞かせいただきたい。

 

◎副局長 県内の実績についてのお問い合わせですけれども、あいにく今、手元に資料がございません。このコンベンションセンターに関しましては、コンベンションセンター本体の基本設計等の設計を槇総合計画事務所は実施をしております。

 

◎港湾空港局長 県内では実績はありません。

 

◆小川和雄委員 私は県内に実績のないような、これは言っては悪いですが、設計事務所に、なぜ発注されたのか。私も糸魚川市の財政課長をしていていましたが、発注業務をやるときは、どういう実績があって、この地域の中でそういう実績があって皆さんが認めた、すばらしい設計であるということがあって、初めて指名をしたり、委託をしたりするのではないかと思っております。私も長い間やりましたけれども、槇総合計画事務所というのはあまり聞いたことがない。そんなことでまず端を発したのではないかと、こう思っております。

 どちらかというと設計の方に大きな問題があったのではないか。工事施工でわずか 235メートルくらいのものを、今、第一建設工業株式会社ほかJVのかたがたがやられたと言っておりまして、あれだけの単純なデッキが落下するなどということは、だれも考えない。恐らく局長も考えていなかっただろうと思います。新潟県民 240万人も恐らくそうだろうと思っておりますが、起きてはならない事故だと、簡単には言っておられますが、私はそう簡単なものではない。建設業界全体の威信をかけた問題になるのではないかと思っております。そんなことで、昨日の連合委員会、一昨日の本会議、一般質問でも、大変極端な発言もございました。県から1円たりとも出してはならないという話もありましたが、これは延びれば延びるほど、そういう話が出てくるだろう、こう思っています。そこにまた投資をすることによって、それでなくても、今公共事業を3パーセントあるいは5パーセント削減すると、そうするとほかのそれぞれの市町村が実施しているものが、中止されるのではないか。あるいは削減されるのではないかということで、この問題についてもきゅうきゅうとして目を向けていると思っております。そんな関係で、お聞きいたしますと非常に残念ながら新潟県内では設計の実績がない、そういうかたがたをなぜ指名されたのか、ここも非常に疑問でございます。

 もう一つは、ここから受けた新潟県建築設計協同組合、これはほとんど新潟県の中の特に県の事業や何かを受けてやられている業者であろう、こう思っておりまして、こちらの方は信頼に足りる設計業者ではなかったかと思っております。したがって、その設計業者の皆さん方と、工事を受けられた受注業者と、工事の完成までにどのような話合いをされて、そして安全確認をしながら工事をされてきたのか、そこら辺のチェックはしっかりされているのか、お聞かせいただきたい。

 

◎港湾空港局長 設計業者と受注業者、いわゆる施工業者の間で、意志疎通が十分行われたのかどうかということを調査しているかということと承りましたが、これについては、今、調査委員会の方で調査しておりますが、設計業者と受注業者の間で意志疎通が十分に行われていれば、事故は防げたのではないかという観点もございますので、その辺については、今特にジャッキダウン前、ジャッキダウンの際、それから二度目のジャッキダウンのとき、どんな形で設計業者、受注業者、あるいは今前段でお話の出ました株式会社構造設計集団SDGを含めて、どんな関係にあったかというのは、今、その辺も非常に注目される点ということで、調査委員会の中で、十分に調査しているところであります

 

◆小川和雄委員 私も発注業務をずっとやってまいりましたので、特に入札執行しまして、受注業者が出た場合は、そのかたがたに特に設計の担当課と十分協議をしながら間違いのない施工をしてほしい。飽くまでも設計をやって工事現場でその仕事をやった場合どうしても設計どおりにはいかない、そういう場合は設計変更をするなり、あるいはそれをどうすればいいかという論議を、当然両者で積み上げていただいて、そして安全第一で工事を施工していただく、これは常識的だろうと思っております。今、それも調査中だということでございますから、やはりそうなりますと、監理監督をされてきたかたがた、そして、局長にこんなことを言っては酷でございますが、発注をした皆さん方としても、そこら辺をきちんと注視してやってこなかった責任の一端はあるのではないか、こう思っております。

平山知事がビッグスワンと朱鷺メッセを命を懸けてやってきた大プロジェクトだと、この仕事で、言い換えれば我々市町村の仕事は大分ダウンされてきている。ここに 600億円以上の投資をしてきたわけでございますから、それがこのように汚点がついたということは、非常に平山知事にしても残念なことであろうと、昨日の連合委員会でもあれだけ責任追求されている姿をみても気の毒だなと、こう思ったり、あるいはもう一つは、少しは気の緩みがあったのかなと、そんなふうにも感じているわけでございますが、いずれにいたしましても皆さん方から、一日も早く原因究明をしていただいて、県民に知らせるべきであろうと思っております。

 いつも県の職員の皆さん方の技量、大変高く評価しているのですが、土木検査官だとか、建築工事検査官がおられるわけですが、そういうかたがたは、できてきた設計書をチェックしなかったのか。全く第三者に委託をしたからそこは手を加えなかったということになるのか、設計の関係のかたがたはどういうふうに、これについて携わってきたのかなという疑問もございます。しかしこのことは、ここで申し上げてもどうにもなりませんので、これ以上申し上げませんが、是非とも、今ちまたでは連絡デッキを片づけたと、連絡デッキを片づけたために証拠が隠されたのではないかという話もしていると聞いております。そんなことは決してない。早くあそこを整理して、駐車場として機能するようにということで、皆さんが取り組まれたと理解しておりますし、そうであろうと思っております。いずれにいたしましても早期にこのことを決着を見るように、そして県民の負担が1円でも、できればないようにお願い申し上げて、私の質問は終わります。

 

◆三林碩郎委員 今の朱鷺メッセの件ですが、報道によりますと設計にないロッドが加工されたと、その業者が別の業者で無償で追加工事が行われたのではないかという報道がされているわけでありますが、調査中だということでありますが、私は確認したいのです。これは、ロッドが設計にないのが追加されてあったのですか。それともロッドが補強されてあったのか、この辺の事実、これを調査中ということですが、発表できれば御答弁願いたいと思います。

 

◎副局長 今のロッドの変更の件でございますけれども、先ほど御説明をいたしました経過報告書の8ページをお開きいただきたいと思います。そこの中に36メートルの連絡デッキの整備を、福田・東急・丸運特定共同企業体が行ったわけですけれども、その中で一番最後の行にありますけれども11月6日に入江側のR22−R23の斜材を、引っ張り材でございますけれども、一部積荷重の条件設定によっては圧縮を受けるということで、圧縮材としての補強を実施しております。この実施につきましては、設計者から施工者に対して指示がなされております。

◆三林碩郎委員 そうすると、これは設計者から指示がなされて補強されたということですよね、事実的には。そうするともうこの時点で危ないなというものが、設計者が予知したと言いますか、設計上まずかったなと認知したということになるのかなと、経過を見まして、そうすると設計業者が設計に極端なことを言いますとミスがあって、強度に問題がありと、よってこのロッドを補強せよという指示をしたということは、その時点で危険性を十二分に承知して認知したと、そして改めて発注したということだろうと理解せざるを得ないだろうと思うのです。先ほど、小川委員から話がありましたが、要するに変更せざるを得ないような積算のミスと言いますか、しなければならない事実を知ったわけでありますから、そのときに設計変更するなり何かすべきではなかったのかなと、素人でありますが、そんな具合に感ずるのですけれども、そのあたりの見解はいかがですか。

 

◎副局長 今、詳細については調査委員会等で検討中でございますけれども、一連の施工の工区につきましては、先ほど御説明をいたしましたけれども、1回目にジャッキダウンをして、たわんで中止をして、再度やり直したということで、その時にR26に支柱を設けて補強材を入れて、そこで平成12年度の工事が終わったわけでございます。その時点におきまして、当然当初の設計と違う形で施工がされていますから、再度計算をして、それに基づいて補強材の外しでありますとか、そういった斜材ロッドの補強等について、計算をし直して、それに基づいて指示をしたというふうに考えられます。先ほどの圧縮材について補強するということにつきましては、本当にまれなケースで出てくるということで全体的な構造についての影響というのは少ないのではないかということで、調査委員会の委員長からも見解をいただいております。

 

◆三林碩郎委員 それでは、これは何で別業者にやらせたのでしょうか。ここらあたりが納得いかないのです。何でやっているのが、第一建設工業であるのに、別の業者にやらせるというのは、どういう意図があって別業者にやらせたのか。私はここがどうもおかしいのです。今までやらせていた業者にやらせないで、設計をやっている業者が、別の業者にこれをやれというのは整合性がなくなっていくのではないでしょうか。

 

◎副局長 平成12年度は事故の工区は第一建設工業が施工しておりました。今のお話は要するに平成14年度工事の中でやられた行為でございまして、この行為につきまして福田・東急・丸運特定共同企業体が実施しております。したがいまして、36メートルをつなげる工事をするわけですけれども、当然既設の構造物につなげますので、既設の構造物についても適切な対応をしないと36メートルがつながらないということで、平成14年度の施工業者が実施したものと考えております。

 

◆三林碩郎委員 単純に、私たちは素人ですが、私の家も私のところとせがれ夫婦のところが廊下でつながっていますが、それをやる時、危ないぞ、落ちるぞということで、柱を3寸のものを5寸にした。これは武藤建設に頼んだけれども、佐藤建設に頼めといって、部材を3寸を5寸にしたという話を、私が見ていたらそれはおかしいのではないか、どうしたのという話にならざるを得ないのではないでしょうか。それが何にもなくて通ってきたということが私はどうもわからないです。どういうシステムになっているのか、検査員もいるのだろうし、それが引き渡されたということですし、やはりこれは調査委員会ではっきりするのだろうけれども、非常にふに落ちない経過なんだろうと。それが積み重なってこういう事故になったのだろうという具合に思うわけであります。

 調査委員会のものは県民に広く、本会議にも出ましたが、情報を提供して、県民のいろいろな御意見があろうかと思いますが、私は大変厳しい県民の審判が下るのだろうと思っていますが、県の姿勢というものも問わざるを得ないのかなと思います。私の家であれば、やはり親父が責任を持たなければいけないですから、3寸なのに5寸が入っていたのに、分からないでもらったけれども、あとで壊れてしまったら、何で3寸のものが5寸の柱になったのだろうということが、ただどうこうということで終わってしまうわけにはいかないのではないかなという具合に思っているところでありますが、最終的に局長のこの件につきましての今後の対応について、ひとつ決意というかそういうものをお聞きいたしまして終わります。

 

◎港湾空港局長 三林委員のおっしゃるとおり、言ってみれば終わった工区に新たに別の部材が取り付けられたわけですから、非常に違和感があると言いますか、おかしな点だというのは確かであります。

 調査委員会の方もそれには着目しておりまして、なぜ取り付けたのかということはJVの方から聞き取り調査をしまして、先ほど副局長がお答えしましたように、積荷重だとかそういった点を再計算した結果、補強しておいたほうがいいだろうということでやったという報告が入っておりますが、そういった意味では確かに再計算は必要だったのでしょうが、設計がそういう形で補修を重ねたということについては、十分にこれから原因究明をしていく中で、注目に値するものだというふうに私の方では認識しております。

 

◆三林碩郎委員 その事故の因果関係というのはどうあろうとも、ただ言うように、ロットがあったりなかったりするというのはおかしいのです。先ほどから申しますけれども、自分の家に例えれば3寸の柱が5寸になっていたとか、それから入れなくていいものが入っていたという現況というのは、直接事故とは関係がないのだといってもおかしいのです。おかしいからやはりこれはおかしいぞというものは、強いて言えば、補強が取られたとします。取られたなんていえば大変な話になります。かえって大きい柱だったからよかったという話ではないと私は思うのです。やはり、もし抜かれていたならばとんでもない話だろうという話にならなければならないわけでありますから、私は直接事故と関係なくても、設計上にないものがあったりすること自体がおかしいのだろう。

 これに対しては、やはりそれとは別に、そのものについて、事故の因果関係でなくて、そうなっていたものというのは、果たしてこれでいいのかという調査もしなければならない。違った時点でしなければならないだろうと思うのですが、局長いかがでしょうか。

 

◎港湾空港局長 今、私の方で答弁申し上げましたが、やはりいったん終わった工区について、最後に再調整と言いますか、つなぐ段階であらためて積算し直して安全策も講じた上でどうしたらいいかという判断の下でなされたのだということでありますが、ただそれが本来最初からそういう形で計算してあれば、よりベターであったことは間違いありませんし、三林委員がおっしゃるように、いったん終わった工区、しかも別の業者がそれを付加したという点については、通常ではあり得ないようなことだとは認識しておりますし、先ほど申し上げましたように、その辺については調査委員会も着目しております。

 

◆青木太一郎委員 この朱鷺メッセの事故のことにつきましては、既に代表質問、一般質問、連合委員会で議論がかなり出ておるわけでありますが、今ほどもお三方からもそのことについてかなり詳細にわたって質問が出ておりますが、私も関連もございますので、この朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故について何点か御質問をしたいと思っております。

 既にこの朱鷺メッセ、今ほどもお話がありましたように、平山県政最大のプロジェクトであると同時に、総力を結集して作られ、オープン4か月目にしてこのような惨事になったということは、我々県民として考えられないことでありますし、信じがたい。そして県民として我々は本当に大きな期待を寄せていただけに、落胆を禁じえないということが、偽らざる心境ではないかと思うのでありますが、できるだけ質問の重複を避け、違った角度、視点から質問いたしたいと思いますので、なるべく簡潔に御答弁を頂きたいと思います。

 まず初めに、局長にお伺いしますが、事故の連絡をいつ誰から受けて、そして現場に行った時の感想をお尋ねしたいと思います。

 

◎港湾空港局長 私が連絡を受けましたのは、ちょうど自宅へ戻った時でありまして、8時半過ぎだったと思います。第一報がありまして、それでどうなんだと言ったら、今現場に振興課長が行っておりますので自宅にいて下さい、状況は振興課長の方から報告がありますということで、8時50分ごろだったと思いますが、振興課長の方から電話がありまして、大変な事故だということで、その後すぐ現場の方へ駆けつけたのですが、現場にまいりましたら消防車、それからレスキューも来ておりましたし、私も落ちた箇所を見ましてびっくりいたしました。極めて当たり前の感想なのですが、何でこんなものが落ちたのだということが第一印象であります。

 

◆青木太一郎委員 分かりました。それで、信じがたい状況を見られたわけでありますが、そこで知事にこの現場の状況説明をいつ説明し、その際に知事に現場の視察を要請されましたか、どうですか。

 

◎港湾空港局長 本来、今危機管理の体系からいきますと、私若しくは危機管理監の方から知事の方へ連絡することになっておりまして、たまたま私が現場へ行って、マスコミの方にも捕まってしまいましたし、それから当座の対応に追われておりまして、万代島再開発室長の方から危機管理監を通じて知事の方には連絡がいったと思います。

 

◆青木太一郎委員 次に危機管理について、局長の危機管理意識についてどのような所見を持っておられるかお尋ねしたいと思います。

 

◎港湾空港局長 危機管理意識につきましては、どういうふうにお答えすればいいのかよく分かりませんが、意識というかその場の対応をお話することで御理解いただきたいと思うのですが、とにかく現場を見まして、二次災害が起きないような形でどうしたらいいかということで、残存デッキのどうやって安全を保つか、それから翌日の交通をどう回すか、それから現場の方にいろいろと人もまいっておりますので、そこをどう危険な箇所に入らないように措置するか、安全策を講ずるかという形で、目前に今何をしなければならないかということを速やかに判断することが危機管理、与えられたケースでどういう方法を執るか、何がベターか、何がベストかということを早急に判断するということが危機管理ではないか。危機管理の最も必要な部分ではないかというふうに考えております。

 

◆青木太一郎委員 分かりました。何項目か質問しますが、簡単にイエスかノーか程度の、短く御答弁いただきたいと思いますが、皆さんこのことで質問が山ほどあると思いますから、次に設計については、今どもいろいろありました。この意匠設計が槇総合計画事務所、構造設計は構造設計集団SDGというふうに、あるいは更に新潟県建築設計協同組合や福地建築設計事務所等が担当されたそうですが、それぞれ役割分担があったと思いますが、それらについてはどのような感想をもっておられますか。

 

◎副局長 役割分担の話でございますけれども、コンベンションセンター全体については槇総合計画事務所の設計でございますけれども、連絡デッキについては別工事になっておりまして、新潟県建築設計協同組合に委託しております。その中で福地建設設計事務所が担当事務所として、意匠設計については先ほどおっしゃられたように槇総合計画事務所、構造設計については構造設計集団SDGがやっておりまして、積算関係については福地建築設計事務所の実施ということになっております。

 それで、その役割分担でこういう構造物の設計をしてきたという経緯でございまして、その辺の実際の業務については、どのような実態があったのかというのは今調査しているところでございます。

 

◆青木太一郎委員 このことについては調査中ということでございますから、これ以上申し上げません。次に、調査委員会が発足いたしておりますが、調査委員の5人の選定についての基準とその理由、そしてなぜ地元に新潟大学の工学部があり、専門の先生方がたくさんいらっしゃるわけでありますが、地元の新潟大学で適当な人材がいなかったのかどうか、その辺についてお尋ねしたいと思います。

 

◎港湾空港局長 この5人のメンバーを選定するに当たりましては、まず調査委員会が透明性があって、公平な形で御審議いただけるメンバーを念頭におきました。高い専門技術性を有しているということはもちろんでありますが、そういう観点から当事者もしくは当事者と何らかの関係のある先生方についてはリストアップした中から外していきました。そういう面では確かに新潟大学の工学部の先生で候補に上がった方もおられましたが、かかわっているというほどではないのですが、若干連絡デッキの工事とかかわりを持った先生でしたので、たまたま新潟大学の先生は外れまして、長岡技術科学大学の先生が入ったという事情はあります。

◆青木太一郎委員 それ以上は追っかけませんが、どういう理由かということをお聞きしたかったわけでありますから。

 それから社団法人日本建築構造技術者協会が新潟事故調査タスクフォースを立ち上げたわけでありますが、調査要請が再三あったにもかかわらず、その申入れを断った訳は、設計業者のメンバーが協会の役員にいるという知事答弁でありましたが、もし差し支えなければそのメンバーのお名前を公表できますでしょうか、どうでしょうか。

 

◎港湾空港局長 できれば差し控えさせていただきたいと思います。

 

◆青木太一郎委員 分かりました。いずれは何かで公表するつもりかと思いますが、今は調査中ということで、これ以上は聞きません。

 そこで、併せて港湾空港局内にも事故原因を究明する調査班が副局長を班長に設置されましたが、その構成と選定はどういうかかわりの人か、またこういう調査班はいつまで、どの時点で調査業務を終えるのか、その辺の御所見を伺います。

 

◎港湾空港局長 事故調査班につきましては、今青木委員の方からお話がありましたように、副局長をトップとしまして私どもの企画主幹、それから土木部の方から建設業室長、それから工事検査室長、それから都市局建築住宅課の技術補佐と都市局営繕課の技術補佐ということで、工事等を担当した私どもの局、それから検査業務、工事の約款を所掌している土木部、そういった観点から6名のメンバーを選定しております。いつまでということになりますと、調査班の職務としましては、いわゆる工事関係の事実関係を調査して、また第三者の委員会である調査委員会から指示を受けまして資料を整えるというような役割ですので、基本的には原因究明の調査が終了した時点で、この調査班も役目を終えるのではないかと思っております。

 

◆青木太一郎委員 次に、この港湾空港局で朱鷺メッセにかかわったスタッフはどのくらいいるのか、先般、9月12日付日本経済新聞で、検査官は一人という新聞報道もあるが、十分なスタッフで取り組まれたのか、大体県の工事は土木部の都市局営繕課が本腰を入れて担当するようなことが、過去にあったわけですが、その辺のことをお聞かせください

 

◎振興課長 今、委員が土木部の都市局営繕課のかかわりとおっしゃったわけでありますけれども、私ども万代島再開発事業を進めていく際に、今おっしゃられた建築関係でありますとか土木関係、機械関係、電気関係ということで、一つの建設に必要な技術的なスタッフについては、万代島再開発課の職員ということで、迎えてそこの中で体制を組みまして執行したわけでございます。

 万代島再開発事業につきましては、立体駐車場の基本設計、それからコンベンションセンターの本体の設計が行われていまして、それ以降平成12年度の後半から事業が本格化したわけでございまして、平成14年度まで完了ということになっております。当時の万代島再開発課の体制でございますけれども、課長、課長補佐、事業を進ちょくするうえの計画推進班を除きまして、直接施設建設に当たりました職員については、今ほど申し上げましたけれども、建築、土木、機械、電気、それぞれ関係する技術スタッフを迎えまして、平成11年度6名、それからおおむね6名から7名の体制で行ってまいりました。

 

◆青木太一郎委員 今ほど聞きますと、かなりの専門職がおったようでありますが、ちなみに今ほども申し上げましたビックスワンについては、土木部が総がかりで取り組んできたという感じがしてならないわけでありますが、なぜこんな大プロジェクトを6人、7人の体制で行ったということでありますが、それだけプロ集団がいて、先ほどからいろいろ設計ミスがあるような向きの話ばかり出ているわけでありますが、それがチェックできなかったのかどうか、私ども技術的、専門的なことは分かりませんけれども、県民として本当に不思議に思っているわけでありますが、その辺についての御所見はどうでしょう。

 

◎港湾空港局長 今、私ども調査委員会とは別に、内部で調査班がいろいろ聞き取り調査等もやっておりますが、その段階では基本的にはいわゆる発注から検査まで所定の手続に添って事務執行が行われたとは考えておりますが、結果として今御指摘のあったように、この事故を防げなかったのが、そういった私どもの検査体制に問題があったということであれば、これは制度的に見直していかなければならないと思っております。一番いい例がしゅん工検査で、目視で基本的にやりますし、あとは工事関係記録ということで、写真等をチェックして行う。そうすると、どうしても隠れた瑕疵(かし)については見抜けないというような形になっています。ですから今回も原因究明が進んでいくと思いますが、その中で検査システムそのものを見直すということになれば、それは見直していかなければならないと思っておりますが、現行制度の中では、特に所定の手続に添って行われたと判断しております。

 

◆青木太一郎委員 次に、先日の日報抄に、新潟市は負担金を出しているものの、事故の連絡は受けられなかったとの報道がなされておりますが、これは事故後かなりたってからの新潟日報でございますが、連絡体制はどうなっているのか、またいつ連絡したのか、また負担金は幾らお願いしてあるのか、差し支えなかったらお聞かせいただきたいと思います。

◎振興課長 事故発生時における連絡体制につきましては、先ほど局長の方から御答弁させていただいておりますけれども、県で定めました危機管理マニュアルに従いまして、私ども対応させていただいたということでございます。

 新潟市への連絡、それから情報提供についてでございますけれども、私どもは当時緊急の連絡に追われていたということもございますけれども、新潟市へは事故の一報は行っておりません。ただ、事故の翌日から、新潟市からの照会がございました件もございまして、私どもとしましては、情報提供や資料の提供については適切に新潟市に対しては行ってきたと考えております。

 なお、新潟市の負担という点でございますけれども、朱鷺メッセの施設全体の建設といたしまして、新潟市からは約4分の1程度。ただ、基盤整備に係る分だけでございますので、基盤整備に係る分の約4分の1程度は頂いているということでございまして、当該落下箇所の連絡デッキに相当する分についても新潟市からは負担を頂いているということでございます。

 

◆青木太一郎委員 基盤整備約4分の1、それからこの連絡デッキについてもそれなりの負担を頂いているということでありますが、これは新潟日報に書かれるようなことが実際あったと私は受け止めております。やはり、地元の新潟市でありますから、連絡を密にしていただければと思う次第であります。

 さらに、朱鷺メッセの出資金割合は全体として県、市、業者等の割合、また朱鷺メッセにかかわった業者からの出資金、あるいは寄付金が、もし差し支えなかったらお聞かせいただければと思います。

 

◎振興課長 県で整備いたしましたのはコンベンションセンターに係るということでございまして、それ以外はホテル、それから業務ビルについてはそれぞれが建設いたしておりますので、県の建設分のコンベンションセンターに係るもので申し上げますけれども、私ども、その建設費は約 287億円という形で整理しているわけでございますけれども、その中で国庫補助金、それから今新潟市から頂いた負担金というものがございますけれども、それ以外は県で負担をしているものでございます。

 

◆青木太一郎委員 業者等、いろいろ仕事にかかわった業者等が、出資金というのは私は朱鷺メッセの建築工事そのものなのかどうかは分かりませんが、我々は風聞では、1億円出したとか、いや何千万円を出したというようなお話を聞くわけでありますが、どういうところに出したのでしょうか。

 

◎振興課長 私どもの方で、今出資金と言われるわけでございますけれども、それについては、コンベンションセンターを管理運営いたしております新潟万代島総合企画株式会社というものがあるわけでございますけれども、それについては、私ども県、市、行政、それからその他銀行関係という形で出資をさせていただいておりますけれども、私が承知している段階では、建設にかかわる業者からの出資は頂いていないと把握しております。ただ、それ以外の民間の部分については私は承知しておりません。

 

◆青木太一郎委員 分かりました。県の担当の分からないことまで私らは聞こうという気は毛頭ありません。

 次に、事故後、他の連絡デッキにもサポート支柱等がなされているようでありますが、危険性があるのかないのか。さらに、先ほども話が出ておりましたが、そのほかの施設の安全宣言はできないのかどうか。それとも、補修工事が何箇所くらい必要なのかどうか、それらも併せてお尋ねしたいと思います。

 

◎港湾空港局長 先ほど佐藤(純)委員の方にもお話申し上げましたが、基本的には同種の構造物ということで、入り江側の2橋については、私どもも安全かどうか早急に確認する必要があるということで対応いたしました。そして補強筋が少ない部分という事実と言いますか、そういうものもあるということがありましたので、改めて支保工を入れたところであります。

 それ以外の施設については、基本的には安全であると。安全であると言うと言い過ぎかも分かりませんが、いわゆる落下した連絡デッキと同じような構造物ではないということで、安全であると認識はしております。ただ、先ほども申し上げましたが、今調査委員会でいろいろ、事故がなぜ起こったか調査いただいているところですが、その中でいろいろな面でこんな点も瑕疵があるよと、設計の面で瑕疵がある、あるいは施工の面で瑕疵があると、だからほかも見直した方がいいのではないですかということになれば、それは朱鷺メッセ本体の方も遅滞なくそういう形で対応していきたいと思っております。

 

◆青木太一郎委員 私らが心配するのは、やはり連絡デッキでございますが、先般、兵庫県明石市であのような事故があったわけでありますから、それを私どもは心配しているのであって、やはり県民から、あるいは新潟へおいでいただく利用者から、もう絶対に安全だという認識、やはり安全、安心、信頼というものが最高の社会福祉だと私は思っておりますから、その面について今後も調査委員会の先生方からもいろいろ御指導頂きながら、是非安全だということについても、何らかの機会にはっきりとPRすべきだと思います。

 次へいきます。先ほど斜材ロッドのことについてありましたが、床板、それから斜材ロッドの構造、設計が取り上げられておりますけれども、いつ設計されて、どこで製作されたのか。また、それは県内産のものなのか県外産のものなのか、まずお伺いしたいと思います。

 

◎副局長 斜材ロッド、床板がいつ設計されてどこで作られたかという御質問でありますけれども、発注図書で設計図として発注したわけでございますけれども、その後施工者の方で施工図というものを作りまして、これに基づいて施工するわけでございます。施工図を製作した段階で、その床板でありますとかロッドの実際に作られるものが決定しております。

 正確な日付は覚えてございませんけれども、1月下旬頃だったと思います。床板の製作については、北海道苫小牧市の株式会社JPCという製作工場で、また、斜材ロッドにつきましては、兵庫県の神鋼建材工業というところで造っていると聞いております。

 

◆青木太一郎委員 これは北海道苫小牧市のJPCでしょうか。私ども、黒沢建設株式会社の工場で作ったと風聞しておりますが、この今造られた業者は、県内に、先ほどの槇総合計画事務所と同じように県内に今までの実績等はあるのですか、この業者は。

 

◎副局長 その件については今時点で承知しておりません、すみません。

 

◆青木太一郎委員 承知していないということは、県内実績はないと理解していいですか。

 

◎副局長 承知していないという回答でございます。

 

◆青木太一郎委員 県内でできないという、県外でできたということは今ほど答弁のあったように事実だと思います。やはり県税をこれくらい投入しているわけでありますから、我々は本当は県内で製作されて、それが回り回って県内の経済活性化につながればいいと思っておりますけれども、残念なことに今聞きますと県外で造られたと。しかもその工場については県内実績がないと私なりに理解したわけですが、それでいいでしょうか。

 

◎港湾空港局長 その業者につきましては、県内実績は今こちらで調べておりますがまだ分かりませんが、全国的にはシェアを相当持っている会社です。県内実績のあるなしは分からないです。

 

◆青木太一郎委員 皆さん方が分からないものを、例えば私がその立場だったらちょっと待てよと、もっとよく調査してということで、先ほど小川委員が、自分は財政課長の時によっぱら担当したと言いますが、私もかつて町長を経験しておりますが、自分が信頼できないものは絶対にそういう指名とか仕事には参加させないという、それが我々の基本的な考えだったと思います。

 その辺、先ほどの槇総合計画事務所にしましても、県内実績はないと。皆さん方世界的なデザイナー部門の素晴らしい設計を一杯しているから大丈夫だという安心感、信頼感はあったと思いますけれども、いかんせん今の問題につきましても、県内産ではない、県内でも実績がないということに、私どもは県民としていささか不満を持つものであります。今後はこういう問題については真剣に、県の産業育成という立場からお考えをいただきたいと思いますが、局長の御所見をお伺いしたいと思います。

 

◎港湾空港局長 県内実績があるかないかという点では、今確たる回答はできませんが、私が先ほど申し上げた趣旨は、全国で実績のある会社ですので、恐らくあるとは思うのだけれども、ただ、今資料を持ち合わせておりませんので分からないということであります。

 それから、後段の県内の産業育成という観点で県内企業をという点につきましては、十分にこれからも考えていきたいと思っております。

 

◆青木太一郎委員 次に、佐渡観光が一般質問にも一杯出ておりましたが、低迷している今日、佐渡観光振興のうえにも、復旧を来年の島開きに間に合わせるべきと思いますが、これらについて、今の見通し、御所見をお伺いいたします。

 

◎港湾空港局長 佐渡の島開きといいますと来年の4月ですね。今確たる回答はできないと思いますが、スケジュールを考えてみますと、11月末に大体調査報告が出て、その後に今の残存デッキを残したうえで補修していくのか、あるいはみんな壊して新しく造り直すのか、そういったことが検討されることになると思います。工法が検討されて設計を行って着工ということを考えますと、来年4月までに新しいデッキを作り上げるというのは非常にスケジュール的にはタイトで難しいかなという印象は持っております。

◆青木太一郎委員 それではこの際、私はとんでもない提案をしたいと思います。この際佐渡汽船への連絡通路は、思い切って県産材のひのきで造るべきと思います。なぜ私がそう言うかというと、木は 100年以上持ちますし、しかも安全であり、地震対策にも私は一番いいと思います。しかも、朱鷺メッセは悪いイメージで宣伝が出されたわけでありますが、やはり新しい名物を造ることによってこれが観光名物にもなると思います。思い切った発想の転換をすることができるかどうか、お考えをお聞かせください。

 

◎港湾空港局長 確かにひのきの連絡通路というとPRするには非常にインパクトがあってよろしいかと思います。ただ、それで造るかどうかということにつきましては、いろいろ工法の問題とか、あるいはお金の問題とかいろいろありますので、含めて検討していくこととなると思いますが、一つの御提案として承っておきます。

 

◆青木太一郎委員 今予算計上をされているその何分の1くらいでいくらでもできると専門家が言っていることも付け加えておきます。

 次に、契約関係について、二、三お伺いいたします。この契約についてでありますが、工事名が万代島再開発事業立体駐車場連絡デッキ建築工事と長いそうですが、この契約日は平成12年11月13日。2億 6,460万円。その3日後、平成12年11月16日に追加1億円工事というものが契約されておりますが、これらについて、どういう経緯があって3日後にまた1億円も追加工事をするような形になったのか、その事情について御説明いただきたいと思います。

 

◎副局長 私どもの知り得る範囲では、その3日後の1億円の追加工事という事実については認識しておりません。ないのではないかと思います。

 

◆青木太一郎委員 そうすると私の取材がだめだったようです。

 平成12年11月24日、11月16日から8日後に、監督委託通知書というものがそれぞれ出ているわけですが、このことについては私は聞こうという気はありません、それがないということでありますから。

 それでは、翌年の平成13年3月1日に契約内容の変更について協議がなされたそうでございますが、そのときにこの1億円の工事が 7,574万 4,900円に変更になったと私の調査ではあるのですが、これは事実ではないのでしょうか。

 

◎副局長 先ほども御説明いたしましたけれども、平成13年3月1日には確かに3億円強の変更契約はしております。その中身につきましては、先ほどのコンクリートがらの撤去とか、地盤改良工法の変更等々でございまして、その中の項目が一部この中で処理されている可能性はあるのかもしれませんけれども、そこの1億なにがしの関係については今のところ把握はしておりません。

 

◆青木太一郎委員 それでは、後でしっかりとした資料を私に提出をお願いいたします。

 続きまして、それによって、同じく平成13年3月21日に、何かいろいろ不始末があったのでしょうか、契約不履行なのでしょうか、そのてんまつ書と言いますか謝り状と言いますか、そういうものが出ていたと私の調査であるのですが、その辺はあるのでしょうか、ないのでしょうか。

 

◎振興課長 今委員がおっしゃいましたてんまつ書については、平成13年3月21日にそれぞれ施工者と施工管理者の方から出ております。内容につきましては、先ほど副局長の方から中間報告書で説明いたしましたけれども、7ページ以降に書いてありますけれども、鉄骨の建て入れ精度の関係でありますとか、PC床板の目標値以上のたわみ量と言いますか、そういった工事上の不都合と言いますか、これに基づいて、工期が延伸した結果について出されているということでございます。

 

◆青木太一郎委員 それでは、このてんまつ書なるものは出ていたのですね。さっき無いなんて言われたからびくっとしましたけれども。

 続きます。今このたわみだとかジャッキダウンをしていろいろやり直しとか中止があったと聞きますが、そこで、同じく3月31日、工事完成期限、これについて、あと18日間延長を付与するという文書は出ておりますか。

 

◎振興課長 今ほど私が申し上げました関係の業者の方から出されたてんまつ書に基づいて、3月30日付で知事名でその履行の遅延に関する処理に基づいて通知はなされております。

 

◆青木太一郎委員 そこで、それが出ているということを聞きましたが、同じ日に、これが不思議なのですが行政ミスなのかどうか私たちは理解し難いことなのですが、同じ日付で、この建設工事請負契約にかかわる履行遅延についての通知、つまり違約金。違約金についての通知が、 6,126万 208円。これは新聞に載っておりました。これが平成13年3月31日付でしょうか。同じ日に別々の通知が知事名で出ていると、私どもの調査の結果そういうことが分かったのです。同じ日に片方は工事を18日延ばしてもいいですよという許可証、片方は違約金をと、同じ日にそういう文書が出ているのかどうか。違約金は実際にこれは新聞等に載っておりますから出たと思いますが、その辺どうでしょうか。

 

◎振興課長 先ほどてんまつ書の関連で、その処理として3月30日付で知事名の文書が出されていると申し上げましたけれども、その内容については、速やかに事業を完了するということと、違約金を県に納付するということの通知をしたものでございます。

 

◆青木太一郎委員 すみません、違約金は 612万 6,208円でありましたから、これは訂正させていただきます。

 その文書は二つとも出ているわけですね。

 

◎振興課長 先ほど申し上げましたけれども、今回の工事に関連してと言いますか、建設に当たってのそういった支障に基づいて、建設業者と業務を監理していた、新潟県建築設計協同組合でございますけれども、それぞれに出しているわけでございまして、今委員がおっしゃった 612万 6,208円というのは建設業者の関係でございまして、それ以外、6万円程度、当時工事を監理していた新潟県建築設計協同組合の方にも遅延賠償金と言いますか、それが求められているということでございます。

 

◆青木太一郎委員 最後、聞かせていただきます。調査委員会のことについてでありますが、私は調査委員会に、いろいろなアンテナを建てておきますと、アンテナ側からいろいろな音が入ってきまして、何か既に返済能力のあるところにどうも事故責任というような話を聞くわけですが、そういうことは私はないと思いますので、そのことについては私はどうなのかということは聞きませんが、最後に、副局長は土木学会の倫理規定なるものを、既にその立場におられたわけでありますが、この土木学会の土木技術者倫理規定なるものは御承知でしょうか。

 

◎副局長 承知しております。

 

◆青木太一郎委員 その技術者の倫理規定第4号のことについても承知しておられると思いますが、どうでしょうか。

 

◎副局長 その趣旨については承知しておりますけれども、細かい条文までについては承知しかねているところでございます。

 

◆青木太一郎委員 それではこれで終わらせていただきますが、いずれにいたしましてもこれは県民だけではなくして、全国民、特に皆さんの建設学会、土木学会からも大変大きな関心と、そしていろんな注文が来ているかと思いますが、どうぞ一日も早い事故解明をされまして、元の姿以上に信頼されるようなそういう朱鷺メッセ、それから発展する新潟県のシンボルタワーとしての役目を果していただけますように、御期待申し上げまして長々と質問させていただきましたが、終わらせていただきますが、最後に局長の今後の決意をひとつ聞かせてください。

 

◎港湾空港局長 とにかく、早く原因を究明して二度とこのような事故が起こらないように、もし県の方のシステムで悪いところがあればその辺も直して、もうこのような事故が二度と起こらないような形できっちりとやっていきたいと思っております。

 

◆星野伊佐夫委員 触れる気はなかったんですが、我が党からも大分質問者が出ておりますし、我が党でこれだけ出されると私が言わないとちょっとおかしいことになるものですから、ちょっとだけ質問させてもらいます。

 というのは、私たちこの計画ですね、朱鷺メッセ、この時は朱鷺メッセという名前じゃなかった。万代島再開発計画でしたが、党内に異論も多いようだけれども、お前ひとつ委員会を作って座長になって何とかまとめられないかと、こういう話をいろいろなところから頂きましたし、また党の方からも正式に任命されました、座長ということで。それで皆さん方から委員を出して10回くらいやったんでしょうか、あなた方も来ていることもある、やりました。結論は二つあったんですね。内容は触れませんが、一つは設計事務所の選択については十分経験のあるところを選ぶべきではないかと、これが1点。もう1点は、今青木委員が言ったとおり、下請けから孫請けから材料から全部、できたら県内産でやるべきだと。大分不況になってきている。我が党が皆さんに申し上げたのは、聞かれた諸先生初め皆さんおられるけれども、新潟市の玄関だというふうに見ないでしょう。新潟県の玄関だと。こういう見方で賛成しようと。これが党内最終的には満場一致を頂いて賛同して入ってきたと。

 私は5月1日の開業記念式典に自分自らも大変感動して感激して、実は出させていただいた一人でありますが、まさかこういうことが起きるなんてことはだれも思わなかった。クレーンが工事中に落ちたというニュースも入ったけれども、あれも人的被害はなかった。

 それで、私はもう質問も出し尽くしていますし、また調査中でもありますから、これ以上追求ではないんですが、今のちょっとお話しが出ました早くとにかく採算が合ってくれればいいなと、初年度も二年度も。我々賛成していったんだから、採算が合わないと平山知事も大変だなと、追求を受けるなと。その一念であった。関係者に会ってお聞きすると、うまくいくようだと、うまくいっていると、大変喜んでいたと。

 それと、もう一つ悪い時は続くんで、柏崎の美術館もいらないということだけれども、これも党内の皆さんはほとんど反対だったんですよ。三点セットいいじゃないかと。そして柏崎を中心とした、子供たちが全国でも珍しい特徴のある美術館になるんだからいいよということで賛成を申し上げていったんだけれども、これもいらないと言っているし、白紙撤回だといっているし、本当に続いてちょっと私も平山知事ばっかり機嫌が悪いんじゃなくて、どうなっているんだという気持ちはあるんですよ、全般に。

 ありますが、さっき青木委員が言われた、ここ1点なんです。いいから全部これは正しく徹底的に調査をしてもらって、責任もそうなるでしょう。それはそれとして、早く復旧しなければだめですよ。佐渡まつりだか相川まつりだか知らないけれども、ここなのです。早く復帰、だから先ほど局長が言ったように、そこだけ壊してやるのか、全部壊すのか分からないと、検討だと。青木委員からひのきでやれとかいろいろあった。早く結論を出して復旧するべきだと思います。ここに問題がある、ここをきちんと戻してやれば、本館の事業がそのまま運営できるではないですか。あなたに今日1点言わなければならないと思った。これは急ぐべき、調査は調査、責任は責任、そして早く本館を助けてやる、これが今一番。起きてしまったのはしょうがない。何百回みんなが怒ってもしょうがない。百億円積んでも戻らない。であれば次を考えなければいけないと思います。ですから、副知事や知事ともよくお話しをして、調査には影響ないと思いますよ。もしあればお聞きするし、以上で終わります。

 

◎港湾空港局長 とにかく災転じて福というほどではありませんが、とにかく起きてしまったことですので、いかに早く朱鷺メッセを元の状態に回復させて、そして予想以上に5月以降お客さんに来ていただいていますので、早く元に戻すように努力していきたいと思いますし、そういう意味では、星野委員の方からは並行してやるような形で、急げという話がありましたので、その辺踏まえて今後対応していきたいと思っております。

 

◆杉田弘美委員 大分出尽くしているようでありますし、皆さんの言われている部分での質問等があったわけでありますが、この事故に関しては大変県民の関心も高うございまして、私も関係する仕事をする人にいろいろ聞いてみましたが、だれがこうだ、あれがこうだということではなく、やはり設計段階はどうだったのだろうという意見等々も数多くあるわけでございますが、まず今ほどの質疑にない部分で、全国的につり型工法の工事というのは、どのぐらい実施をされているのか、お聞きしたい。

 

◎副局長 連絡デッキの構造につきましては、三角形の部材で構成されているトラスと、トラスのないつり型構造と言いますか、それの併用ということでございます。この構造物の特徴は斜材に引っ張り力を与えることによって、経済的な断面が得られるということで、部材にあらかじめ引っ張り力を与えて変形を制御する、そして経済的な断面を得るという工法につきましては、幕張メッセの新展示場の北ホールの屋根とか、白銀学園の廊下などがあると伺っております。しかしながら、こういったデッキのこのタイプの構造物については、類似のものがある、全く同じものがあるとは伺っておりません。

 

◆杉田弘美委員 そうしますと、全国初のこういう工法だということでありますが、この工法を採用したというのは、何がよかったのか、皆さん方の採用する基準の中に設計の単価が安かったのか、いろいろ言われております道路の連絡通路等いろいろありますから、そういう中で、しゃへい物のじゃまな部分がなくなるのでというのか、この工法を採用した経緯についてお聞かせいただきたい。

 

◎副局長 連絡デッキの設計委託の中でこの断面が採用されたわけでございますけれども、この設計に当たりましては、基本設計と言いますか、全体のレイアウト等が、道路等決まっておりまして、したがって柱の位置とかそういうものはあらかじめ決まっている状況で設計がなされていると考えております。そうしたときに、クリアをしてなおかつ全体の景観等にもマッチした設計物として、構造物が採択されたものではないかと考えております。

 

◆杉田弘美委員 今ほど話がありましたが、景観とかデザインを重視するがあまり安全という部分でどういうふうにチェックをされたのかという部分でありますけれども、これは調査委員会が調査されているということで、私ども素人ですからこの分野については質問は避けさせていただきたいと思いますし、また、青木委員から詳しく質問がございました。最初と最後の部分で、例えば先ほど復旧をされるという、今星野委員から言われましたように、早期に復旧しなければいけないということでございますけれども、今簡単に、皆様方が想定される復旧の見積はどのくらい、復旧費にどのぐらいかかるのでしょうか。

 

◎港湾空港局長 復旧の仕方と言いますか、残存デッキを生かした形でやるのか、あるいはいったん壊して改めて造り直すかで、大きく違ってまいりますし、今、工法も含めてどういう形でもっていくかということを、これから検討する段階ですので、そういう意味では、今、額がどのくらいかということは言えません。ただ、参考までに前回の橋が全体で佐渡汽船から朱鷺メッセまで地盤改良も含めてトータルで約6億円かかっております。

 

◆杉田弘美委員 ありがとうございました。調査委員会をもって現状復帰をするのかどうかというのは、これからだという話でございますけれども、先ほどこの工事のためにと言っては何でしょうけれども、私どもの地域における公共関与の部分で大分しわ寄せという部分も聞かれるわけでございまして、そういう意味ではいっときも早い原因究明を図るとともに、県民にこういう事態が起こったという説明責任をきちんと果たしていただきたいということを要望いたしまして、このことに関しては以上でございます。

 次の質問をさせていただきますが、万景峰号に関しまして国土交通省をはじめ様々な文書で対応しているということで、先般、人為ミス等があったということでございますけれども、連絡体制に不備があったということでございますが、これら、万景峰号に関する横との連絡、当県も港湾空港局、県警とか、いろいろあると思いますが、どこが連絡体制の指揮を執って、横との連絡を取っておられるのか、国、県を併せてどういう体制になっているのか、お聞かせ願いたい。

 

◎港湾課長 今、委員言われたとおり、9月5日万景峰号が新潟西港を出航した際に旅客定員を超えた違反を認知できなかったということで、9月18日北陸信越運輸局、第9管区海上保安本部、東京入国管理局、新潟県で連絡会議を設置しまして、それらの対応につきまして検討をしてきたところでございまして、最終的には9月26日に法令違反の未然防止等の対策ということで、船舶安全法を所管する北陸信越運輸局と、当該法令違反の取締りを任務とします第9管区海上保安本部との間におきまして、情報の迅速な共有化を図る、それと同時に、出入国旅客数について情報を保有する東京入国管理局及び新潟県港湾事務所の協力を求めて、具体的な申合せができたところでございまして、総元締めといいますか、今回の連絡協議会につきましては、北陸信越運輸局の音頭で集まって、この協議を行っているということでございます。

 

◆杉田弘美委員 それから、いろいろな地域の部分も絡めて、入港時に関して報道等では北朝鮮の関係者の皆さんとこちら側の関係者で、入場制限等をいろいろ、例えば歩いていかなければならなかったり、バスで行ったりされたと。これは船の方は皆さんでしょうけれども、こういうところの制限というのは県警でやられるのでしょうか。

 

◎港湾課長 一義的には港湾管理者であります県であります。あと、警備につきましては、県警本部と打合せをしながらやっております。

 

◆杉田弘美委員 そうしますと、事前に対応というのは皆さんのところでやられるということで、いろいろ船のところに行く、いろいろな抗議活動、デモ隊の行動についての差があるというのは、危険というのを考えての御判断で許可されるということでしょうか。

 

◎港湾課長 差があるというのはどういう意味か分かりませんけれども、歩いて入場とかバス等での入場ということに限れば、救う会のかたがたがばらばらに集まって来られて、バス等の用意もないしそれで歩いて入ってもらったのですけれども、船に乗られる方及び出迎えの方につきましては、むやみな接触で何かあると困るということで、まとまってバスで来られるということで、バスで入ってもらったような事情でございます。

 

◆杉田弘美委員 万景峰号入港に関しては、皆さんもそうですし、県警もそうですけれど、相当費用が、動員等にかかるわけでありまして、これは国家間の問題ですから、当然これらの費用については国がすべて面倒をみると、県民税を払って対応するのではないということだと、私は思っておりますけれおも、この辺の考え方と、それから取組についてお聞かせ願いたいと思います。

 

◎港湾課長 万景峰号が運航を再開しまして8月25日以降、これまで4回ほど入港していますけれども、これによりまして救う会の抗議集会及び右翼の街宣車対応とか、そういったことで県警も 1,500人規模、今回は 1,000人程度でございましたけれども、そういったことでいろいろと対応しておりまして、県としましてもバリケード、看板設置といったもので、大体1回当たり警備費用で 250万円くらいかかっております。そんなことでこれら4回くらい入ってきていますので、かなりの金額になってきております。今後も入港が大分予定されておりますので、特別交付税による措置を、国に要望していきたいと考えております。

 

◆杉田弘美委員 是非、これは国家間の問題ですから、例えば警察官を動員するということになれば、時間外勤務も相当多く出る、これは飽くまでも県費ではなくて、国の方で面倒みてくれるのが筋だと思っておりますので、どうかそういうことで国の方に要望して、大変厳しい経済情勢の中で、県の財政もやられているわけですから、そのことをお願いして質問を終わりたいと思います。

 

○委員長 暫時、休憩いたします。

 休憩 正午   (以下余白)   再開 午後1時5分

○委員長 再開いたします。

 休憩前に引き続き、質疑を行います。

 

◆志田邦男委員 それでは、午前中から朱鷺メッセの問題についてはほぼいろいろな形で聞かれたということで、いずれにしても最終報告がどうなのかということだと思うのです。ただ、私は本当に不思議だなと思うのは、今までいろいろな事故というのは、前兆みたいなのがいろいろな形であるのです。全く何もなくてストンと落ちるということは、これこそ正に考えられない。

 例えば事故直後のマスコミ報道を見ても、揺れが非常に大きかったとか何とかというような話もあるのですけれども、いろいろな人たちの話、今になって考えれば、これは前兆なのかなという部分についてもきちっと把握しなければいけないのではないかと思うのですけれども、そういう部分についてはどんなふうな状況でやっているのでしょうか。

 

◎副局長 先ほど目撃証言というものが報告書の中にもございましたけれども、あそこは業務ビルでいろいろな人が働いておられますので、そういった人々に対しまして当日に限らず、いろいろなときの状況についてお聞きしております。いかんせん個人的な感覚というところも結構ございまして、なかなか全員が一致して揺れていたとか、数年前からとか、その辺のところは確たるものには至っておりませんけれども、利用者等について連絡デッキがどうだったかということはお聞きしております。

 

◆志田邦男委員 そういうようなのは、公表できるような形になるのでしょうか。

 

◎副局長 先ほど来、複数の方が一致している証言とか、ある程度確度があるものについてはこの報告書にも触れてございますけれども、全然違うような話が並んでいるというのは、それについては少しまずかろうかと思っております。

 

◆志田邦男委員 私もこういうのは全く素人で分かりにくいというか、例えば今回、連絡デッキの部分で工区が三つに分かれているわけです。佐渡汽船株式会社の方は多分佐渡汽船のものだから、佐渡汽船として前もってやったわけですけれども、あとの部分、朱鷺メッセの最後の方が二つの工区になっているのですけれども、工区というのはなぜ分けたのか、分けた方がよりメリットがあるのか、その辺について教えていただきたいと思います。

 

◎副局長 これは平成12年度と平成14年度に供用しているわけですけれども、立体駐車場の供用に伴って連絡デッキを使うということで一度暫定と言いますか、その形で平成12年度に供用して、その後、平成14年度に全面的に開通したという状況にあります。

分けたことに関しましては、さっきも御説明いたしましたけれども、この構造物は六つの柱と五つの径間からなっているわけですけれども、平成12年度の時点においては朱鷺メッセ側の柱はなくて、五つの柱と四つの径間から形成されていたということで、特段、その仕様に関しては問題はないのではないかと考えております。

 

◆志田邦男委員 それから、いろいろな形で経過報告の中で出ているのですが、今回、本会議でも様々な質問が出ていたのですけれども、この資料、いろいろな設計図だとか構造計算書とか、そういうようなものの公表というのは、具体的にどのような形になるのでしょうか

 

◎副局長 基本的には、調査委員会で原因の究明をやっているわけでございますので、支障のある資料の公開については難しいと思っていまして、そういったものが進むにつれて、支障のないものについては公開してまいりたい、当然、調査結果についても公開してまいりたいと考えております。

 

◆志田邦男委員 その支障のある、支障のないというのはよく分からない。支障のあるものはどういう訳でとか、その部分についてはしっかり分かるような、なぜこれは公表できないのかどうなのか。こういうような原因調査の中身に入ると、はっきり言って専門家だけの世界になってしまって、私らは見たって分からないのです。そのときに専門家といっても、立場の違いによって、それこそ必ずしもみんな第三者、中立、厳正というような立場ではないだろうと、ですから、いろいろなのがあって、それが何となく正しいのだみたいなことになる、大体普通のところでは、世論というのをミスリードするようなこともあるわけです。ですから、その辺についてきちっと誤解のないようなやり方、恐らくこの報告書というのは出してからの問題になるのではないかと、その間というのはいろいろやるわけでしょうから、恐らく最終報告が出てからがすごい論争になるのではないかという気もしますので、その辺について、これは今の時点では素人の立場からすると、これからが問題だろうと思いますので、その辺についてきちっとした、言わば誤解を与えない、また、いろいろな形で変なふうに利用されない、正に厳正中立だと思うのですが、そういうような立場をしっかりと踏まえて、今後の作業に当たっていただきたいと思います。その辺についての考え方を教えていただきたいと思います。

 

◎空港局長 御指摘のあったとおりでありまして、恐らくこれは最終結果が出た後に、当然ながら結果、そしてその結論に至った過程を公表しますし、関連資料も相当部分公表することになると思います。その結果、いろいろなところから、その分析についてはおかしいのではないかとか、こう見るべきではないか、いろいろな形の評論、批判を含めて出てくると思います。それに耐え得るような調査結果が出るものと信じております。

 ただ、いろいろと本会議からずっと調査委員として参加したい、あるいは独自に調査したいというお話がいろいろありますが、これは本会議でも答弁いたしましたが、施設設置者である私どもが責任を持ってやるものであって、結果については公表しますと、ただ、作業中については雑音というと言い過ぎですが、私ども一生懸命その資料を使ってやっているわけですから、公表することによっていろいろな意見が出されて、またそれがマスコミ等で報道された場合、多くの方が評論家になってしまって惑わされやすくもなりますし、そういった意味では公表しないわけではなくて、ちょっと待ってくださいと、半年、1年待っていただくわけではありませんので、1か月、2か月ちょっと待ってくださいというのが私どもの姿勢でありまして、情報公開うんぬん言われておりますが、結果が出た暁には、結論だけではなくて、関連資料も相当部分、公表したいと考えております。

 

◆志田邦男委員 この朱鷺メッセの件、次の最終報告を待って、議会の方でもそれからが本格的な議論になるのではないかと思いますので、その辺をしっかり責任を持ってやっていただきたい、こんなふうに要望しておきます。

 これは以上で終わりまして、その次に一つお聞きしたいのは、今、特に新潟西港の区域の方の話ですけれども、例えば左岸、右岸どっちもそうですけれども、最近はウォーターフロントということで、言わば市民に親しまれるとか様々なキャッチフレーズの下できれいにしよう、公園にしよう、様々な動きがあります。そしてまた、特に新潟西港区の全体、朱鷺メッセもその一つになるわけですけれども、いろいろな形で大きく言えば、公園的な港湾ということで進んでいると思うのです。例えば左岸の柳島の所で、新潟市郷土歴史博物館(仮称)ができます。かなりの建物です。そして、その前というのが、いよいよ公園化という感じで今進んでいるわけです。ただ、港湾の第一目的は何なのだろうなということを考えたときに、この数年間の中で、例えば私たちがずっと長年、あの柳島の方であれば、鉄工所だとかいろいろあった。また、小さな漁船が接岸の所にいて、そして小魚のたぐいですけれども、それを通りすがりの人が買っていったとか、港湾の機能そのものとしていろいろな面でなされてきたわけです。ところが、最近は公園、公園ということで非常にきれいにはなった、だけれども、港湾の機能としては何となく後退してきているのではないかという感じがするのです。

 私が言いたいのは、港湾空港局というのは港湾、例えば新潟がここまで発展してきたというのは港湾があったと、港があったのだと、港で働く人がいたと、汗まみれ、油まみれになって真っ黒になって働きながら一つの新潟を築いてきたという経緯がある。ところが、最近は港湾空域においても公園という形でくると、果たして本当に港湾機能というものがきちんと維持されるのか、それから港湾機能というのがいろいろな形でしわ寄せを受けることにはならないだろうか、こういうような考えを持っているのですが、基本的にそういうようなものに対しての考え方をまずお聞きしたいと思います。

 

◎港湾空港局長 確かに港町新潟ということで、その関連産業もずっと発達してまいっております。その中で最近はウォーターフロントということで親水空間の整備という形のものが出てきて、それに添っていろいろ事業も進んでいると思います。そういった意味では、港そのものの機能とウォーターフロントの親水空間との融合と言いますか、いかにマッチさせて、その地域の整備を図っていくかというのは重要なことだと思っておりますので、十分にその辺を踏まえたうえで取り組んでいきたいと思っています。

 

◆志田邦男委員 それで、具体的にお聞きしますけれども、郷土歴史博物館の前の所が港湾計画の下では緑地になっているということですが、あそこの一部の中には、ずっと今まで小型造船の方ですけれども、あれを借りていろいろな作業、仕事をやっているというところがある。ところが、あの港湾区域の計画を見ますと、それが入っているものですから、もしもそこが公園という形になると、小型造船の人たちですから、当然、どこかに行けばいいのかと言ってもそんなような場所もないし、恐らく資金的にも大変だろうと。そういう面では、なかなかよく分からないままに、例えばこれは縦覧していますよと、公告を出していますよといったって、現実に見る人はほとんどいないわけで、そういう面で、そこで一生懸命働いている人たちというのも港湾機能の一つをきちっと担っているわけですから、そういうような人たちに対してこの港湾の計画とか、そういうようなもの、それから公園化というようなものを十分に理解をいただいているのかという気がするのですけれども、そのところについてお聞きしたい。

 

◎港湾課長 今、委員がおっしゃられたように、新潟市が郷土歴史博物館を整備しておりますけれども、その前の信濃川の左岸緑地につきましては、博物館と一体となった親水空間の創出を基本に進めておりますけれども、ただ、この地区は造船業者及び漁業関係者の皆様が利用されておりますので、これらにつきましては緑地の整備手法も含めて、これから関係者の皆さんと十分協議して、その機能を損なわないような格好で進めていきたいと思っております。

 

◆志田邦男委員 是非、そこはよろしくお願いしたいと思います。やはり港というのはそこで働いている人がまず第一、そして、港湾空港局としては港に関連する産業と言いますか、そういうものに対してむしろ振興するというか、柳島というのはそれこそ数年前とは全く変わってしまったと、そしてまた、この大変な不景気な中であの地域で、例えば小型造船もエンジン関係もそうですが、倒産、廃業していく企業が非常に多いのです。ですから、そういう基本的なところが成り立たなくなっていったら、新潟港の全体の機能は非常に衰退するのではないかと非常に心配しております。今、お聞きして、例えばきちんと代替的な機能があるとか措置があるとかというのであれば、これはこれでいいのですけれども、長年やってきた人たちが安心して新潟港の中でしっかりと働いていけるというようなこともきちっと踏まえて、今後のウォーターフロントと言いますか、公園整備というものもお願いしたい。

 私の一つの考え方から言うと、港と公園の関係というのは安全、それから市民に親しまれると同時に、港というのはこんな機能を持っているのだと、そしてこんなふうにやって一生懸命働いている人が港を支えているのだと、こういうような姿を見せるというのも大事だと思いますので、その辺の調和を取りながら今後の施策を進めていただきたいということを要望しておきます。もし局長、何かありましたらお願いします。

 

◎港湾空港局長 おっしゃるとおりで、憩いの場は憩いの場として、産業そのものを十分に踏まえたうえで取り組んでまいりたいと思っております。

 

◆塚野弘委員 私の方からも朱鷺メッセの関係でお聞かせいただきたいのですが、午前中から事故の原因等を含めていろいろ議論がなされているわけでありますけれども、マスコミなりいろいろな情報を元にお話しをされておられるわけで、この事故がなぜ起きたのかというのが、一番皆さんが知りたい部分だろうと思っています。

 8月26日に事故が起きて、調査委員会が9月1日に立ち上げられたということで、経過報告書を見せてもらったりもしているのですが、まだ経過ですから具体的な部分がなかなかはっきりしていないということも含めてあるのですけれども、一番最後のところに、調査委員会の決意を含めて書かれているのだろうと思っております。4回の審議をやりながら関係者の協力を得てこの間、進めてまいりましたということも含めて書いてあって、最終的にはまた今後一層の協力をお願いしたいということも含めて書いてあるわけであります。実質、事故が起きて調査委員会が設置されて、調査をされて1か月が過ぎたわけですけれども、普通で考えれば、1か月ぐらいすれば原因究明ができるのかなと私自身も思っていましたし、当初は9月ごろには報告を出したいという話も流れていたように私も聞いているのですけれども、今回、9月末に出てきたのが中間報告と言いますか、原因の特定もなりませんけれども、二つのプロセスが考えられるというようなところの中で出てきているわけですが、私から見れば、究明が遅れているととらえているのです。私の考えがいいのか分かりませんけれども、遅れている理由と言いますか、原因と言いますか、その辺はあるのかどうか、当初は9月という話も聞いていたものですから、10月ぐらいにはという話もありますけれども、作業の進行状況も含めてどのようになっているのか、経過を含めてお聞かせいただければと思います。

 

◎振興課長 午前中の議論におきましても、今回の落下事故につきまして何よりも重要なのは、原因究明ということで御議論させていただいているわけでございますけれども、復旧の工法を決めるに際しましても原因究明が優先するということでございまして、今ほど委員がお話のとおり9月1日には事故後、速やかではございましたけれども、調査委員会を立ち上げて進めてきたわけでございますけれども、御案内のとおり4回ということでございます。いずれも委員のかたがたは公職を兼ねておられるということもございまして、毎週日曜日、土日と休日でございますけれども、そういった形で検討を進めてきたわけでございます。

 検討の過程で、この中間報告書にございますけれども、どうしても原因を究明するためには落下のメカニズムの解析のシミュレーションを行っていかなければ原因の究明にならないと言いますか、必要だということになったわけでございまして、そういった解析のシミュレーションを複数、ここでは二つと言いますか、ある程度予定されておりますけれども、それを含めて複数行うためにはどうしても11月下旬というスケジュールの下で進めていかなければならないという状況でございまして、私が今、申し上げましたように、これまで4回休日の間でございますけれども、そういった形で鋭意検討していただいておりますし、こういった調査委員会の議論の中で落下のシミュレーションが必要だということからしますと、そういったスケジュールについては必要な期間だということで認識をしております。

 

◆塚野弘委員 当初は新聞等では、設計者は自分は悪くないのだと、施工した人も施工は悪くないと、当然自分のところはそれに添ってやったということになるわけですから、当然そういうことになるのだろうと思いますけれども、全体を含めて協力が悪くて、なかなか原因究明が進まないのかなという気も私の中には少しあったものですから、そのようにお聞きしたのですが、そういう部分は全然ないというふうに考えてよろしいのでしょうか。

 

◎振興課長 4回の調査委員会の調査の過程でございますけれども、工事に当たられた関係者のかたがたにも事情聴取をさせていただいて進めておりますので、そういった点では、必要な調査は着実に行われていると考えています。

 

◆塚野弘委員 分かりました。是非、原因究明を含めて、長引けば長引くほど、またいろいろな憶測が飛ぶというのも事実でありますから、一刻も早く原因の究明の結果を、どのくらい分厚いのができるかというのもあるかと思いますが、是非、解明をしていただきたいと思っています。

 そういう意味では、今言ったとおり、いろいろな意味で長くなれば長くなるほど外部からの提案があったり、今もいろいろあると思うのですが、そういう意味では圧力ということではないでしょうけれども、外部の力によって先ほど志田委員からもありましたけれども、真実がねじ曲げられることがあってはならないわけでありますから、県民の皆さんがなるほどということで理解ができるようなことをきちっとやってもらいたい。併せて、情報公開も支障のない部分についてはやっていくということですから、是非やってもらって、県が疑われると言いますか、信頼を失うようなことがないように御努力をお願いしたいと思います。

 それで、特に復旧費の関係で本会議でもいろいろ議論がありましたけれども、知事専決、9月の補正を含めて関連で2億円を超える補正予算と言いますか、県の金が出ていると。これを見ると、今後の分については落下部分の復旧、また調査委員会、残存施設の整備、修理、補強についても一定の方向が出されると読ませていただいているわけであります。先ほど午前中ですか、どのくらいかかるのだという部分で、なかなか金額的には出てこないと言われておりますけれども、実際にどのくらいかかるのだというのは、県民にとっては県費がどうなるのかということも含めて注目している部分だろうと思っておりまして、全体を含めて10億円かかるのではないかという人も、これもうわさですからいろいろな話が飛び交って、そういう意味では非常に大変なのですけれども、先ほどの話を聞いてみても、今後の復旧方向を含めて見なければ分からないという話がありました。それはそれで、私もそれ以上言ってもどうにもならないと思ったりもしていますけれども、この経過報告を見せてもらって、専決の段階ではシミュレーションとかの関係で専決予算が必要だと説明を受けたと私は記憶しているのですが、それからいくと、11ページの今後の検討を見せてもらうと、それ以上のいろいろな調査をやらなければというような気も私自身はこれを読ませてもらったときにしたのですが、当初は 6,000万円ぐらいの調査費がかかるとあったのですが、それで今、調査委員会がやろうとしている調査ができるのか、それとも新たにまた専決なりを含めてやっていかないと、この部分はできないのかというのを含めて、分かりましたらで結構ですけれども、お聞かせいただきたいのですが。

 

◎副局長 11ページの今後の検討内容に関してでございますけれども、やはり基本となるのは数値シミュレーションの実施でございます。それを何ケースどういう形でやるかということで、私どもそれが余り説得力を持たない数字ではまずいと思っていまして、そういった意味でかなり厚めに 6,000万円ということで積んでおりまして、現状においてはその範囲内で収まるのではないかと考えています。耐荷性能を検討するというのは、実際のデータを用いて計算するものでございますので、そんなに費用がかかるとは考えておりません。

 しかし、今後の展開によっては、より新しい検討項目等出てくる場合がひょっとしたらあるかもしれませんので、そういったときはそれなりの対応が必要となってくるかとは思いますけれども、現状ではその範囲の中で収まるのではないかと考えております。

 

◆塚野弘委員 それと、もう1点は損害賠償という感じで、これも本会議でもいろいろ議論があったところですが、知事は適正に対処するという答弁をされているわけでありますけれども、私たちが求めている部分には2種類あると思っているのです。一つには壊れた原因がどこにあって、だれに責任があって、どう復旧をして、それをだれが負担するのかという部分で県民の皆さん、私も含めてそうなのですが、そういうふうにとらえているということであれば、本来、すべて原因がはっきりすれば、事故の原因に基づいた方に損害賠償を請求して、当然すべて出してもらう、県費は一銭も出さないというのが姿なのだろうと自分なりには思っているのですが、そういうような認識でよろしいでしょうか。

◎振興課長 今、委員がおっしゃられたように、これまで落下事故に伴って、例えば現場の安全確保のための応急経費だとか、それから支保工も設置しておりますので、そういった仮復旧の経費であるとか、それから今やっております調査委員会の原因究明にかかる経費だとか、あとは事務的な経費一切ありますが、そういった経費が今回の事故に伴って必要となってまいりましたし、今後もある程度予定されるわけでございます。私どもは基本的には落下事故の原因と言いますか、原因の中で責任者と言いますか、それが特定されれば、当然それにかかる費用については県としては請求と言いますか、そういうものが基本的な考え方だということでございます。

 

◆塚野弘委員 それで、こういう事例というのはあるのかどうか分かりませんが、実質こういう事例で原因が特定されて、復旧なり調査費用をそっくり相手方に損害賠償請求して、損害賠償は当然そうだったというような判例というか、裁判になるのかどうか分かりませんけれども、そういう実態というのは、大体みんなそういうふうになっていると認識してよろしいのでしょうか。

 

◎港湾空港局長 これに該当するような事例というのは、私どもも探してみたのですが、ちょうどこんな感じでいけばいいということで参考にできるようなケースはありません。今ほど振興課長がお答えしましたように、原因が究明されて、こういうシチュエーションで、こんな形で落下事故が起きたと。その原因はどこにあったのか、その原因が施工側なのか設計側なのか、それとも両方か、あるいは県の責任とも言われていますが、県の方にも責任があるのか、その中で片方ではなくて二者、あるいは三者というような形のものが組み立てられて、それに基づいて瑕疵(かし)担保責任を県としては追求していくというような形になると思いますが、今ほど申しましたように、ちょうどこんなケースで参考にすればいいという事例はありません。

 

◆塚野弘委員 適正に対処するというのは、そういうことだと知事の答弁を含めて中身だろうと思っておりますけれども、県民から見れば、どこかに原因があるのだから、その人間が負担してくれというのが当然だと思います。特にこの経過報告を見たら、原因の究明こそが事故の再発防止につながると、学術的な部分と言いますか、含めて調査委員会の方は調査をされていると思われる部分がある。全国的にもこういう建物がない中で事故が起きたということでいけば、その部分を含めて調査委員会としては結論を出さなければだめだということもあるのでしょうけれども、こうなってくると、非常に話が大きくなってきて、朱鷺メッセだけの問題ではなくて、構造計算とか、どこにあるのか分かりませんけれども、そういう問題にまで発展してしまって、朱鷺メッセの話だけでなくなってしまうのではないのかと、これを見せてもらったときにそう思ったりもしていたのですが、この辺については調査委員会の方はどのような位置づけの中で、位置づけは究明だろうと思いますけれども、この辺はどのように方向性というのが考えられているのでしょうか、もし分かりましたら。

 

◎副局長 調査委員会が4回開催されて、いろいろ議論されているわけですけれども、議論の中身は施工された連絡デッキについて事故が起きたわけですけれども、そのデッキについて特有な事故であろうということで、全体的な話とか、そういった観点からの議論はなされていないと解釈しております。

 

◆塚野弘委員 これ以上言っても私は分かりませんので、それで、この朱鷺メッセの建設体制ということで、6名か7名の体制で建設に当たられたということで午前中に御答弁があったのですが、そういう意味では平成11年度に立ち上げて、平成13年度にはしゅん工している、平成15年度までという非常に短い期間の中で、7人の体制で万代島再開発事業がやられたと思っているわけでありますが、体制がどうだったのかということで少しお聞きしたいのでありますが、聞くところによれば、担当職員が年間大体 1,000時間に及ぶような時間外勤務をされて、本当に不眠不休でこの仕事に携わったというお話をお聞きしているのですが、実際はどのような状況だったのか、お聞かせいただきたいのですが。

 

◎振興課長 朱鷺メッセと言いますか、コンベンションセンターの建設につきましては午前中にも御答弁させていただきましたけれども、平成12年度の後半にそれまでいろいろな計画関係の調整をやりまして、一斉に建築が始まったと言いますか、そういうふうに認識しております。基本的には平成14年度に終わっているということでございまして、基本的な体制は午前中にお話ししたとおり6名から7名程度ということで技術職員と言いますか、そういった者で施工されているわけでございますけれども、今ほど委員がおっしゃいました時間外勤務の状況を見てみますと、平成12年度の状況を見てみますと、年間の一人当たりの平均で 1,000時間を超えるという状況がございまして、前後の状況はそうでもないと言いますか、平成12年度が突出して時間外勤務が多い状況ということでございます。

 

◆塚野弘委員 平成12年度は 1,000時間を超えるということですが、当然、最後のところが分かっていたということを考えてみれば、大変な体制の中で仕事をされたと思っているのですが、今度は人事の問題も含めて大変な部分もあって、皆さんが担当者を増やしてくれと言っても、なかなかならないという部分もあるのだろうと思っていますけれども、実際にこういう状況であれば、人員体制も増やしていくべきだったのだろうと。事故が起きようが起きまいが、そういう問題というのはあったのだろうと思っておりますけれども、この辺について人事権を持っているのは人事課ですから、人事課とのやり取りというのはどのような部分としてあったのか、お聞かせいただきたいのですが。

 

◎振興課長 組織そのものの人員増と言いますか、そういったことがどういう形で行われたかということについては、今現在、私の方では承知いたしておりませんけれども、ただ、私がその後、状況をちょっと調べてみたと言いますか、残っている書類等で見てみますと、そういった人員の下ではございますけれども、かなりの業務量が予想されるということで、業務の効率的な執行と言いますか、こういうものを進める意味で工事費が多額なものでございますとか、特に専門的な技術を必要とするものは、基本的に委託という方向で考えられるわけでございますけれども、それ以外でも備品の整備などについても委託を行うということで、職員の負担を少なくするような業務執行が行われていたのではないかということについては、私は今現在、把握しております。

 

◆塚野弘委員 軽減を図るために努力をされていたというのは分かりますが、年間 1,000時間を超える時間外勤務があったというのは、軽減だということにはならないと思っています。そこは終わったことですからあれですけれども、そういう意味で中にはこのような体制の中で一生懸命仕事をしてきた人に問題があるとか、個人のところに責任がいくようなことがあってはならないと思っているのです。これで本当に県としての責任なり、いろいろなことが問われているとしても、これだけ一生懸命時間外勤務をされて、あの万代島を造り上げた人たちに最後の責任までいくということはないだろうと思っていますけれども、そこはやっぱりそういう意味では、もし県の責任がどうこう出てくるとしても、事業体制そのものがどうだったのかということが一番問われるのだろうと思っておりますけれども、港湾空港局としてどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいのですが。

 

◎港湾空港局長 午前中の答弁でも申し上げたかと思うのですが、県は発注から検査までで責任はないのかというのに対しては、基本的には手続的なミスはなかったと申し上げました。そういう意味では、基本的に私どもとしては県の職員としての責任はないと考えておりますが、原因究明を図る中で県にもこういった面で責任があるというところが出てきますれば、やはり職員そのものが責任を問われることもあり得ると思っておりますが、現在のところは私どもが責任が問われるような形のものはないという認識を持っております。

 ただ、塚野委員がおっしゃるように、果たして責任が問われるにしても、そのような勤務体制の中で責任が問えるのかという問題は残ると思います。当然ながらそういうことに対しましては、このような事情にあったということは責任を問う、処分を担当する部局でも十分に配慮されるべきものだと思いますし、港湾空港局としてもそういった処分担当の部局に対して進言したいと思っております。

 

◆塚野弘委員 今の局長の答弁は了としますけれども、是非、そこは体制を含めてきちっと対応をするべきだろうということで、御要望を申し上げておきたいと思います。

 最後に、これも本会議で議論がありましたけれども、今回の補正予算に1億 4,500万円、歩道の屋根、風よけのために予算が上がっているわけでありますけれども、私はこの補正予算が出てきて何をするのかなと思ったら、この話を聞きまして、なぜ今ごろになって、出来上がってからやるのだという認識を持たせていただきました。それと同時に、県の財政難のときに、万代島にまた1億 4,500万円を支出するということについてはどうなのだということも考えてみました。完成して風の向きによって冬期間、利用者の利便にということも答弁があったわけですけれども、こういう予算というのは本来、当初予算で上がるべき問題だろうと思っていますし、建設段階で上がっていけば、補助対象になったのかどうかわかりませんけれども、起債対象を含めて一般財源を持ち出すことにはならないと思っていますけれども、本会議でもありましたけれども、なぜ今のこの時点で補正予算としてやらなければならないのかということについて、お聞かせをいただきたいのですが。

 

◎振興課長 なぜ補正予算かというお尋ねでございますけれども、本会議でも答弁させていただいていると思いますけれども、施設完成後において朱鷺メッセの利用者が、強風によって歩行に支障を来したという事例が報告されたわけでございますし、施設管理者の方からも強風や積雪による凍結から歩行者の転倒事故を未然に防ぐ必要があるという意見を出されたということで、本格的な冬の前に整備しなければだめだということで進めたわけでございます。今ほどは財政難というお話があったわけでございますけれども、朱鷺メッセにおいてコンベンションと言いますか、そういった誘致を進めていって、軌道に乗せるという大変必要な課題がもう一方にあるわけでございまして、そういった点からしますと、私どもとしましては歩道に屋根をかけると言いますか、キャノピーということでございますけれども、これを設置することによって、そういった朱鷺メッセの誘致に結びつけていきたいと考えたところでございます。

 

◆塚野弘委員 そういう答弁にしかならないのかもしれませんけれども、実質、駐車場を利用されて歩道を歩いてくる方ということになるのだろうと思いますけれども、私から見れば、建って営業して初めて分かったというよりも、建物は事前に早めにできていて、工事関係者しかいなかったから分からないということにもなるのかもしれませんが、そういう答弁が返ってくるのかもしれませんけれども、やっぱりこういう予算というのは本来、当初予算であったり、もっと建設の段階での予算であるべきだと思っております。だめだとまで私は言いませんけれども、やっぱりそういうことも含めてきちっと予算の執行ということは、是非、お考えいただきたいと思っていますけれども、こういうことを含めてどう考えられているのかお聞かせいただいて、最後の質問にいたします。

 

◎港湾空港局長 確かにこのキャノピーは基本的なものですので、補正で上げるべきか当初で上げるべきかと言えば、これはやっぱり当初で上げるべきものだと思います。ただ、今ほど振興課長が御説明しましたように、5月にオープンしても結構風が強いときがあって、風に向かって歩けないような日もあったというふうに聞いておりますし、冬場になりますと、それ以上の風が吹くことは目に見えているわけですから、本格的な冬を迎える前に造った方がいいのではないかということで、今回、補正でお願いすることになったわけでございまして、筋論からいきますと、当初か補正かと言えば、これは当初で上げるべきものだったと、そういう意味では4月の時点では遅いのですが、前の冬にその辺を予測して、当初予算で上げてあればという反省はあります。

 

○委員長 以上で、付託議案等に対する質疑は終了いたしました。

 説明員は、退席してください。  (説明員の退席)

 次に、陳情の審査を行います。 それでは、継続中の陳情平成15年第10号について、各党の方針を発表願います。

 

(中略)

 

○委員長 以上で、企業局関係の審査は終了いたしました。

 明日金曜日は、午前10時より、土木部関係の審査を行います。

本日は、これにて散会いたします。△散会午後2時20分

 (以下余白)

 

 

平成15年  9月定例会 建設公安委員会     平成15年10月3日

○委員長 これより、建設公安委員会を開会いたします。

 本日は、土木部関係の審査を行います。

 これより、前定例会における委員会の要望・意見に対する処理状況及び付託議案等について、一括して質疑を行います。

 

(中略)

◆青木太一郎委員 部長、それはここにおられる大先輩の皆さんによくお願いして、陳情しておいてください。ただ、私はそういうことで地域振興局が、今は佐渡だけですけれども、来年度から本格的に地域振興局体制になると不都合が出るのではないかということで一例を挙げますが、私は今の朱鷺メッセ、皆さんは関係ないと言いますけれども、どうも見ていますと、昨日もこのことについて質問をいたしましたが、関連ですから質問するのですが、本来ならばあのくらいのビッグプロジェクトですから、例えばビッグスワンは皆さん方の営繕課を中心に土木部総掛かりでやったと思います。ところが、今の朱鷺メッセを見ていますと、確かに港湾空港局総掛かりでしょうけれども、いかんせん我々素人から見ましても技術者の数が少ない。例えば検査官は一人で幾つもしていたと新聞に出ているわけですから、我々が危ぐするのはそこなのです。

 トップが事務系だけですと、いざそういう大プロジェクトが計画の段階はいいとしましても、実行の段階になったら現場はトップが経験、体験が豊富であって、初めてスムースに現場同士でいろいろなすり合わせができると思いますので、だから私はあえて危ぐの念をいだくというのはそのことを申し上げたのでありまして、私はこのことについては地域振興局の最初の説明を聞いたときと、今の中身ではかなり差があるわけです。ましてや星野委員から話を聞けば、最初に説明を受けたときと違うのだということですから、この辺は私どもはもう一度、実行する前にトップから考えを改めるなり、弾力的に運用していただければ有り難いと思いますが、その点、部長、もう一度決意を聞かせてください。

 

◎土木部長 確かに先ほども言いましたように、我々の受け止め方も軽いという言い方がいいのか、本当に何がどうなっていくのかという細かい検討まですべきかなという反省をしております。貴重な意見として受け止めまして、きちんとこれからも心配事というか、本当にどうなっていくのかということを詰めていきたいと思っております。

 

(後略)

 

 

平成15年  9月定例会 建設公安委員会  平成15年10月6日  △開会午前10時

 

○委員長 これより、建設公安委員会を開会いたします。

 まず、委員会室内取材のための器材等の設置の申出があり、これを許可いたしましたので、御了承願います。

 本日は、公安委員会関係の審査を行います。

 まず、新たに就任された警察本部長の松尾庄一君を紹介いたします。

 

(中略)

 

◆杉田弘美委員 それでは、今ほど来、話がございましたように、平素は県民の安全、安心のために大変御努力をされている皆さんに、まずもって敬意を申し上げたいと思います。

 こうした中で、今年度は8月末から万景峰号が新潟港に入港するということ、また、朱鷺メッセの通路の墜落等々が重なりまして、警察も大変御苦労をされているのだろうと思いますけれども、8月末から9月にかけて万景峰号が何度か入港しましたけれども、このために皆さんが動員された数というのはおよそどのくらいになるのか、お聞かせを願いたいと思いますし、また、これから何度かこちらの方に来るということでございますけれども、これらの警備体制等について、どのように取り組んでいかれるのか、併せてお聞かせ願いたいと思います。

 

◎警備部長 万景峰号の入港に伴う警戒・警備についてでございますけれども、8月25日から9月30日までの間、4回入港しておりますが、警察官は総勢4,700人動員いたしました。

 それから、今後の警備体制につきましてでございますけれども、右翼団体もかなり動員数が落ちてきています。それから、これから関係団体がどういう取組をされるか、それらを見極めて必要な警備体制を執って、警戒、警備の万全を期したいと考えております。

 

(中略)

 

◆青木太一郎委員 それでは先ほど来、各方面、各課にわたっていろいろな御質問がなされておりますが、二、三点お尋ねしたいと思います。朱鷺メッセの連絡デッキ落下事故に関係する件については、いろいろな面で既に代表質問、一般質問等、いろいろ出ているわけでありますが、去る8月26日の夜、この朱鷺メッセ連絡デッキが落下した直後は、一番心配したのはテロや事件ではないかという観点から、県警としても初期対応を執られたかと思いますが、各報道機関がいろいろと伝えておりますが、実際に事故発生当初の警察の対応状況について、まずお伺いしたいと思います。

◎刑事部長 お尋ねの朱鷺メッセの連絡デッキ落下事故に伴う警察の初期対応でございますが、いかに受け取ったかということが、一番大事だと思うのですけれども、現場が新潟県あるいは新潟市のシンボル的な建物ということで、警察としては午後8時23分に110番通報で事件を認知したわけですけれども、これについてはもしやということで、事件性の有無を直ちに確認しなければならないということを念頭に、新潟東警察署あるいは捜査一課、鑑識、科学捜査研究所、ここまで捜査員を招集、動員しました。早い者は午後8時30分に現場に到着したということで、第一次的には現場の全体状況の確認ということと、まず現場でやる第一次的な対応は、人的被害の確認がまず第一でございますので、通行人あるいは通行車両が巻き込まれていないかということを関係機関、消防などと一緒にまず確認をしました。併せて現場で事故概要というもの、落下した一つ一つのものを確認をしていくという作業が必要になりますけれども、一次的な確認はしたのですけれども、深夜にわたっていること、二次被害の危険があるということで、明日朝明るくなってからやろうということで、27日から本格的な現場検分をやっております。

 場所が場所、事故の内容が内容なので、警察としてはまさかではなくてもしやということで対応をさせていただいたところであります。

 

◆青木太一郎委員 私どもが想像したよりもはるかに県警の初期対応は、見事に対応しておられるわけであります。正に微に入り細にわたってさすが危機管理については専門家だなと思いました。その反面、逆に県の行政当局のその後の対応については、県警の対応からみるとお粗末だなという感じを、実はいたしたわけでございます。

 さらに、私どもは県民の立場から見れば、同日出航した万景峰号とのかかわりを一部大変心配をいたしましたが、今ほどの刑事部長のお話にありましたとおり、新潟東警察署をはじめ県警の捜査一課、鑑識課、あるいはまた消防等も出られまして、実況を検分をされたわけでありますが、より早い段階で事件性が認められないと判断されましたが、その理由等を支障のない範囲でお聞かせいただければ、幸いかと存じますが、いかがでございましょうか。

 

◎刑事部長 先ほども申し上げましたけれども、警察としては、もしやということで対応したわけでございます。そのもしやの第一番目、それを検分する第一番目は、第三者の関与した、普通の言葉で言えば破壊行為があったのかどうか、これに一番関心があったわけですけれども、そういういわゆる破壊行為などの犯罪的なこん跡が認められなかったということと、併せまして先ほども申し上げましたけれども、通行人あるいは通過車両、これらを巻き込んだ人的、物的被害がなかったということで、そう早くはなかったのですけれども、9月9日に第3回目の実況検分をやったわけですけれども、その時点では、事件性についてはきわめて薄いなということで判断しております。

 

◆青木太一郎委員 分かりました。さすがに県警の対応については私ども完璧な指導体制、それから早い段階で事件性、人的被害あるいは破壊行為はないという正しい判断を下されたということについては、その御苦労に敬意を表する次第であります。

(後略) 

 

 

平成15年  9月定例会 連合委員会  平成15年10月1日  △開会午後2時50分

 

○建設公安委員長 これより、連合委員会を開会いたします。

 質疑の順序は、配付の質疑順序表によることといたします。

 質疑の時間は、答弁を含めて、1人40分以内となっておりますので、遵守願います。

 なお、質疑残時間については、表示器によりお知らせいたします。

 これより、質疑を行います。

 

(中略)

 

◆宮越馨委員 冒頭、確認という意味でお願いします。実は私の大事な友人が公正取引委員長を務めておりますもので、私も県政に携わっていることから心配でありますもので、きゅうきょ浮上しました談合問題になりますが、まさか県政に及んでこないとは思いますが、朱鷺メッセのことも少し気になります。一応確認しておきますが、御心配はないでしょうか。

 談合事件が発生しておりますが、県政に及ぶ心配はないですかということを確認しているわけです。

 

◎知事 今回の新潟市の下水道をめぐる公正取引委員会の談合等の調査については、新潟市の下水道の事業にかかるもので、県には直接関係するものではないと思っております。

◆宮越馨委員 今回の質問は、政治家の立場である知事に御質問を申し上げます。県政改革のスタンスと、そして政治責任、さらには危機管理についてを中心に質問させていただきます。

 まず、私はこの中で危機管理について、大変政治的な視点で重要視しております。いわゆる筋書きのないドラマが展開する中で、唯一そのトップリーダーが責任を持って対処しなければならない部分でありまして、プライオリティーを一番高くしております。そうしたことをきちんとすることによって、安心、安全な社会、あるいはまた携わっている下位の政治の役割を担うわけでありまして、またそれが信頼構築につながっていって、頼もしい政治家、あるいは頼もしいトップと評価されていくわけであります。こういった理念で進めていくことには、知事といたしましてどう思うか、一応確認させてください。

 

◎知事 常に行政のトップに立つ者は、いざというときの備えを心構えとしてしておかなければなりませんし、いざとなったときに的確な判断をして、できるだけ被害を最小にとどめる。そして1日も早い復興を図る。そして民心の安全、安心と同時に、県民の生命と同時に財産の安全を図るということは最も重要な責務だと思いますので、是非ともそういうことがきちんと図れるように、常日ごろ努力をし、さらに、危機管理監等を置いて、組織におけるサポート体制といいますか、執行体制もきちんとしておくということを常に見直しながら心掛けてまいりたいと思います。

 

◆宮越馨委員 ごく当たり前なことでありますが、一応確認して、これから質問に移ります。今日の日本社会の世相をどう見るかでありますが、バブル崩壊後、しっかりとした価値観が喪失してしまって、どうやら物事を短絡的に考え、衝撃的な事件が多発して、目先の利に走る風潮がまんえんし、多くの不安とリスクが同居せざるを得なくなってきているようであります。こうした中で、最近特に我が新潟県にとっては余りいい話がなく、また事件がいろいろな面で発生して、暗い話ばかりであると思います。

 北朝鮮における拉致事件、万景峰号問題をはじめ、少女誘拐監禁事件、原子力発電所トラブル事故隠し、朱鷺メッセ連絡デッキ落下事件、冷夏による農作物被害、WTO農業交渉決裂事態に見る農業分野への暗雲、医療ミスの多発、直江津港フェリー航路廃止問題、佐渡汽船減便、そして県財政破綻(はたん)問題、県立美術館をめぐるごたごたなどなど、もともと景気の悪い中で、こうした暗く気の重い状況などには、恐らく多くの県民もへきえきしているのではないかと推察しております。そうしたときに、県民はどこに夢と希望を持ったらいいのか。今後における県政が期待と元気の出る県政になるかが大いに注目されていると思います。したがって、何としても今こそ元気の出る、将来に希望が持てる体系に再生しなければならない。

 まずもって、知事はこうした事態をどう受け止めておられるか。また、県民の頂点に立っている知事として、多分何か元気の出る、将来に展望が開ける奇策でもおありではないかと思い、元気が出る考えを、期待を込めて冒頭お尋ねいたしたいと思います。なければ結構であります。

 

◎知事 宮越委員から、今後の県政の展望についての明るい話題ということでありますが、何せ私が頂いた宮越委員からの質問書は、今後の県政の展望という1行しかございません。御自分は原稿を持ってお読みになっておられるのですけれども、私にはその1行しかございませんので、即席で答えなければいけないという、大変厳しい連合委員会であります。今後はできるだけ、あらかじめもう少し御質問の趣旨が分かるような質問書を出していただいた方が、答弁する方から見れば丁寧な答弁ができますので、お願いしたいと思います。

 挙げられた暗い話、すべてさらって挙げていただいたのかなという気もいたしますけれども、それはそれといたしまして、一方で、アルビレックス新潟の活躍から始まって、朱鷺メッセにおける人のにぎわいとか、あるいは大地の芸術祭の話とか、それぞれ地域でもって頑張っているわけですし、暗いことだけを考えればますます暗くなります。

 この地方分権の中で、みんなで地域で力を合わせて何とか頑張って自立していこうというのが今の県政のあるべき姿だと思っています。その中で、限られた予算ではありますけれども、それをいかに活用して、みんなが地域にどういうふるさとを作って子供たちにつないでいくのか。それはやはりお互いが工夫をして、官民分け隔てなく力を合わせるということしかないないわけであります。大地の芸術祭のこへび隊という応援団も含めて、地域と一緒になったイベントというのは、我々から見ると正にその一つのモデルになるかもしれないと思っております。また、新潟県の一番大事なことは、お互いが助け合うということと、やはり人に親切にするという意味で、人の痛みが分かる県民性という財産も大事にしていきたいと思います。高速交通体系ができ、そして環日本海の拠点という材料があるわけですけれども、それに加えて、やはり心の問題というものを何らかの形で、日本の中でも最も温かい気持ちの人たちが住んでいる地域にしていくということを心掛けていきたいと思います。

 暗い御指摘がございましたが、1日も早く明るい話題が増えるように頑張ってまいりたいと思います。

 

◆宮越馨委員 大いに頑張ってほしいと思います。多分そのように答弁が長くなるような感じがしますので、私は骨太の質問しかしていませんから、答えも骨太に、短くお願いいたします。

 そこで、取りあえず緊急な点について先に質問をさせていただきます。それは、朱鷺メッセの連絡デッキ落下事件の責任と危機対応についてでございます。この事件、いわゆる事故の処理には極めて重要な問題を含んでいるなと思って質問させていただきます。私が冒頭に申し上げたのは、危機管理が非常に大事だということを、ここにつなげて確認させていただきました。まず、端的に申し上げます。落下時刻に、知事はどこにおられましたか

 

◎知事 知事公舎におりました。

 

◆宮越馨委員 人身事故などがなくて良かったと思われるわけでありますが、もしも人身事故があったら、知事はそのときこれは辞任ものだなと感じましたか。

 

◎知事 正直言ってそこまで詰めて感じたということではございません。人身事故があるかないかということは、まず確認という意味で早く確認してくれということは申し上げました。

 

◆宮越馨委員 そこで、今朝配付されました事故調査報告書を見ると、落下当時、複数の利用者がいたようでありますが、この本人の確認をしたうえで、迷惑をかけたというような意味で、謝罪等をなされましたか。

 今日配られた事故調査報告書の中を見ると、落下当時に複数の利用者が何人かいたそうであります。それで、大変な思いをしてその現場を離れて、驚いたという話が報告書に入っています。それは確認されて、把握されているのならば、申し訳ないというようなことで、謝罪のようなことはされましたかと聞いているのです。

 

◎知事 事故の後、日がたつに連れてこういう人がいたということが判明してまいりましたので、そのことについては後日、県の関係の職員でも、朱鷺メッセに入っている、例えば財団法人にいがた産業創造機構の職員でも、渡って1分後に落ちたとか、5分後に通ったとか、あるいはという話はございますけれども、直前、渡っていてすぐに戻って落下したと、それで、持っていた荷物が残ったので、後で拾ってもらったという、一番危険だった状態の人については、大分たってからになりますけれども、話としては聞いております。そういうことも含めて、人身事故はなかったということを確認しておりますが、私自身が直接その人に謝罪等を含めてアクションを執ったということは今のところございません。

 

◆宮越馨委員 その危機管理体制のことでありますが、落下したときのことについては同僚議員が質問して答えられておりますから、大体分かりますが、なぜすぐに現場に駆けつけなかったか。そして事故発生から3日目に現地へ行かれたそうでありますが、この理由がどうしても分からないのであります。これは知事の危機管理能力、資質にもかかわる問題ではないかと私は思っています。きちんとそれはお答え願いたいと思いますし、このことは多くの県民がその真意を知りたがっているということで、是非知事の明快な説明をお願いいたします。

 

◎知事 翌日の早朝、極めて早い新幹線で東京に行く用事がございました。前の日の夜遅い打ち合わせで、万一人身事故があった場合には東京への出張は取りやめようと、なかった場合には日程上上京すると。そして帰りに現場へ、新幹線で降り立った後直行するという予定にしていたところであります。しかしながら、夕方、翌日ですけれども、現場へ行くときに、残った建物が落下の危険性があるということで、作業が中断になりました。中断となった状態で私が現場に行くということになると、そのために投光機を別途付けなければならないと。したがってその分の作業やお金を考えると、申し訳ないけれども翌朝にしてほしいということで、翌々日の早朝に現場に行くことに至ったわけであります。結果的に、当日あるいは翌日すぐに、朝いくら早くとも行けばよかったという判断は後ほどございましたけれども、結果としてはそういうことで、経緯としてはそうなった次第でございます。

 

◆宮越馨委員 分かるような感じはしますが、仮に私でしたら、歩いても行けるような所に住んでいらっしゃるわけですから、当然現場急行になったと思います。そしてこれは、官民合わせて 459億円もかけた巨費を投入して、日本海側最大級の、正に平山県政のシンボルとして造った施設でありますから、大変心配になっていたはずであります。ですから自ら現場へ進んで行きまして、リーダーシップを発揮して陣頭指揮を、どう善後策を執るかということがあってもいいような気がいたしたから質問しているのでありますが、これと似たことが9.11の同時テロで、ニューヨークの貿易センターがやられましたけれども、ジュリアーノ市長が病の身を押しながら現場に駆けつけていったという話もありますが、もう一度聞きますが、ほんの目と鼻の先にあるということに対して、すぐに現場に急行して行かれなかった理由が、少しまだ理解に苦しむのでありまして、もう一度しっかりとしたお答えをいただけませんか。

 

◎知事 この問題については、事故の状況の把握ということが、事の大きさの把握ということのジャッジだと思いますけれども、昨日申し上げましたように、その意味において再検討しチェックしなければいけないというのは二つありまして、一つは、私自身の判断の問題、最初、この事故が起こったときにあの形でドーンと全部が落ちたということではなくて、床が抜けたのかなと一瞬判断しておりましたので、それからメートルの状況も、最初と後では大分違っておりましたので、その辺についての判断が、状況の把握と事故の大きさの判断が若干甘かったと思いますし、2番目の問題としては、担当部局からの連絡の中で、やはり事の重要性があれば、知事にすぐ来てもらいたいという発想があるべきだったかどうか、両方からのチェックが必要だったと思います。自分のことについて言えば、その時点においては、人身事故はなさそうだということだったので、目と鼻の先ということでありますけれど、指示をして連絡を待つという形にしたのですけれども、夜遅くなってテレビで現場の場面が出たときには、相当ひどいなと。やはりこれは出かけてすぐ駆けつけて見るべきであったかもしれないというふうに、実は感じたところでありました。

 

◆宮越馨委員 それならば、なぜ出かけなかったということが残りますが、次にいきます。落下したデッキの部分が、3か所にあるそうでありまして、今日の調査報告書にも出ておりますが、入江とアトリウム側の通路については、答弁を聞いた内容は承知しておりますが、答弁の中に専門家の意見を聞き、安全を期して支柱を入れたということで、それは結構なのですが、ではそれまでに危険な状態をさらさせたということは間違いないですね。これは、県民及び利用者がたくさんあそこを通ったわけでありますが、この点について責任は重いなという感じがしますが、いかがでしょうか。

 

◎知事 今日、問題になっていた支保工を入れた部分だと思いますけれど、これも直ちに今後の利用において安全性が大丈夫なのか、確認するようにということを指示いたしました。当座は通行を禁止していたわけです、上を通らないように。それで安全を確認する。ただし、そうしても残る問題がどうしてもあったわけです。人が上を通ってその重さで落ちるという危険性は、通行禁止にすることによって避けられますけれども、もともと落ちた所は、人が通っていない状態で落ちたわけですから、下を車が通るという意味でのリスクがありますから、直ちにそのことを含めて、どう対応するかについて検討してもらいました。

 その後、さんざん検査していく中で、最終的にこの問題についても議論が深まってきて、当座の判断としては大丈夫であるということでありましたけれども、今後、本当の意味でここについて原因の究明が進んでいる中で、斜材ロッドの所かなと、いろいろな議論が出ていましたので、見て、確認していくうえで大丈夫だという結論でありましたけれども、支保工を入れておいた方が、念のためにもしものことがあった時にという御意見もございましたので、私どもとしては万全を期す意味で、今般支保工を入れるということを結論として出した次第であります。最初の時点で、安全性については専門家の方にも確認をしているところでございます。

 

◆宮越馨委員 一応3か所全部通行止めにしていたということであることは分かりました。そして、一つ気になるのは、あの全体のシンボルである朱鷺メッセが信頼を損ねたという、こういう感じで県民は受け止めております。そういうことで、安全ならばいつの時期かは別にしましても、速やかに安全宣言というようなことを出された方がいいかなと思いますが、どうでしょうか。

 

◎知事 御指摘の点については、エスプラナードとか、いろいろな意味で構造設計とかにかかわった人の問題等を含めて、今検討しているところでありますけれども、設計の方向とか工事の仕方等が違いますので、私どもとしては安全であるということを、その意味での確認をしているつもりですけれど、御指摘のような安全宣言をする必要があるかどうかについては、現時点で原因の究明が進む中で、必要があるならば行うということで、現時点については、すぐに行うかどうかについては、判断をまだ下していないところであります。

 

◆宮越馨委員 これは、新潟地震とか最近発生しました十勝沖地震等、液状化現象とかいろいろな心配が港の近くでありますから、県民の多くのかたがたはそう思っているはずであります。是非、速やかに安全宣言をされた方が、朱鷺メッセの営業というか利用にも貢献するのではないかと思いますので、速やかにそういう対応を、これはお願いしておきます。

 次に、こうした事態は世界にも類例がないほど、恥ずかしいことだと思うのです。ショッキングな事件だということを言う人が多いのですけれども、正に私もそう思います。あってはならないことが起きた原因には、先日の代表質問に答えられて、当然損害賠償を請求するということをおっしゃっておりますが、もしも県に責任があるということになった場合、損害賠償責任処理はどうなるのか、県民の税金で補うことにでもなったら、県民はなかなか厳しい、許されないものがあると思います。また、仮に責任が生ずるとしたら、どういう部分が考えられるか。これは設計、施工、監督、チェック等いろいろなことがあって、私は県の責任はどうしても免れない部分があるのではないかなと思いますが、そうなった時にはどう対応されるか、質疑の中で少し分かっておりますけれども、もう一度お聞きします。

 

◎知事 原因の究明がなされたところにおいて、その原因の所在において責任を果たすということになりますから、何度も申し上げているように、県の責任がその中で明らかになった場合には、それにおいて県の責任ということもあろうと思いますが、原因の究明がなされて、それが固まった時点での話だと思います。その時点においてきちんと設計、あるいは施工を含めて、県の責任も明らかになった状況に応じての判断ということで考えております。

 

◆宮越馨委員 総合的に判断して、知事の政治責任もその中に入るということでよろしいですか。

 

◎知事 今、申し上げているのは、損害賠償の責任の負い方の問題というふうに質問は受けたところでありますが、そのほかに管理責任を含めてどういう責任がトータルとしてあるかについては、その時点で考えるべきだと思いますが、どういう形で負うかについては、その時点で判断したいと思います。

 

◆宮越馨委員 それは先のことにすることにしまして、今後について心配事が一つあります。原因究明の過程で責任の所在をめぐり、ひょっとしたら犠牲者が出なければいいがなと思っております。こうしたケースは、意外と責任転嫁の段階で問題が出てくる、そんな気がしてなりません。飽くまでも原因究明は公正に行って、予断を入れず速やかに解決されるよう望んでおります。

(後略)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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