日本建築法制会議が基本法(案)をつくるにあたって論議する内容
2003.11.19.
構造設計家/東京電機大学大学院教授
今 川 憲 英
序. ローカリティ豊かな建築の認識
文化と環境と敷地が異なる場に計画される建築の空間は同じ用途の建築でも同じ規模や性格の建築が誕生するわけではない。この点が建築がローカリティである所以である。建築がローカリティ豊かに完成する時その建築は時を長くつなぐことができる。特に、公共建築において空間が設計され、建設され、そして完成に至るまでに、そのローカリティにおいて社会の縦断面全ての人々が大なり小なり建築の完成に従事している。このように建築が実現するため費やされる膨大なエネルギー量という点でプロジェクトが公共であれ、プライヴェートであれ、建設される場所のみならず建設地の周辺地域、市町村、県や国の自然環境、社会環境ひいてはその地域の政治・経済に至る、いわゆるローカリティに多大な影響を及ぼすことになる。
1.
日本の建築は、日本が持つ日本のローカリティ(ex.47都道府県の文化と社会etc.)に豊かな建築であることと、日本以外の国や地域の建築との違いが認識できる建築であることについての背景をかためる。
2. 日本の建築とは?! → 建築空間が持続する権利は何か!!
a.
建築はローカルであるべき?
b. 生活としての建築
c. 文化としての建築
d.
時をつなぐ建築とは(新築・改修保存・改修使用)
@)建築のエレベーション(立面)の統一は必要か否か?
A)何十年以上時をつないだ建築が建築なのか?
○
建築デザインの耐久性
○ 建築空間の骨格の耐久性
○ 建築空間の性能( 耐熱・耐震・耐騒音 ・・・ )
○ 空間を維持する機器(
空調・電気・給排水 ・・・ )
3. 建築をつくる者の役割( 権利と責任 = 倫理
)の確認
a.
公共建築を実現する場合
@)国・県・市町村の ― 立案者
― 行政者
― 司法者
A)建築を設計する者
B)建築を建設する者
C)建築を使用する者
D)建築教育者の役割
E)建築研究者の役割
F)建築学会の役割
b.
私的建築で公的に影響する建築を実現する場合 → ex)大空間・超高層 etc.
@)建築行政・司法者の役割
A)クライアントの役割
B)設計者の役割
C)建設者の役割
D)建築教育者の役割
E)建築研究者の役割
F)建築学会の役割
c.
私的建築を実現する場合
@)建築行政・司法者の役割
A)クライアントの役割
B)設計者の役割
C)建設者の役割
D)建築教育者の役割
E)建築研究者の役割
F)建築学会の役割